まだギャグがあるから平和ですね。
いや、彼らは平和じゃないんですけど。
でも、銀さんには幸せになってほし…もう、幸せですよね!
てなわけで始まります!
町を歩くと、貧困な者がよく目立つ。
この王都は、格差社会というやつらしい。
俺を羨ましいのか、恨めしいのかよくわからない目で見つめる人々の目から、どうしても逃げたかった。
でも、どうやっても逃げれないことは、幼い頃から知っていた。
とある場所についたとき、なんの変哲もない記憶が甦った。
思い出したのは、数年前、顔見知りと話しただけの何ともない記憶だった。
『シルヴィア』
『……桂』
『最期に、お前に言っておきたいことがあってな』
この世界の桂は、アースランドの桂とは違い、髪をロングではない。どちらかといえば、セミロングだ。いや、元々は長かったのだ。事情があった。
それに関してはシルヴィアも、少しだが負い目を感じていた。
桂の髪が短くなったのは、自分のせいだと思っているからだ。
『最期ってなに』
感情を露にすることがないのは、シルヴィアの癖だった。
親しい仲であっても、けして感情を晒そうとはしなかった。
『俺はエクシードのもとへ行こうと思う。』
『エクシード……?桂、正気か?』
相変わらず無表情ではあるが、これでもシルヴィアなりに桂を心配してはいるのだ。
一応、友人?である。
『正気だ。高杉には趣味の延長だと言ったがな。』
『常人の考えることじゃない。』
桂の言葉をあっさりと否定する。
考えていることがわからない。どうして自ら死ににいこうとするのか。
シルヴィアにはわからないことだらけだった。
『そうだな。残念だが、俺は常人ではないからな』
『確かに…電波だ』
そこでシルヴィアは漸く納得する。
この男は、出会ったときからどこか普通の人間とはズレていた。
いや、己と怯えることなく接する人間たちは皆、普通ではない。
『シルヴィア、俺達は自由だ。エクシード達と、対等になれると俺は信じている。それを証明しにいくだけさ』
『……なれないさ。奴等は自分のことを神だと思っている。人間は人間で、ない力に怯えている。腐ってるよ。エクシードも人間も、皆腐ってる。』
それは、本心だった。
まだ二十歳にも及ばないであろうシルヴィアは、幼い頃から人間の汚いところを知っている。皆、ズル賢い。
あちらからすれば、こちらが化け物だろうが、こちらからすればあちらの方がよっぽど化け物だ。
お互いが仲良くしようと思わない限り、そんなことはありえない。自分が似たようなことだからか、それはよくわかっている。
そう、双方が同じ思いを抱かない限り、それは有り得ない。
『行くなら好きにすれば。俺には関係ないし。』
冷たくいい放てたとしても、本当にそれが自分の感情なのか、シルヴィアにはわからない。
『俺も、俺の居場所を見つけた。』
桂に見えるように出した紙。
それは、王国軍への入隊証。
『なぜお前が!?』
『呼ばれた。断る理由もないし』
王国が自分に何を望んでいるのか、よく考えなくても、シルヴィアには分かっていた。
ただ、そのために行く訳ではない。
シルヴィアは、自分の利益の為に王国軍に入ることを決めたのだ。
『俺達は、自由なんだろ。』
普段通り無表情のまま言ったシルヴィアに、桂はもう何も言い返せなかった。
それを言ったのは、自分自身だったからだ。
シルヴィアは桂のその反応を見て、関心をなくしたかのように立ち去った。
「アイツ、生きてんのかな…」
無理にでも、止めればよかったんじゃないか。奴が死ぬのを、防げたんじゃないか。
※まだ死んだという情報はない。
俺のせいで、桂は死んだのか?
※死んだとは誰もいってない。
今思い返せば、電波というやつだったが、いい奴だった。
己のことを普通の人間として接してくれた。
仲間だと…友だと言ってくれた。
なんだ?この感情は…
胸の辺りが苦しい
わからない
わからねぇよ…
「シルヴィア様!」
「…誰」
見たことがない男がいた。
知らない。興味ない。
「城へ、お戻りください。」
「……何、戦うの?」
「おそらく、アースランドの…「行く」
何でそれを早く言わないのか。
城への道は、たくさんある。地下通路だったり、普通の道だったり。
でも今は、もっと自由に行こうか。
建物の屋根の上。誰にも邪魔はされたくない。いや、そもそも誰も邪魔しないか。
俺なんて。
自分の腰に差してある、刀に触れた。
誰かの想いが詰まっているような気がするが、これは拾い物だったから、誰のものかは知らない。
アースランドのものかもしれない。
ヅラにはあぁ、言ったけど、エクシードみたいに、空を飛べたらどれだけ幸せか。そしたら、どこか違う世界に行けるかもしれない。
なんて、俺が考えてはいけないんだけど。
「先生?」
「シルヴィアが、寝ぼけているときによく言うのさ。」
二人出歩きながら、話をしていた。
城へ走っていくと、怪しまれるとかどーとか。
「……」
先生
そのシルヴィアと俺は世界が違うだけで、同じ人間だ。
有り得ない話ではない。
「俺達とアイツが出会ったのは、俺が13歳の頃。その時には先生はいなかった。」
「お前は、先生とやらにあってないのか?」
「あぁ、会ってない」
それを聞いたとき、どれだけ苦しくなったことか。
嫌いだったが、それでもお前が先生にあってないのは、なんだか嫌だ。
先生がいたから、あの時のお前がいたのに。
あぁ、目の前にいるお前は、俺の知ってるアイツじゃなかったな。
未だに、混同してしまう自分が嫌になった。
「お前は、知ってるのか?」
「さぁ、な……」
高杉がそう聞いてきたが、俺はこの高杉がアイツと会ってないと思うと、どうしても本当のことを言えなかった。
それともう一つ、俺は思ってはいけないことを心に秘めていた。
わかってのに。頭のなかでは違うとわかっていたのに。
一目でもいいから、あの人に会いたいだなんて
「…ちょっと待て。ここに入るぞ」
「は?お前、城に行くんじゃねーのかよ」
高杉は、豪勢とまではいかないが、大きな建物の扉に手をかけていた。
「城に行く前に、ここに寄るんだよ」
「?」
高杉が扉を開けたとたんに、聞こえてきた笑い声。
「あはははは、あはははは!」
見えるのは茶色いもじゃもじゃ
俺の知っている奴と比べると、少し若かった。
「辰馬!?」
「あれ、まさかおんし、ゴルヴィアじゃなか!?」
「誰がゴルヴィアだ!俺は銀……!!」
まさか、シルヴィアって名前って、シルバーからきてたのか…?
だから、ゴールドになった?
「久しぶりじゃのー!元気にしとったか?ゴルヴィア」
「……黙ってくんない?」
金じゃなくて銀だわボケ。
なに、馬鹿は本当にどこでも変わんないわけ?こいつも、ヅラも。
てことはあれか?
この高杉も何れ、あんな中二病になっちまうってことか?
銀時は、高杉を憐れみながら見つめた。
「おい天パ。なんで俺をそんな目で見てやがる。」
可哀想に…
俺は高杉の肩に手を置いた。
表情はどうなってるだろうか。にやけているかもしれない。
「………」
ドゴッ
高杉に顔面を殴られた。
痛いっつーの。
「なるほどー、おんしはアッソーランドの金時君か!」
「金じゃなくて銀だボケェェェ!!」
俺は辰馬の顎にアッパーをかましてやった。
銀だって何度言わせればわかるんだ。
って、こいつには初めて言うんだっけ。
高杉は俺を呆然と見つめていた。これぐらい普通だろうに。
「なんだよ」
「いや……、シルヴィアの姿でそんなことするからな…いや、それがお前の姿だったな」
そうか、こいつも俺をこの世界の俺と混同してんのか。
やっぱり、ムカつく。
いや、俺が怒る理由なんてないんだろうけどさ。
「で、なんで辰馬のとこ?」
「あ」
高杉は今思い出したようだ。
「そのことだが…」
辰馬は、情報を手に入れるのが得意らしい。
なんでも、知り合いにガジルという記者?がいて、情報を交換し合っているらしい。
で、街にあった大きな魔水晶は、全員分じゃないらしく、一部の魔導士のらしい。魔水晶に、切り口があったそうだ。
そこまで俺は、よく見ていなかった。
ようするに、殆どの魔水晶は城にあるってことらしい。
それから、滅竜魔導士は生きたまま魔力を奪うらしい。
滅竜魔導士の魔力は少し特別なもので、強力だ。王国はそれを利用しようとしている。だそうで。
「城へはおんしなら、堂々といけるじゃろ」
「シルヴィアのふりをしろってか?」
たしかに、同じ人間だ。その気になれば出来るだろう。
「服なら、前に奴が置いてったのがある。それを着ていけ。」
高杉は、奥に消えていった。服を取りに行ったんだろう。
手に持っていた番傘を見た。
神楽の愛用の傘だ。
……神楽。
待ってろよ。
助けに、行くからな。
一度背負った重荷を、もう一つも取りこぼしたくないと思うのは、俺の我が儘だとは思っている。
それでも、護りたいと思うのは、我が儘だけですましたくない。
銀魂キャラは、あと一人だそうと思います。
それは誰なんでしょうか…
原作では、先生が最近よく出るような……
あの拳骨はすごく痛そう。だって、めり込むもの。
銀さんたちの頭はそれで強くなったのか……
(ほら、電柱とかによく頭をぶつけるし。…ぶつかりません?)