本当に孤独なのかい?
「ナツ……オレはおまえのそういうノリのいいとこは嫌いじゃねえ」
「祭りだろ?じっちゃん。行くぞ!!」
マスターの老人は、心配そうにナツを見た。
「オメェ…昔ラクサスにどれだけひどくやられたか覚えてねーのかよ!」
「ガキの頃の話だ!!」
「望みムチャクチャ薄いアルな」
神楽はコイツ駄目だ。という目で、ナツと銀時を見た。いや、銀時をチラ見して新八を見た。
「神楽ちゃん……?」
神楽の目は、銀時といい勝負で死んでいた。
ジト目でじーっと新八を見つめていた。
「去年くれえの話だよ」
「去年はガキだったんだァ!!」
「無理アルな(ヾノ・∀・`)」
神楽はもうコイツは無理だ。と、この場から離れようとする。
ついさっきまでのあの女の子らしい行動何だったのだろうか
「落ち着けよナツ」
ラクサスの目の前まで迫ったナツに、雷がおちた。
しかし、銀時と神楽はそれに気づかなかった。
何故なら、この場から去っていたからだ。
「何でだァァァァ!!」
「あ?なんだよ眼鏡」
先回りして、銀時たちを止める新八
「いや、あの人たちを見捨てるのかよっ!?」
「だって私達、妖精の尻尾じゃないアル。」
「そうだけど…」
銀時が、新八の頭に触れる。
「!?」
「さっき、神楽のを見た。」
「……銀さん」
新八の頭の中に、とある一つの感情が流れてくる
新八の瞳からは、自然と涙が出てくる
「……助けますよ、僕は」
結局、新八の意思は固くなってしまった。
「俺はそういう子だって信じてたよ」
「「嘘つけ天パ」」
「見ろ」
銀時が指差す方を、二人は見る
「残り……100人?」
「どういうことアルカ」
銀時には意味がわかっていたようだ。
もしかしたら、明日は嵐かもしれない
「味方の残り人数に決まってんだろ」
ピッ
「残り人数96人……減ってる」
「このままじゃ全滅だな」
「どうするアル」
「ヤバくなったら助ける」
「え」
銀時は、何処から出したのかわからない椅子に座る。
「俺らはそれまでなにもしねぇ。」
「……銀ちゃん」
神楽は、銀時が自分を押さえていることに気づく。
また、自分と戦っている。
銀時の思考はとてもと言っていいほど分かりにくい。
普通、人というのは聖徳太子でないかぎり、同時に色んなことを考えることが、苦手というかできないらしい。(神楽曰く)
しかし、銀時の思考は色んなものが絡まりあっている。
最初に出会ったときこそ、あの単語が頭の中に流れてきたが、今ではもうなにがなんなのかわからない。
「……で、今残り人数が30人ですか」
「思ったよりやべぇな」
「使えないアルナ。あんな奴、私一人でぶっ飛ばしてくるアル」
「神楽っ!」
銀時は町の方へと行こうとする神楽の腕をつかみ、止めようとした。
バシッ
「私、全部銀ちゃんに決められたくないネ」
その手を払い、鋭い目付きで銀時を睨んでいた。
「銀ちゃんは侍。いつも勝手にどっかに行って、勝手に何かを護ってくるアル。だから、銀ちゃんが勝手にするなら、私も勝手にするネ」
「神楽ちゃん……」
ピッ
「残り二人だ。……どうする?」
「……やるアルヨ」
「……銀さん、やっぱり使わないんですよね」
「俺は……もう、使わねぇんだよ」
銀時たちはカルディア大聖堂へと向かっていた。
それぞれの特物を持って――
「酷いですね」
「ちょ、臭いアル」
「そんなこと言わないの!もう!」
「お前はおかーさんアルカ」
至るところに魔導師が倒れていた。
上空には雷の
「これ、やばいアル」
「……忘れてるなコイツ」
「……わかってるなら」
「止めねぇよ。俺にはかんけーねぇもん。」
「銀さん!」
しかし、銀時の足は明らかにラクサスの元へと向かっている。
雷が鳴り響くその場所へ
「ナツ!!神鳴殿を全て破壊しろ!」
「壊せねーんだよ!!てか違うな‥‥壊したらこっちが、やられちまうんだよ!」
その声に、新八は反応する
「それって……」
「生体リンク魔法アルな」
「!?」
エルザは初めてこちらを見た。
「貴様らは……」
「万事屋!?」
「いやまて、生体リンク魔法だと!?」
だが、エルザにラクサスが雷を放つ
誰もがエルザが倒れてしまったと思っていた。
しかし
「雷帝の鎧!?」
エルザは雷帝の鎧に換装していた
流石はエルザ。早業である
「フン……そんなものでオレの雷を防ぎきれるとでも?」
「エルザ!なにラクサスとやる気マンマンなってやがる!!こいつは、オレがやるんだ!」
ラクサスと戦おうとしているエルザに対し、ナツが怒鳴る。
エルザは振り向き、口を開いた。
「信じていいんだな?」
「へ?」
ここで、神楽と銀時はエルザの考えを理解する。
「やめるアル!お前、死んでもいいアルか!?」
「ははははっ!!そうさ、無駄だ!!!一つ壊すだけでも生死にかかわる!!!今…この空には300個の
「全て同時に破壊する」
エルザは変わらない。
きっぱりと言い放った。
「不可能だ!!!! できたとしても確実に死ぬ!!!!」
「だが街は助かる」
エルザは走り出す
「ラクサスを止めておけ、ナツ!!!!」
「こっちも信じていいんだな、エルザ」
エルザは、それに確かに頷いた。
「可能か不可能かじゃねえぞ!!!!おまえの無事をだぞ!!!!」
それを聞いて、エルザは笑みを浮かべる
「……あー、うん。一個壊すだけで生死に関わるんだ。へぇー、うん。わかった。死なない保険をつけてやるよ」
「死なない保険?」
「銀さんまさか……」
新八には覚えがある。
確かに、銀時ならば
銀時の魔法ならばそれは可能だ。
だが銀時は、魔法を使うことを嫌っているはずだ
なぜ……
今更使う気に…
「……死なねぇだけだけどな」
銀時の手から銀色の光が零れ、エルザの方へとその光は走っていった。
美しい
見るものを魅了する光だった
「やれよ、ナツ」
「火竜の…咆哮!!」
エルザの後を追いかけようとするラクサスの行く手を、ナツが阻む
「オレは、お前を倒す」
「このガキが……」
そして、銀時たちは傍観することを決めるはずだった。
「何も起きねえ!!」
「黙れェェ!!」
ラクサスが叫んだとき、教会の外で何かが爆発する大きな音が、何発も何発も聞こえた。
「198…はぁはぁ……199…」
マグノリアの中心で、エルザは100を優に越える数の剣を展開していた
200はいっているが、雷鳴殿を全て壊すにはまだ足らない
「くっ……もはや魔力ももたんか…時間もない…どうする……」
魔力も底を尽きかけていた
「あと100……あと100本の剣がなければ同時には……」
膝をつき、諦めかけていた
《オイ!皆聞こえるか!?一大事だ!空を見ろ!》
「!」
頭の中に、誰かの声が響く
「ウォーレン!?
声の主は、ウォーレン・ラッコーだった。
《くたばってる奴は起きろ!》
その声に、マグノリアの魔導師達は目を覚ます。
「銀ちゃん、これ何アルか」
「テレパシーだよ」
銀時はそれを聞きながら、ニヤニヤと笑う。
この事が分かっていたように
《ケンカしてる奴はとりあえず中止だ!》
彼は一人、叫ぶ
《よく聞けお前ら!あの空に浮かんでる物をありったけの魔力で破壊するんだ!1つ残らずだ!あれはこの街を襲うラクサスの魔法だ!時間がねぇ!全員でやるんだ!》
《何だとぉ!?》
《あれがラクサスの……》
それを聞き、驚愕するメンバーたち
「ウォーレン、お前…なぜ神鳴殿のことを…」
《その声はエルザか!?無事だったか!?》
その問いに答えたのは、ウォーレンではなく、グレイの声だった。
「グレイ!? そうか…お前が…」
《ウォーレンを偶然見つけてな》
《オイ…エルザが無事って事は、他のコたちは》
《レビィは…!?》
他の者の安否を気にする
《皆無事よ、安心しなさい》
《ビスカもギルドにいるわ》
その声を音楽のように聞いている。
ただ一人、笑っている
銀色
《すまねぇ、俺の
はギルドまでは届かねぇ。とにかくこれが聞こえてる奴だけでいい!あの空に浮いてる物を……》
《ウォーレンてめぇ……オレに何したか忘れたのかよ》
《マックス!!》
実はウォーレンは強制的とはいえ、マックスと戦い、倒してしまっていた
《あん時はすまなかったよ…だって、女の子を助ける為に必死で……》
《オウ!!そうだ!!聞こえるかアルザック!!》
《テメェもだ! ニギー!ちくしょう!》
《さすがにトノは許せねえぞ!!》
口喧嘩はどんどんとエスカレートしていく。
《ケンカなら後でやれ!》
《《《お前が言うな!!》》》
止めようと叫ぶグレイだったが、普段ナツと喧嘩しているグレイか言っても、意味がなかった
《銀ちゃん、コイツら馬鹿アルヨ》
《そうだな、オメーも総一郎くんと喧嘩してるよな》
エセ中国語を話す少女の声と、低い男の声が聞こえた
だが、それはすぐに掻き消された
《今は時間がねぇ!空に浮いてんの壊せ!》
「よ…よせ、あれには生体リンク魔法が…」
皆を止めようとするエルザだが、既にメンバーは動き出していた。
《決着はあれ壊した後だーーー!》
《ビジター、テメェそこ動くなよォ!》
《マカオ、オメェにゃ無理だ、寝てな!》
《んだとォワカバ!ジジィのくせにハシャギすぎだよ!》
《いくよハッピー!》
《本気ルーシィ、痛いよ》
《痛くてもやるのっ!》
《私達もやるアルか?》
《え、どうなんですか?》
《やるに決まってんだろ》
数多の声が、町中に響く
「お前たち……」
仲間(なにやら数名違うが)の声を聞き、意を決したような顔をするエルザ
「北の200個は私がやる!皆は南を中心に全部撃破!」
《一個も残すなよォ!》
そうグレイが叫んだ瞬間、雷鳴殿は妖精と夜叉達によって、一瞬のうちに消え去った
雷鳴殿が消失したのを見ると、笑みを浮かべるメンバーたち。
《んがあああっ!》
《ぐあああああっ!》
《ぎゃああああーーーー!》
《ひィィィーーーーーっ!》
《痛ぇーーーーーーっ!》
悲鳴が聞こえた。
生体リンク魔法により、ダメージを喰らったのだ。
しかし、そんなメンバーたちのことなど露知らず、町民は花火だと思っていた。