ハリーポッター プリムローズ通りの怪物   作:匿名魔法使い

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1話

 

 

 

 

 

 

 

 1話【プリムローズ通りの怪物】

 

 

 

 「……アーサー。またやったな?」

 

 

 「と、父さん、僕は何もしてない……!」

 

 

 「なら、コレはなんだ?」

 

 

 

 自宅の部屋で息を潜めるように過ごしていた少年、アーサー・ペンハリス。彼が父親にいつもの様に、失望が隠されることなく呼び出され、素っ気なく渡されたのは、一通の手紙だった

 

 封筒にキチンと封蝋が施されており、こんな少年に送るには確実におかしいと言えた。周りの装飾も豪華で、かなり異質だった。アーサーが簡単に封蝋を剥がす様子を見てみて、また、父親は異端児を見る目に変わる。先程自分が剥がそうとしても、一向に剥がれない封蝋が子供の手でいとも容易く剥がれた。もう、恐ろしいと言ってもおかしくない

 

 

 

 「…………こ、れは!?」

 

 

 

 『

 

 ホグワーツ魔法魔術学校校長アルバス・ダンブルドア

 

 親愛なるペンハリス様

 このたび、あなたを本校に入学許可することに決定いたしましたので、お知らせいたします。

 

 』

 

 

 

 「…………なんだ、コレは?」

 

 

 「わ、分からない、よ。僕も、初めてだ」

 

 

 「よく分からんが、お前の行き先が決まったな。…………金ならいくらでも出してやる。そこに書いてあるものは自分で用意しろ。できるな?」

 

 

 「……はい」

 

 

 「これだけあれば足りるだろう。足りなかったらまた明日やる。今日中に支度しろ」

 

 

 「……分かりました」

 

 

 

 

 封筒の中には、全てが記載されていた書類があった。どこで何を買えばいいのか。何を持っていけばいいのか。そう、全てが記載されていた書類があった

 

 ロンドンの郊外にある店の奥から出た壁に何をすれば開くか。アーサーにとっては初めての事ばかり。しかし、彼は、臆することなく全てをやってのけた

 

 彼の中にあるのは、未だに燻っている家族への愛。元来、正義感が強く愛情深い性格だった彼は、家族からの不信感がすこし性格を変えてしまった。しかし、初めて父親から命令と言う名のお使いを頼まれた。彼はそれがきちんと出来たらまた、父親から愛を貰えると思っていた

 

 アーサーはその日の内に全てを揃えた。大釜、猫、教本、全てを揃えた。あと一つは杖だけだった

 

 

 

 「ええっと、杖は、オリバンダーの店? が1番なんだね。よし、行こう」

 

 

 ガラガラとカートを引きながらオリバンダーの店を探す。もう既に太陽が傾きつつある。早めに帰らないと家族が心配する、と足を急がせる。オリバンダーの店はすぐ近くにあった。カートを置き、中に入る

 

 

 

 「…………コレは、すごい力だ」

 

 

 「こ、こんにちは?」

 

 

 「ああ、こんにちは。今日は素晴らしい日だ。こんなにも多く、魔女の卵達や魔法使いの卵達が来てくれるなんて。長く生きていて良かった」

 

 

 「は、はぁ。あの、杖が欲しいんですけど」

 

 

 「分かっているよ。君に合う杖だね。コレは難儀なものだが、少し待っといてくれ」

 

 

 

 そう言って、オリバンダーがすぐに持ってきたのは3本の杖

 

 「1つ目は、柊を木材に使った杖。芯にヴィーラの髪を使用しており、非常に気性が荒い。しかし、この杖を御すればどんな困難も振り払える

 

 2つ目は、黒檀を木材に使った杖。芯に不死鳥の尾羽根を使用しており、非常に希少な杖。杖から拒否の雰囲気が伝わってくるが、彼からの忠誠心を得たのならば、貴方にかなう者はそうそう現れない

 

 そして、3つ目は」「これにします」

 

 

 「……ほう、ならば、とって。ほら、振ってみて」

 

 

 アーサーは、最初からこの杖しか見ていなかった。手に取ると、早く俺を使えっ!! と、命令してくるがごとく意思を伝えてくる 

 

 アーサーが杖を振るう。すると、彼の周りに火が踊るように出現した。しかし、その火はどこにも燃え移ることなく、彼の周りを踊っている。もう一度杖を振るい、火を消すアーサー

 

 

 

 「素晴らしい。ここまでの適性は初めてじゃ。お主にこの杖を譲ろう」

 

 

 「ありがとうございました」

 

 

 3つ目は、サンザシを木材とした杖。ドラゴンの心臓の琴線を芯にしており、非常に強力な魔術を行使できる。しかし、癒しの魔法にも優れており、生と破壊を司る

 

 アーサーは、店を出て、帰路に着く。帰りはウキウキにルンルンだった。初めてのお使いを完全にクリアし、あとは父親と母親に褒めてもらうつもりだった

 

 そう、家族がいれば

 

 

 

 

 

 「た、ただいまー」

 

 

 ドアを開ける。しかし、電気は着いているが、物音が無い家。普通ならばテレビを見たり、ご飯を食べている時間。しかし、物音ひとつない

 

 荷物を置き、リビングに入る。そこには1枚の手紙があった

 

 

 

 『アーサーへ

 

 買い物は済んだな。なら、私達は引っ越す。その家は好きに使え。金もその隣にある通帳に入れておく、こちらも好きに使え。一応、引越し先の住所も書いておくが、本当に必要な時にのみ来てもいい。印鑑も好きに使え。では、よい学校生活を

 

 ユーサーより』

 

 

 隣の通帳を見る。手に取ろうとして、止めるアーサー

 

 

 目は、虚ろになり、しかし、自分がやるべき事を理解する知性はある。荷物をまとめ、買ってきた猫を放つ。そして、水とエサを用意し、トイレを設置する。この猫は、このトイレですることを覚えているため、家が汚れることはない

 

 夕飯を、準備する。冷蔵庫の中には冷凍食品、冷蔵食品が多く入っており、入校までは死ぬことは無い

 

 それを確認すると、アーサーは、風呂の水を貯め。入浴準備を済ませる。静かに、声を発しない。それは、いつも通りの行動だ。そう、いつも通りにしていれば、家族が帰ってくると思い

 

 たが、アーサーは心の奥底で理解した。もう、家族は帰ってこない。もう、自分一人なのだと

 

 

 

 

 怪物は、家族を失った。その代わり、魔法という力を得た

 

 

 

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