世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

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第28話 「イモバルカン・カーニバル」

ヒャッハー!!

 

ジェットモヒカン暴走!!

 

戦場速度概念完全崩壊!!

 

もはや誰も追いつけない!!

 

……だが世紀末は甘くない!!

 

止まらぬ怪物に対抗するもの――

 

それは!!

 

同じく理不尽な火力であるゥ!!

 

旧世界の悪夢!!

 

イモバルカン!!

 

大量投入であるゥゥゥ!!

 

--------------------

 

戦場。

 

爆炎。

 

黒煙。

 

砂塵。

 

ジェット噴射の残光が大地を焼き、

 

兵士も賊徒もハンターも区別なく吹き飛ばされる。

 

「速すぎる……!!」

 

誰かが叫ぶ。

 

視界の彼方。

 

残像のように走る黒い閃光。

 

ヒャッハー。

 

ジェット推進器を無理矢理接続された黒塗りバイク。

 

その挙動は常軌を逸していた。

 

直進。

 

跳躍。

 

加速。

 

急旋回。

 

もはや乗り物ではない。

 

質量を持った災害。

 

「ヒャッハァァァァ!!」

 

歓喜の絶叫。

 

戦場を縦横無尽に引き裂く怪物。

 

「止めろォ!!」

 

「撃ち落とせ!!」

 

砲撃。

 

銃撃。

 

ミサイル。

 

だが。

 

当たらない。

 

認識すら困難。

 

「なんなんだあいつは……!」

 

絶望が広がり始めた、その時だった。

 

――ゴゴゴゴゴゴ……

 

異様な振動。

 

大地ではない。

 

ダム側。

 

巨大搬入口。

 

ゆっくりと。

 

重々しく。

 

開き始める。

 

「……まだ何か出てくるのかよ……」

 

誰かの声が震える。

 

嫌な予感しかしない。

 

そして。

 

転がり出てきた。

 

丸い。

 

巨大。

 

鈍重な金属塊。

 

「……なんだあれ」

 

一拍。

 

静寂。

 

次の瞬間。

 

ドガガガガガガガガガガガガガ!!!!

 

爆音。

 

閃光。

 

弾幕。

 

空間そのものが震える。

 

「なッ――!?」

 

火線が戦場を薙ぎ払った。

 

無数の曳光弾。

 

容赦なき鉛の豪雨。

 

回避不能。

 

遮蔽無効。

 

理不尽の極致。

 

「イモバルカンだァァァ!!」

 

誰かが絶叫する。

 

旧世界製自律制圧ユニット。

 

通称――イモバルカン。

 

その特徴。

 

異常な弾幕。

 

異常な継戦能力。

 

異常な悪意。

 

丸い機体表面が展開。

 

無数の銃口が姿を現す。

 

回転。

 

照準。

 

そして。

 

再び。

 

ドガガガガガガガガガガガ!!!!

 

戦場崩壊。

 

装甲車粉砕。

 

バイク爆散。

 

兵士消失。

 

「ふざけるなァ!!」

 

軍閥兵が叫ぶ。

 

だが応答はない。

 

イモバルカンは感情を持たない。

 

ただ機械的に。

 

合理的に。

 

殺戮だけを実行する。

 

ダム上部。

 

ヒャッハーはそれを見ていた。

 

そして。

 

大爆笑していた。

 

「ヒャッハッハァ!!」

 

腹を抱える。

 

「いいねぇ!!」

 

狂喜。

 

「出番だぜェ!! 火力バカどもォ!!」

 

搬入口。

 

さらに。

 

さらに。

 

さらに。

 

ゴロゴロゴロゴロゴロ……

 

無数の金属塊。

 

イモバルカン。

 

イモバルカン。

 

イモバルカン。

 

大 量 投 入。

 

戦場絶句。

 

「……嘘だろ……」

 

数。

 

異常。

 

弾幕兵器が群れを成していた。

 

「撃てェェェ!!」

 

全軍反応。

 

ロケット。

 

ミサイル。

 

砲撃。

 

だが。

 

止まらない。

 

弾幕がすべてを打ち消す。

 

迎撃。

 

迎撃。

 

迎撃。

 

「近づけねぇ!!」

 

「どうしろってんだ!!」

 

戦場が再び絶望へ傾く。

 

だが。

 

世紀末世界の住民は適応が早い。

 

「……待て……」

 

一人のベテランハンター。

 

冷静な瞳。

 

観察。

 

分析。

 

「装甲は厚いが……」

 

火線の隙間を見抜く。

 

「旋回速度は遅い」

 

次の瞬間。

 

疾走。

 

回避。

 

滑り込み。

 

ズドォン!!

 

精密射撃。

 

関節部直撃。

 

イモバルカン一機停止。

 

戦場がざわめく。

 

「壊せるぞ……!?」

 

その瞬間。

 

理性が吹き飛ぶ。

 

「ヒャッハァァァ!!」

 

賊徒乱入。

 

「武装の塊じゃねぇか!!」

 

突撃。

 

飛びつく。

 

殴る。

 

引き剥がす。

 

破壊ではない。

 

略奪。

 

装甲剥ぎ。

 

銃座強奪。

 

弾薬回収。

 

「使えるぞコイツ!!」

 

自前車両へ無理矢理接続。

 

世紀末魔改造。

 

倫理観ゼロ。

 

「火力強化完了だァ!!」

 

さらに戦場が歪む。

 

軍閥兵も気付く。

 

「……なるほどな……」

 

「鹵獲しろ!!」

 

もはや敵ではない。

 

資源。

 

ヒャッハーは爆笑していた。

 

「ヒャッハッハァ!!」

 

「そうだァ!!」

 

歓喜。

 

「それでいい!!」

 

狂気の教師。

 

「兵器は奪うものだァ!!」

 

戦場。

 

弾幕。

 

爆炎。

 

略奪。

 

強奪。

 

修羅。

 

そして。

 

誰よりも楽しそうに笑うモヒカン。

 

世紀末はさらに加速していく。

 

どこまでも。

 

理不尽の彼方へ。

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