神の血を受け継ぐ者:世界樹の守護者 ( Inheritor of Divine Blood: Guardian of the World Tree)   作:Sol Pendragon

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幼い頃、アルサラン(Arsalan)はすべてを失った。故郷も、両親も、そして初めて出会った祖母さえも。

無力な子供だった彼にできることは、ただ自分からすべてを奪い続けるかのような世界に耐えることだけだった。結局、彼に残されたのはたった一つの義務――生涯彼を縛ることになる責任だけだった。

だが、かつて呪いだと思っていたものは、やがて彼の人生の転機となった。それは新たな道を切り開き――かつて失ったすべてを取り戻すための機会を与えたのだ。

これはアルサランの物語。血に縛られた家族ではなく、マルチバース(Multiverse)全体に広がる家族を見つけていく少年の物語である。彼の旅に共に歩み、そのすべてを目撃せよ。

注記:アルサランの主能力はパーフェクト・レプリケーション(Perfect Replication)と呼ばれる。本作はクロスオーバー・マルチバース作品である。ベースとなる世界は、カンピオーネ(Campione)、冴えない彼女の育てかた(Saekano)、かぐや様は告らせたい(Kaguya-sama)、やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(My Teen Romantic Comedy SNAFU)などの要素に加え、いくつかのスライス・オブ・ライフ系アニメや一部のエッチ世界の要素を組み合わせたものである。アルサランが最初に訪れる世界はダンマチ(Danmachi)である。物語は当初ダンマチに焦点を当て、その後ベース世界や他のマルチバースへと広がっていく。現時点ではダンマチをメインテーマとして考えてよい。フェイト・システム(Fate system)およびその世界も本作の一部としてわずかに関わる予定である。



(Chapter 1) 1. すべての終わり。

オムニシエント・ピーオーブイ(Omniscient POV)

 

一機の飛行機が東京の空を静かに進んでいた。機内は柔らかなざわめきと温かな声に満ちている。笑う乗客もいれば、紅茶をすすっている者もいる。乗務員たちは穏やかな笑みを浮かべながら通路を行き来していた。

 

やがて機長の声がスピーカーから流れる。「皆さま、ご注意ください。まもなく厚い雲の中を通過します。多少揺れる可能性がありますが、心配はいりません。どうぞお席に座ったまま、残りのフライトをお楽しみください」

 

何人かが体を強張らせた。「厚い雲って? どれくらいひどいんだ?」と男が妻にささやく。

 

「乱気流は嫌いなのよ……」と女性が肘掛けを握りしめながらつぶやく。

 

「飛行機に乗るの初めてなんだ」と十代の少年が不安げに友人へ言う。

 

「これって普通なの?」

 

「たぶん大丈夫……だと思う」と友人は答えたが、その声は落ち着いていなかった。

 

乗客の中には、九歳の少年がいた。明るく滑らかな肌に白い髪、そして片方が鮮やかな青、もう片方が紫のオッドアイ。彼は座席を握りしめ、両親を見上げた。

 

「ママ……パパ……大丈夫だよね? こわいよ」

 

両親は彼を引き寄せた。

 

「大丈夫よ」と母はささやく。「ここにいるわ」

 

「もうすぐ着くさ」と父は優しく言った。「心配するな」

 

彼らはロンドンから東京へ向かっていた。重病の母方の祖母に会うためだった。母の顔には隠しきれない不安が浮かんでいたが、息子はそれに気づかなかった。それでも胸の奥で何かがざわつき、彼は離したくないかのように両親を強く抱きしめた。

 

そのとき、機体が揺れた。

 

最初は小さな振動だった。いくつかの悲鳴。飲み物がこぼれる。「今の、ちょっとどころじゃなかったぞ……」と誰かがつぶやく。だが次の瞬間――

 

激しい震動が機体を引き裂いた。

 

あああああ!

 

人々が叫ぶ。頭上の荷物棚が開き、バッグが通路へ飛び出す。子供が泣き、男が叫ぶ。「何が起きてるんだ!?」

 

少年は両親にしがみついた。飛行機全体が引き裂かれるかのように震えていた。

 

バン!

 

鋭い爆音が外から響く。

 

右エンジンが炎を上げた。

 

炎は獣のように唸りながら瞬く間に広がる。金属が裂け、砕ける。

 

ギィィィ!

 

バキッ!

 

骨を断ち切るような鋭い悲鳴とともに、右の翼が引きちぎられた。機内は一瞬で恐慌に包まれる。

 

「つかまれ!」

 

「神様、どうか――!」

 

「やめて、やめて、やめて――!」

 

警報が鳴り響く中、機体は大きく傾いた。酸素マスクが落ちるが、激しい風に煽られて暴れる。そして最悪の事態が訪れる。

 

ゴォォッ!

 

ドアが吹き飛んだ。

 

凍りつくような空気が機内へ突き抜け、人々を空へと吸い出していく。悲鳴は轟音にかき消された。

 

座席が床から引きはがされる。人々は必死に何かにしがみつき、金属に爪を立て、泣き叫び、救いを乞う。

 

母は両腕で息子を抱きしめ、その名を叫んだ。

 

「アルサ……」

 

父は二人を包み込むように抱き、震えながら全力でしがみつく。だが悲しいことに、少年の耳には母の最後の呼び声すら届かなかった。

 

機体は空中で分解した。

 

金属片。炎。煙。風に引き裂かれる身体。叫びは途中で途切れる。世界は混沌と落下と炎だけになった。

 

すべては数秒で終わった。

 

その後の墜落は凄惨だった。あまりにも速く、あまりにも激しく、誰一人として自らを救う時間はなかった。乗客二百七十六名全員が命を落とした。

 

――そう、誰もが思った。

 

静まり返ったその後、ねじ曲がった鋼鉄と燃え盛る残骸の中で、かすかな光が脈打った。

 

墜落現場の近くに、少年が横たわっていた。

 

意識を失い、完全に無傷。かすり傷一つない。

 

まさに奇跡だった。

 

ほんの一瞬、彼の小さな胸が光を帯び……そして何事もなかったかのように消えた。

 

アルサラン(Arsalan)が目を覚ますと、どこか近くでテレビのかすかな音が流れていた。視界は最初ぼやけていたが、ゆっくりとはっきりしていく。

 

彼は病院のベッドに横たわり、清潔な白いシーツに包まれていた。かすかに薬品の匂いが漂う。

 

テレビではニュースキャスターが深刻な口調で話していた。

 

「――近年で最悪の墜落事故の一つとなりました。乗客二百七十六名全員の死亡が確認されています……ただ一人を除いて。九歳の少年、アルサラン・アデオン・アルヴェンディス(Arsalan Adeon Arvendis)だけが、目立った外傷もなく残骸の近くで発見されました。医師たちはこれを奇跡と呼んでいます」

 

画面に彼の写真が映る。彼は困惑しながらそれを見つめた。

 

レポーターは続けて人々にインタビューしていた。

 

男が言う。「なぜあの子だけなんだ? 俺の妹もあの飛行機に乗っていた……家族がいたんだ。どうしてあの子だけ生き残った?」

 

涙で声を震わせた女性が言う。「不公平よ。あんなにたくさんの善い人が死んだのに。どうして子供が無傷で助かるの?」

 

近くの誰かが荒々しく言い放つ。「おかしいだろ。何か普通じゃない。子供が一人生き残って他は全員……? 理由があるはずだ。その子供が事故の原因なんじゃないのか。呪われてる、悪魔なんだ……」レポーターはその人物が取り乱し暴れ出すのを見て慌てて離れた。

 

放送にはさらに多くの声が重なる。奇跡だと言う者もいれば、不吉だと言う者もいる。敵意すらにじませる声もあった。

 

「これは幸運なのか、それとも別の何かなのか」とレポーターは言う。「遺族たちは説明を求めています」

 

アルサランは凍りついたまま横たわっていた。小さな手が震え、画面を見つめる。

 

自分の名前も写真も身元も、すべてが世間にさらされている。幼い子供であっても、向けられる羨望や憎悪は感じ取れた。

 

称える者もいれば、責める者もいる。憎む者すらいる。なぜ自分が生き残ったのか分からない。なぜ怒られているのかも分からない。何も理解できなかった。

 

だが今はそれどころではない。両親が目の前で死んだ光景が、鮮明に脳裏に焼きついている。

 

忘れたくても忘れられない。二人は最後の瞬間まで彼を守ろうとしていた。

 

何が起きたのか、二人がどうなったのか、誰かに説明されるまでもない。もう分かっている。

 

冷たい感触が頬を伝う。触れてみると、涙が止めどなく流れていた。

 

胸が締めつけられる。その瞬間、彼が感じたのはただ一つ――

 

孤独だった。

 

警察官が、少年がようやく目を覚ましたと聞き、病院を訪れた。何と言えばいいのか、どう切り出せばいいのか分からなかった。

 

少年は落ち着いていたが、顔には乾いた涙と鼻水の跡が残り、表情は空虚だった。

 

医師たちはすでに両親のことを伝えていた。遺体はまだ見つかっていない。捜索は続いている。

 

飛行機は空中で爆発し、多くの乗客が空へ投げ出された。周辺地域と飛行経路全体が捜索されている。

 

あまりにも時間がかかりすぎていた。発見された遺体の状態は、死がいかに凄惨だったかを物語っている。

 

だからこそ、爆発する飛行機から落下して無傷で生き延びた子供がいることは、さらに衝撃だった。

 

彼はただ疲労と意識喪失の状態にあっただけだった。しかも救助隊が最初に発見したのが彼だったため、他にも生存者がいるかもしれないという希望が一瞬芽生えた。

 

だが状況からして、そして航空専門家の見解によれば、このような事故から生き延びるのはほぼ不可能だった。

 

その一瞬の希望と、その後の絶望が、怒りを少年へ向ける理由の一つになった。

 

警察官の隣には三十代前半の男が立っていた。警察官は彼のことを知らなかったが、捜査中はこの男の指示に従うよう命じられていた。

 

上層部はこんなときでも政治をしているらしい。実務を担う自分のような者には迷惑でしかない。

 

「坊や、体調はどうだい? 痛みや混乱はないか?」と警察官はできるだけ優しい声で尋ねた。

 

だがアルサランは答えない。ゆっくりと顔を上げ、虚ろで暗い瞳を向ける。長い沈黙の後も何も言わず、警察官は本当に大丈夫なのか疑った。

 

隣の男は苛立った様子で落ち着きがなかった。彼に主導権を奪われる前にと、警察官は再び口を開く。

 

医師は少年がまだショック状態にあると言っていた。医師を呼ぼうとしたそのとき、アルサランがようやく口を開いた。

 

「何が聞きたいの?」

 

警察官は一瞬固まる。「上で何が起きた? どうやって地面に着いたのか話せるか?」

 

ブラックボックスが無事ならよかったが、機体は粉々で、発見には時間がかかる。

 

長い沈黙の後、アルサランは答えた。

 

「分からない。大きな爆発音を聞いた。それから全部が壊れた。ドアが開いて、人が落ちていった」

 

話す間、もう一人の男は鋭い目で彼を観察し続ける。警察官は小さな安心の言葉をかけた。

 

両親について尋ねる必要はなかった。誰もが察している。

 

「どうやって無事に落ちたんだ?」

 

アルサランは静かに息を吸い、思い出そうとした。両親は落下中も破片から彼を守ろうとしていた。

 

父は金属片に貫かれ、瞳から光が消えた。急速な落下の中で、アルサランの意識も薄れ始めていた。

 

ある瞬間、母の下半身がなくなっているのを見た。それでも母の手は最後まで彼を抱きしめ、降り注ぐ破片から守っていた。

 

そこで意識を失い、次に目覚めたのは病院だった。話しているうちに、乾いたはずの涙が再びこぼれ落ちる。心は麻痺し、痛みを処理できない。

 

警察官はそれ以上問いただせなかった。だがもう一人の男は違った。

 

「それだけか? 他に何も覚えていないのか?」

 

最初は反応しなかったが、繰り返されてようやく答える。

 

「……ほかにも何か見た気がする」と必死に思い出そうとする。

 

男は目を細める。「何を見た?」

 

「一瞬、明るい光があって……誰かがいた気がする」とささやいた瞬間、鋭い頭痛が走る。

 

「誰だ? 思い出せるか?」男が近づく。警察官は少年が頭を押さえるのを見て止めに入った。

 

「もう十分だ。今はここまでにしよう」

 

だが男は無視する。「ならこれを教えろ。胸と左手のその印は何だ?」

 

アルサランは驚いて視線を落とす。胸には金色の木の紋様。左の手のひらには三本の赤い線が見慣れぬ紋章を形作っている。今まで気づきもしなかった。

 

「……分からない。こんなの、なかった」

 

男は肩に手を置き、数分間そのままにした。やがて苛立ちを浮かべて手を離し、「時間の無駄だ」とつぶやいて部屋を出ていった。

 

警察官は唖然としながら少年に向き直る。「連絡できる家族や友達はいるか?」

 

「ロンドンに住んでた。だからここに友達はいない。家族は母方の祖母だけ。会いに来たんだ」

 

「よし、連絡してみよう。連絡先は分かるか? 分からなくても両親の情報があるから探せる」

 

だが警察官は疑問に思う。ニュースで大騒ぎなのに、祖母がまだ来ていない。

 

「……入院してる。末期の癌なんだ。それで会いに来た」

 

「どの病院か分かるか?」

 

首を振る。

 

「ほかに家族は?」

 

再び、答えはない。状況はさらに複雑だった。

 

「心配するな。祖母は探す。少し休みなさい」

 

警察官が去った後も、アルサランは休めなかった。無表情のまま天井を見つめ続け、やがて疲労と薬の作用に押されるように眠りに落ちた。

 




[A/N:こんにちは。ソル・ペンドラゴン(Sol Pendragon)です。はじめまして。私は日本語があまり分からず、読むこともできません。でも、マンガ、アニメ、ライトノベル、ウェブノベルなどの日本のエンターテインメントが大好きです。なので、このファンフィックを日本語でここに投稿してみようと思いました。このサイトを知ったのは昨日のことです。英語から日本語へインターネット翻訳を使って翻訳しています。そのため、翻訳がうまくできていなかったらごめんなさい。どうか温かい目で見て、応援していただけると嬉しいです。普段は主に英語で、英語のウェブノベルサイトに投稿しています。

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