世紀末ヒャッハー伝説 〈汚物は消毒だァ!!〉 作:ヒツジ(ラム肉
ヒャッハー!
世紀末世界において最も危険な肩書――
それは英雄でも王でもない!
賞金首!!
討てば一攫千金!
だが大抵は返り討ち!
そして今、
荒野史上最悪の“歩く災害”がついに登録されるゥ!!
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ハンターギルド。
荒野では数少ない秩序の象徴。
暴力が日常の世界において、
唯一「制度」が機能している場所。
掲示板。
紙片。
写真。
無数の賞金首。
だが。
その日。
空気が明確に変わった。
「……なんだこれ」
一人のハンターが足を止める。
新規貼り出し。
まだ真新しい依頼書。
そこに記されていた名前。
ヒャッハー
沈黙。
そして。
「は?」
誰もが同じ反応を示した。
貼り紙の写真。
逆立つモヒカン。
狂気の笑顔。
黒塗りのバイク。
誰もが知る災害。
「いや待て待て待て」
「冗談だろ?」
「なんで今さら?」
困惑。
当然だった。
ヒャッハーは有名すぎた。
討伐対象というより――
自然災害。
依頼書を読み上げる声。
「危険度……最上級……」
ざわめき。
「確認被害……多数……」
空気が重くなる。
「生存率予測……ほぼゼロ……」
静寂。
最後の一文。
「推奨対応――遭遇時即時撤退」
場が凍った。
「いやそれ依頼じゃねぇだろ……」
誰かの本音。
だが金額欄を見た瞬間。
空気が変質した。
「……おい」
「桁、おかしくないか?」
異様な額。
都市が買えるレベルの報酬。
沈黙。
欲望が静かに滲み出す。
「倒せば……」
「一生遊んで暮らせる……」
理性と打算の葛藤。
その時だった。
バララララララララ……!!
爆音。
全員の顔色が変わる。
嫌というほど聞き覚えのある音。
入口。
黒塗りのバイク。
そして。
「ヒャッハー!!」
絶叫。
最悪のタイミング。
最悪の来訪者。
ギルド内が凍り付く。
ヒャッハーは満面の笑みだった。
「お?」
掲示板を見る。
貼り紙を見る。
自分の写真を見る。
一瞬の沈黙。
そして。
「ヒャッハッハァ!!」
爆笑。
腹を抱える。
「なんだよこれェ!!」
完全にツボに入っていた。
「俺の首に値段ついてんじゃねぇか!!」
純粋な歓喜。
恐怖で誰も動けないギルド職員。
ヒャッハーは指差して笑う。
「いいねぇ!!最高だ!!」
価値観が根本的に違う。
「世紀末って感じがするじゃねぇか!!」
誰も否定できない。
ヒャッハーは満足げに頷く。
「よし」
異様な一言。
「もっと暴れるか」
場が完全に凍結した。
災害は。
自ら賞金額を引き上げる方向で動いた。
「ヒャッハー!!」
爆音と共に去るバイク。
残された沈黙。
誰かが呟く。
「……誰が倒すんだよ……あんなの……」
誰も答えなかった。
なぜなら。
全員が理解していた。
関わった時点で終わりだからである。