妖精と白き夜叉   作:さとモン

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お久しぶりです。
更新が遅くなってすいません、


三章 ニルヴァーナ ~魂の声~
九話 ドラム同盟?なんだそりゃ


「この魂は……」

 

 

 歩いていた青年は、強い想いを感じた。それは様々な感情が混ざっている。

 だが、青年は心を閉ざそうと必死になった。

 

 

(感じちゃダメだ。聞こえちゃダメだ。俺には駄目なんだ。)

 

 

 この声を聞こえてはならない。

 閉ざせ。使うな。

 

 

 青年は必死にその声を振り払おうとするが、頭のなかに響いてくる。

 

 

 なんで

 

 

 青年は、おもむろに懐から短刀を取り出した。

 そうだ。何も考えられないようにればいい。

 これは、一種の呪いのようなものだ。魔力がなくとも、聞こえるのだろう。

 

 ならば

 

 

 この腕に刀をさして、痛みで何も考えられないようにすればいい!

 

 

 青年は勢いよく、その左腕に短刀を刺した。

 

 その直後に来る、激しい痛み。

 声を押し殺し、その刀を左腕から抜いた。

 

 どばっと出る、紅い液体。

 鼻にくる、鉄の臭い。

 

 

 それなのに

 

 

 まだ、まだ聴こえてくる。

 

 

 うるさい、うるさいうるさいうるさい!

 うるさい!

 黙れ!黙れ黙れ!黙ってくれ!!

 

 

 苦痛だった。そんな想い、聴きたくなんかない。なんで、俺なんかに

 

 

 アンタと俺は、やっぱり出会わなければよかったんじゃないか。

 そうしたら、きっとアンタも今ごろ生きてたんじゃないか。

 俺も、こんな思いをせずにすんだんじゃないか。

 

 

 もう苦しいんだ。

 

 

 あれから、頭に不特定多数の誰かの声が、時々聴こえるようになった。

 

 

 何をやってもその声は聴こえてるうちは消えてくれない。

 

 

 なぁ、なんで俺を

 

 

 なんで俺を

 

 

 いつになったら楽になれる?

 

 

 

 頼むから

 

 

 俺を苦しめないでくれ

 

 

 もう、疲れたんだ

 

 

 あの時の俺の選択は間違ってたか?

 

 

 

 

 なぁ、――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

「ドラム同盟?なんだよそれ」

 

 

「ドラム同盟じゃない、バラム同盟だ。」

 

 

 万事屋にて

 

 桂がまた、万事屋にやって来やがった。

 

 

「闇ギルドの組織のことだ。

 闇ギルド最大勢力バラム同盟。

 バラム同盟は三つのギルドから構成されている闇の最大勢力。

 それぞれが幾つかの直属ギルドを持ち、闇の世界を動かしているらしい。」

 

 

「で?」

 

 

 それがどうかしたのか。確かに今まで何度も闇ギルドの一部を壊滅させてきたが、それは依頼だからだ。

 己には関係のない話ではないか。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の奴等が今度、他のギルドと同盟を組み、このバラム同盟の一角、六魔将軍(オラシオンセイス)を倒そうとしているそうだ。」

 

 

「だかーら、俺には関係ねーだろ!」

 

 

 銀時はイラつき、桂を睨む。

 しかし、殺気は出していないところを見ると、本気で怒っているわけではないらしい。

 

 

「銀時。お前最近、奴等と妙に関わっているだろう。」

 

 

「それが…どうした」

 

 

 関係ない。関係ない。

 でも

 

 

「本当はお前、気になるのではないか?」

 

 

 あぁ、ダメだ。

 コイツにはお見通しらしい。

 

 残念ながら。

 

 

「行けばいいだろう。それまで子供らのことは俺に任せろ。」

 

 

 ヅラには任せたくねぇ。

 それに、俺一人で行こうとすれば、アイツらは怒ってついてこようとするだろう。

 

 だから、ヅラには頼らねぇ

 

 

「アイツらは連れて行く」

 

「!」

 

 

 驚いているのか。まぁ、当たり前だろう。

 どうせ置いて行ったって気づきゃ隣にいるんだよ。

 アイツら。なんで俺なんかに構うのか・・・

 

 

「……六魔将軍(オラシオンセイス)は、とある古代魔法を使おうと目論んでいるらしい。その名は…」

 

「ニルヴァーナ」

 

「!…知っていたのか?」

 

 

 一応な、一応。

 白夜叉のことを、闇ギルドが流してるってことを知って、闇関係をしらみつぶしに調べた。そんときに思い出した。アイツが言ってた、古代魔法を。

 

 ニルヴァーナ

 

 恐ろしい、闇であり、光である魔法。

 

 そして…

 

 

「!!」

 

 

 銀時はいきなりガタッと立ち上がった。

 目を見開き、動揺している。

 

 

「どうした銀時!」

 

 

 まさか…

 

 

 行かなくては

 

 

 行かなくてはならない

 

 

 そうか、そうだったんだ。でも、だとしたらやっぱり何故、俺なんかに

 

 

 悩んだ。

 

 

 このままこうしていても、意味はない。

 

 

「ヅラ、俺行くわ」

 

 

「おいっ!リーダー達は!?」

 

 

「町にいる。」

 

 

止めようとするヅラを背にして、俺はさっさと歩き去った。

 

 

 

頭に浮かぶ、あの顔。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『君の才能は素晴らしい。だから、君に私のとっておきを教えてあげましょう。』

 

 

 

 

 

 

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