世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

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第38話・最終決戦(後編) 「止めるために、殺せ」

ヒャッハー!

泥流迫る終末戦場!!

火炎・弾幕・質量兵器の三重地獄!!

だがついに少年が怪物へ肉薄!!

激突する暴力と暴力!!

そして世紀末最大の様式美――

つば競り合い発生!!

押し潰される希望!!

その瞬間、因果が牙を剥くゥ!!

 

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泥が世界を削っていた。

 

土石流は止まらない。

だが戦場もまた、止まらなかった。

 

焼かれようが。

撃たれようが。

潰されようが。

 

「前へぇぇぇ!!」

 

人間という生物は、時に異様なほどしぶとい。

 

ヒャッハーは笑っていた。

 

「ヒャッハッハァ!!」

 

火炎放射。

ミニガン。

硬鞭。

 

三重の暴力を振り撒きながら。

 

だが。

 

その時だった。

 

爆炎の向こう。

泥流の縁。

煙を切り裂いて飛び出す影。

 

少年。

 

血塗れ。

満身創痍。

それでも加速。

 

「……ッ!!」

 

ヒャッハーの瞳がわずかに見開かれる。

 

真正面。

 

逃げない。

逸れない。

一直線。

 

「ヒャッハー!!」

 

硬鞭が唸る。

 

ゴシャァッ!!

 

直撃――

 

の瞬間。

 

少年が踏み込んだ。

 

極限の前進。

極限の間合い侵入。

 

硬鞭の内側。

 

「――取った!!」

 

重刃刀が振り上げられる。

 

ヒャッハーの腕が動く。

迎撃。

 

激突。

 

ギィィィィィン!!

 

金属音が爆ぜる。

 

つば競り合い。

 

純粋な力の衝突。

 

押し合い。

削り合い。

逃げ場ゼロ。

 

「……ぐ……ッ!!」

 

少年の歯が軋む。

 

重刃刀の質量。

全身の筋力。

地面を踏み砕く脚力。

 

すべてを総動員。

 

だが。

 

「ヒャッハー……♪」

 

ヒャッハーは笑っていた。

 

余裕。

 

圧倒的余裕。

 

「いいねぇ……!」

 

ギギギギギ……

 

徐々に。

確実に。

 

少年が押され始める。

 

「……な……!」

 

筋力差ではない。

 

“存在強度”の差。

 

ヒャッハーの腕が沈む。

刃が押し返される。

視界が迫る。

 

「終わりかァ?」

 

楽しげな声。

 

少年の脚が震える。

 

踏ん張る。

 

だが。

 

限界。

 

ヒャッハーの力が爆発的に増す。

 

ドォンッ!!

 

少年の身体が沈む。

 

膝が砕けそうになる。

 

刃が顔面へ迫る。

 

圧殺。

 

物理的絶望。

 

その瞬間。

 

ヒャッハーの視界の外。

 

泥流の陰。

 

一つの影が跳んだ。

 

軍閥代表の息子。

 

怒り。

憎悪。

呪い。

 

すべてを圧縮した瞳。

 

「親父のォォォ!!」

 

叫び。

 

ヒャッハーが気付く。

 

だが遅い。

 

少年との力比べの最中。

完全な死角。

 

ズドォッ。

 

鋼が肉を裂く音。

 

刃。

 

ヒャッハーの胸部から突き出る刀身。

 

戦場凍結。

 

少年の目が見開かれる。

 

ヒャッハーの動きが止まる。

 

押し潰しかけた腕が停止。

 

時間が止まったかのような静寂。

 

息子の腕が震えていた。

 

「親父の……仇だ……!!」

 

全体重。

全怨念。

全人生。

 

一点へ叩き込んだ刺突。

 

ヒャッハーは。

 

ゆっくりと。

 

笑った。

 

「……ヒャッハー……」

 

奇妙な声音。

 

苦痛ではない。

 

歓喜。

 

「そうだ……」

 

小さく呟く。

 

「それでいい……」

 

血を吐きながら。

致命傷を受けながら。

 

満足げに。

 

「それが因果だ……」

 

少年も。

息子も。

全軍も。

 

誰一人動けない。

 

怪物は倒れない。

 

崩れない。

 

ただ。

 

心底嬉しそうに笑っていた。

 

「ヒャッハッハァ……!!」

 

世界の理を肯定するように。

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