世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

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第五章 「世紀末兵器カーニバル」
第25話 「ギルドの切り札」


ヒャッハー!!

 

総力突撃!!

 

戦場完全崩壊!!

 

だが荒野にはまだ“管理者”が存在する!!

 

ハンターギルド!!

 

均衡維持機構!!

 

秘匿戦力!!

 

そして今――

 

空より舞い降りる真の理不尽!!

 

対怪物決戦兵器、投入であるゥ!!

 

--------------------

 

轟音。

 

それは戦場の音ではなかった。

 

砲撃でもない。

 

爆発でもない。

 

エンジンでもない。

 

空だった。

 

誰かが反射的に顔を上げる。

 

「……は?」

 

白く濁った世紀末の空。

 

そこに。

 

異物。

 

鋭角的な影。

 

高速で接近する鋼鉄の鳥。

 

「航空機……!?」

 

驚愕が連鎖する。

 

荒野において航空戦力は極めて希少。

 

燃料。

 

整備。

 

部品。

 

すべてが贅沢品。

 

ゆえに。

 

それは象徴だった。

 

ギルドの本気。

 

「ついに出しやがったか……」

 

軍閥兵の顔が強張る。

 

賊徒たちの歓声が止まる。

 

ハンターたちの視線が鋭くなる。

 

上空。

 

旋回。

 

機体は異様な安定を保っていた。

 

無駄のない挙動。

 

訓練された動き。

 

ただの飛行機ではない。

 

ギルド所属戦術機。

 

対災害級目標専用機。

 

「照準固定……!」

 

誰かが叫ぶ。

 

機体下部。

 

開く装甲。

 

露出する異様な装置。

 

「まさか……EMP!?」

 

次の瞬間。

 

バチィィィィィン!!!

 

閃光。

 

電磁衝撃。

 

空間を歪ませる不可視の一撃。

 

衝撃波が荒野を薙ぎ払う。

 

ダム設備。

 

制御盤。

 

兵器群。

 

車両。

 

武装。

 

すべてが沈黙した。

 

エンジン停止。

 

照準喪失。

 

駆動停止。

 

戦場から音が消える。

 

あまりにも異様な静寂。

 

「……決まった」

 

誰かの呟き。

 

それは確信だった。

 

どれほどの怪物であろうと、

 

機械依存兵器はEMPに抗えない。

 

ダム停止。

 

武装無効。

 

補給遮断。

 

勝利条件成立。

 

……のはずだった。

 

沈黙の中心。

 

ただ一人。

 

「……ヒャ?」

 

間抜けな声。

 

ヒャッハーだった。

 

首を傾げる。

 

止まった兵器を見る。

 

沈黙した設備を見る。

 

そして。

 

ニヤリと笑う。

 

「なるほどなァ……」

 

妙に楽しげな声音。

 

「そう来たか」

 

戦場の誰もが凍り付く。

 

嫌な予感。

 

最悪の確信。

 

ヒャッハーは腰の装置へ手を伸ばす。

 

カチリ。

 

スイッチ。

 

次の瞬間。

 

ゴウンッ!!

 

駆動音。

 

「なッ!?」

 

再稼働。

 

ダム設備復活。

 

圧力計起動。

 

兵器再起動。

 

エンジン再始動。

 

EMP無効。

 

戦場絶句。

 

ヒャッハーは笑っていた。

 

「ヒャッハッハァ!!」

 

狂喜。

 

「対策済みだぜェ!!」

 

あり得ない。

 

常識外。

 

EMP対策装備。

 

完全独立回路。

 

旧世界技術の塊。

 

上空の戦術機が即座に回避行動へ移る。

 

だが。

 

遅い。

 

ヒャッハーはすでに構えていた。

 

レーザーバズーカ。

 

対空照準。

 

異様な速さ。

 

「ヒャッハー!!」

 

閃光。

 

光。

 

消失。

 

次の瞬間。

 

空が爆発した。

 

戦術機。

 

粉砕。

 

炎上。

 

四散。

 

残骸が荒野へ降り注ぐ。

 

「バカな……」

 

誰かが呟く。

 

ギルドの切り札。

 

対怪物最終兵器。

 

それが。

 

一撃で消えた。

 

ヒャッハーは満面の笑みだった。

 

「いいねぇ……!!」

 

心底嬉しそうに。

 

「最高じゃねぇか!!」

 

戦場を見渡す。

 

絶望。

 

沈黙。

 

硬直。

 

そのすべてを肴に笑う。

 

「まだだろォ?」

 

狂気の問いかけ。

 

「まだ終わらねぇだろォ!?」

 

そして。

 

ゆっくりと宣言する。

 

「さぁ第二ラウンドだァ……!!」

 

戦場の理性が再び崩壊する。

 

理解してしまったからだ。

 

ギルドの最終手段。

 

それすら。

 

通じない。

 

ヒャッハーという存在の異常性。

 

災害指定の意味。

 

規格外の証明。

 

そして再び。

 

銃声が鳴り響いた。

 

誰かの恐怖が引き金を引いた。

 

連鎖。

 

爆発。

 

絶叫。

 

戦場は再び地獄へと沈む。

 

ヒャッハーは笑い続けていた。

 

世界の中心で。

 

「ヒャッハッハァ!!」

 

歓喜。

 

暴力。

 

理不尽。

 

怪物は止まらない。

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