世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

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第34話 「軍閥代表前へ」

ヒャッハー!

怪物同士の激突により戦場機能停止寸前!!

 

誰も介入できぬ異常領域!!

だが――沈黙を踏み砕く重低音!!

 

荒野最大勢力の象徴!!

暴力の化身!!

 

軍閥代表、ついに前へ出るゥ!!

 

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異変は音より先に伝わった。

 

空気。

 

振動。

 

地面。

 

戦場を覆う爆発と砲撃の中、

それとは明らかに異なる重さが混じる。

 

ズシン……

 

誰かが顔を上げる。

 

「……なんだ……?」

 

再び。

 

ズシン……

 

鈍い衝撃。

 

まるで巨大な何かが、

大地そのものを踏み締めているかのような振動。

 

戦場の一角。

 

煙の向こう。

 

ゆらりと揺れる巨影。

 

「……おい……」

 

軍閥兵の一人が呟く。

 

「あれって……」

 

次の瞬間。

 

ズドォン!!

 

煙を押し退けて姿を現す巨躯。

 

軍閥代表。

 

圧倒的な質量。

 

圧倒的な威圧。

 

圧倒的な存在感。

 

まるで人間の形をした戦車。

 

いや違う。

 

戦車など比較にならぬ異様な圧力。

 

その場にいた全員の背筋が凍る。

 

「代表……!」

 

「総帥だ……!」

 

ざわめきが連鎖する。

 

逃げ惑っていた兵士。

 

応戦していたハンター。

 

暴れていた賊徒。

 

すべての視線が吸い寄せられる。

 

歩く。

 

ただ歩くだけ。

 

それだけで周囲の空気が歪む。

 

砲撃音すら遠のいた錯覚。

 

「……」

 

ヒャッハーが動きを止めた。

 

少年との激突の最中。

 

硬鞭を振り抜こうとした姿勢のまま。

 

ゆっくりと視線を向ける。

 

そして。

 

「……ヒャッハー……」

 

口角が歪む。

 

笑み。

 

歓喜。

 

愉悦。

 

「いいねぇ……」

 

震える声。

 

心底嬉しそうに。

 

「やっと出てきやがったか」

 

軍閥代表は何も言わない。

 

ただ進む。

 

ズシン……

 

一歩。

 

ズシン……

 

また一歩。

 

その足取りには一切の迷いがない。

 

恐怖も焦燥もない。

 

あるのは純粋な圧殺の気配。

 

少年が息を呑む。

 

本能的理解。

 

「……違う……」

 

次元が。

 

格が。

 

密度が。

 

まるで別種の生物。

 

ヒャッハーが笑う。

 

「ヒャッハッハァ!!」

 

狂喜。

 

歓喜。

 

興奮。

 

「最高じゃねぇか!!」

 

硬鞭を肩へ担ぐ。

 

「お前が親玉か」

 

軍閥代表、停止。

 

距離、数メートル。

 

その巨体が影を落とす。

 

言葉はない。

 

だが。

 

その沈黙がすべてを語っていた。

 

潰す。

 

ただそれだけの存在。

 

次の瞬間。

 

ドォンッ!!

 

軍閥代表、踏み込む。

 

爆音。

 

質量の暴力。

 

常識を拒絶する加速。

 

「なッ――」

 

誰もが反応できない。

 

ヒャッハーの視界に迫る巨拳。

 

ドォォン!!!

 

衝撃。

 

空気が爆ぜる。

 

ダム上部のコンクリが砕け散る。

 

ヒャッハーの身体が吹き飛ぶ。

 

柵を突き破り、

構造物へ激突。

 

凄まじい破壊音。

 

戦場絶句。

 

「……今の……」

 

「直撃……だよな……?」

 

煙の中。

 

崩れた瓦礫。

 

そして。

 

「ヒャッハー!!」

 

爆笑。

 

ヒャッハーが飛び出してくる。

 

「いいパンチじゃねぇかァ!!」

 

煤まみれ。

 

だが健在。

 

狂った耐久性。

 

軍閥代表、追撃。

 

躊躇なし。

 

連撃。

 

拳。

 

蹴り。

 

踏み込み。

 

すべてが重機械じみた暴力。

 

ヒャッハーが受ける。

 

弾く。

 

逸らす。

 

だが。

 

明らかに押されていた。

 

質量差。

 

出力差。

 

純粋な破壊力の違い。

 

ゴシャァッ!!

 

拳が掠める。

 

ヒャッハーの装備が吹き飛ぶ。

 

コンクリが抉れる。

 

「ヒャッハッハァ!!」

 

それでも笑っていた。

 

心底楽しそうに。

 

「いいねぇ!!」

 

「最高だ!!」

 

少年が目を見開く。

 

理解不能。

 

なぜ笑える。

 

なぜ喜べる。

 

軍閥代表の猛攻。

 

常識なら恐怖しか生まれぬ暴力。

 

ヒャッハーは歓喜していた。

 

「もっと来いよォ!!」

 

硬鞭が唸る。

 

ゴォン!!

 

軍閥代表の腕へ直撃。

 

鈍い衝撃音。

 

だが。

 

止まらない。

 

まるで効いていない。

 

「……チッ」

 

ヒャッハーの舌打ち。

 

初めての明確な不快反応。

 

軍閥代表の拳。

 

再び炸裂。

 

ドォォン!!

 

ヒャッハー吹き飛ぶ。

 

地面を転がる。

 

戦場の誰もが理解する。

 

異常 vs 異常。

 

怪物同士の領域。

 

そして。

 

ゆっくりと立ち上がるヒャッハー。

 

血塗れ。

 

装備損傷。

 

だが。

 

笑っていた。

 

「ヒャッハー……♪」

 

恍惚。

 

狂気。

 

歓喜。

 

「いいねぇ……」

 

視線固定。

 

軍閥代表へ。

 

「お前……」

 

異様な確信を帯びた声。

 

「最高じゃねぇか……!!」

 

戦場が息を呑む。

 

まだ上がる。

 

まだ狂う。

 

まだ壊れる。

 

世紀末最大級の暴力衝突。

 

第二幕。

 

開演。

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