世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉 作:ヒツジ(ラム肉
ヒャッハー!
怪物同士の激突により戦場機能停止寸前!!
誰も介入できぬ異常領域!!
だが――沈黙を踏み砕く重低音!!
荒野最大勢力の象徴!!
暴力の化身!!
軍閥代表、ついに前へ出るゥ!!
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異変は音より先に伝わった。
空気。
振動。
地面。
戦場を覆う爆発と砲撃の中、
それとは明らかに異なる重さが混じる。
ズシン……
誰かが顔を上げる。
「……なんだ……?」
再び。
ズシン……
鈍い衝撃。
まるで巨大な何かが、
大地そのものを踏み締めているかのような振動。
戦場の一角。
煙の向こう。
ゆらりと揺れる巨影。
「……おい……」
軍閥兵の一人が呟く。
「あれって……」
次の瞬間。
ズドォン!!
煙を押し退けて姿を現す巨躯。
軍閥代表。
圧倒的な質量。
圧倒的な威圧。
圧倒的な存在感。
まるで人間の形をした戦車。
いや違う。
戦車など比較にならぬ異様な圧力。
その場にいた全員の背筋が凍る。
「代表……!」
「総帥だ……!」
ざわめきが連鎖する。
逃げ惑っていた兵士。
応戦していたハンター。
暴れていた賊徒。
すべての視線が吸い寄せられる。
歩く。
ただ歩くだけ。
それだけで周囲の空気が歪む。
砲撃音すら遠のいた錯覚。
「……」
ヒャッハーが動きを止めた。
少年との激突の最中。
硬鞭を振り抜こうとした姿勢のまま。
ゆっくりと視線を向ける。
そして。
「……ヒャッハー……」
口角が歪む。
笑み。
歓喜。
愉悦。
「いいねぇ……」
震える声。
心底嬉しそうに。
「やっと出てきやがったか」
軍閥代表は何も言わない。
ただ進む。
ズシン……
一歩。
ズシン……
また一歩。
その足取りには一切の迷いがない。
恐怖も焦燥もない。
あるのは純粋な圧殺の気配。
少年が息を呑む。
本能的理解。
「……違う……」
次元が。
格が。
密度が。
まるで別種の生物。
ヒャッハーが笑う。
「ヒャッハッハァ!!」
狂喜。
歓喜。
興奮。
「最高じゃねぇか!!」
硬鞭を肩へ担ぐ。
「お前が親玉か」
軍閥代表、停止。
距離、数メートル。
その巨体が影を落とす。
言葉はない。
だが。
その沈黙がすべてを語っていた。
潰す。
ただそれだけの存在。
次の瞬間。
ドォンッ!!
軍閥代表、踏み込む。
爆音。
質量の暴力。
常識を拒絶する加速。
「なッ――」
誰もが反応できない。
ヒャッハーの視界に迫る巨拳。
ドォォン!!!
衝撃。
空気が爆ぜる。
ダム上部のコンクリが砕け散る。
ヒャッハーの身体が吹き飛ぶ。
柵を突き破り、
構造物へ激突。
凄まじい破壊音。
戦場絶句。
「……今の……」
「直撃……だよな……?」
煙の中。
崩れた瓦礫。
そして。
「ヒャッハー!!」
爆笑。
ヒャッハーが飛び出してくる。
「いいパンチじゃねぇかァ!!」
煤まみれ。
だが健在。
狂った耐久性。
軍閥代表、追撃。
躊躇なし。
連撃。
拳。
蹴り。
踏み込み。
すべてが重機械じみた暴力。
ヒャッハーが受ける。
弾く。
逸らす。
だが。
明らかに押されていた。
質量差。
出力差。
純粋な破壊力の違い。
ゴシャァッ!!
拳が掠める。
ヒャッハーの装備が吹き飛ぶ。
コンクリが抉れる。
「ヒャッハッハァ!!」
それでも笑っていた。
心底楽しそうに。
「いいねぇ!!」
「最高だ!!」
少年が目を見開く。
理解不能。
なぜ笑える。
なぜ喜べる。
軍閥代表の猛攻。
常識なら恐怖しか生まれぬ暴力。
ヒャッハーは歓喜していた。
「もっと来いよォ!!」
硬鞭が唸る。
ゴォン!!
軍閥代表の腕へ直撃。
鈍い衝撃音。
だが。
止まらない。
まるで効いていない。
「……チッ」
ヒャッハーの舌打ち。
初めての明確な不快反応。
軍閥代表の拳。
再び炸裂。
ドォォン!!
ヒャッハー吹き飛ぶ。
地面を転がる。
戦場の誰もが理解する。
異常 vs 異常。
怪物同士の領域。
そして。
ゆっくりと立ち上がるヒャッハー。
血塗れ。
装備損傷。
だが。
笑っていた。
「ヒャッハー……♪」
恍惚。
狂気。
歓喜。
「いいねぇ……」
視線固定。
軍閥代表へ。
「お前……」
異様な確信を帯びた声。
「最高じゃねぇか……!!」
戦場が息を呑む。
まだ上がる。
まだ狂う。
まだ壊れる。
世紀末最大級の暴力衝突。
第二幕。
開演。