ハリーポッター プリムローズ通りの怪物   作:匿名魔法使い

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4話

 

 

 4話 1年生の初夜

 

 

 

 

 「す、すげぇ。部屋の中に、夜がある」

 

 

 

 アーサーが見ているのは、ホグワーツの大広間である天井。そこには、大量のロウソクと室内なのに夜空が見えるという摩訶不思議空間だった

 

 

 

 「こ、れは。すごい、です。こんな魔法、聞いた事も見た事もない。流石、アルバス・ダンブルドア。現代で最も偉大な魔法使い」

 

 

 「ほぅ。悪くないな」

 

 

 

 上級生の間を3人は固まって歩く。周りと一緒に歩いているが、セレスティアのせいで少し浮いている。しかし、それを感じさせないほど、3人は堂々としていた

 

 新入生が組み分け帽子の前までたどり着く。マクゴナガルが、一言、ダンブルドアからお言葉を貰う、と告げる

 

 

 

 「まず初めに、入学おめでとう、諸君。それでは、注意事項を2つ。暗黒の森には立ち入ってはならない。そして、右の階段の3階の扉には入ってはならない。そこには、死と苦しみしかない。以上じゃ」

 

 

 

 組み分け帽子が、組み分けを開始する。まず、ハーマイオニー・グレンジャー。次にドラコ・マルフォイと続いていく。途中、ハリー・ポッターもいて、少し帽子が考えていたがグリフィンドールときまる

 

 そして、僕たちの番になる

 

 

 

 「アイリス・フェンウィック」

 

 

 「…………」

 

 

 

 アイリスは、無言で歩み出す。しかし、アーサーとセレスティアの手を1回だけ握った。そして、帽子の前に行き椅子に腰掛ける

 

 

 

 「(ほう、コレは面白い。まさか、コンパートメントで内なる自分を克服するとは。どこに行きたい?)」

 

 

 「そんなの決まってるわ」

 

 

 「(そうだったな)レイブンクロー!」

 

 

 

 レイブンクロー寮の机から拍手が送られる。そして、仲間の2人からも小さな拍手とガッツポーズが送られる

 

 

 

 「セレスティア・ヴァンス・グレアム」

 

 

 

 今度は。アーサーがセレスティアの手を握る。パッと、驚いた顔をした後、アーサーに微笑むセレスティア。それを見て、アーサーが行って来なと、小さく言う

 

 セレスティアは、誰よりも堂々とした雰囲気で、帽子の前まで行き椅子に座る

 

 

 「(ふむ。おぬしなら、どこでもやっていけるぞ。グリフィンドールで英雄になれる。レイブンクローで貪欲になれる。ハッフルパフで愛を学べる)」

 

 

 「ふっ。わかっているくせに」

 

 

 「(それは失礼した)スリザリン!!」

 

 

 

 スリザリン生からの大きな拍手が送られる。しかし、セレスティアの目には、二人しか写っていた無かった。小さな拍手、ガッツポーズ。それだけで彼女の心は十分に満たされていた

 

 

 

 「アーサー・ペンハリス」

 

 

 

 アーサーが歩き出す。無名の子供。誰も注目なんてしていない。しかし、彼はキチンと2人分の視線を感じ取っていた。その2人の視線に勇気を貰える

 

 

 

 「(ふむぅ。難しい、難しいぞ。さっきの子娘よりも難しい。君には様々な選択肢がある)」

 

 

 「そうなの?」

 

 

 「(ああ。グリフィンドールで受け取る勇気も、もう貰っている。レイブンクローで受け取る優しさも、もう貰っている。ハッフルパフで受け取る愛も、もう貰っている。スリザリンで受け取る覚悟も、もう抱いている)」

 

 

 「へぇ」

 

 

 「(お主はどこに行きたい?)」

 

 

 「なら、グリフィンドールで」

 

 

 「(分かった)グリフィンドール!!」

 

 

 

 3人がバラバラの寮に行ってしまった。しかし、それは悪いことだけでは無い。3人の絆は、そんなんでは決して崩れない事を、たった1日。されど、この1日で彼等は確信している

 

 アイリスは、レイブンクロー生の注意事項を聞きながら。セレスティアは、スリザリン生のおべっかを聞きながら。アーサーは、グリフィンドール生の武勇伝を聞きながら。3人で小さく頷き合う

 

 そして、3人は変化なく、コンパートメントで決めた所で落ち合うと合図を告げる

 

 アーサーは、食事中にほとんど首なしニッグが来て結構驚いたり。ハリー・ポッターが思ったよりも俺と似た境遇っぽくて少し親近感が湧いたり。ロン・ウィーズリーの兄弟が多くて、すごいなぁと思う食事だった

 

 アイリスは、持ち前のコミ障を発揮し、周りの子もグリフィンドール生程コミュ力が高い訳でもない為、会話よりも食事が優先となっていた。ほとんど首なしニッグは来なかった。なぜなら、奴を嫌うレイブンクロー生がいるため、こちらには来ないからだ

 

 セレスティアは、うんざりした食事となった。隣に来た取り巻きに、遠くにいたはずの取り巻き、取り巻きじゃないのに取り巻きになっているよく分からない奴までではじめて、食事なんて雀の涙程度しか取れなかった。早速鉄仮面が仕事をしていた

 

 そして、食事が終わり、寮長によるそれぞれの寮の案内が始まった。アーサーは、グリフィンドールの寮長について行き、合言葉を覚える。そして質問する

 

 

 

 「すみません、この合言葉って、明日でも通じるんですか?」

 

 

 「ああ、通じるよ。次の学期まではこれだから覚えておきなさい」

 

 

 「ありがとうございます!」

 

 

 

 アーサーは、頭の中で合言葉を反芻する。そして、部屋に案内される。僕の部屋は、ロン、ハリー、ネビル、シェーマス、アーサーの5人。一人一人に天蓋付きのベッド。足元には学校指定のトランクも用意されている

 

 すぐに寝る時間となった。みんな、トイレと歯磨きを終えると、起きようとしていが、すぐにみんなの声が無くなっていった。アーサーも少し目をこすっていたが、時間となり、行動を開始した

 

 

 

 「ふぅ。【ディシルシオ(姿を歪ませよ)】」

 

 

 

 アーサーは、自分に向けて慎重に杖を振るう。杖は暴走せず、キチンと術を発動させた。そして、アーサーは鏡を見る

 

 そこには、輪郭すら分からないほどのキチンと魔法を使えた少年の姿があった。いや、無かった。それに安堵し、アーサーは扉をゆっくりと開け城から出る

 

 そして、向かったのは西棟の奥の古い温室。傍から見たらただのビニールハウスだが、キチンと魔法的結界が施されており、とても頑丈に作られている

 

 そこへ一人で向かう。恐怖が無い訳ではない。しかし、それよりも、早く、2人と一緒に過ごしたかった

 

 

 

 「………僕が一番乗りか?」

 

 

 「いいえ。私です」

 

 

 「わっ!? り、リズぅ。脅かさないでよ。はぁ、心臓が飛び出るかと思ったよ」

 

 

 「ふふ。言った通りだろ? アートならいい反応を示してくれると思ったよ」

 

 

 「おいおい、2人とも止めてくれな? 次は心臓が止まるからね?」

 

 

 「ふふふっ。その時はリズが人工呼吸で生き返らせるさ」

 

 

 「ちょっ!? ティアっ! もぅ!」

 

 

 

 アイリスが温室を開ける。幸い、魔法的ロックはかかっておらず、普通に開けることができた。しかし、問題は中にあった。非常に汚かった

 

 そこらかしこにつるが生え散らかし、とても休めるスペースでは無かった。しかし、ここに居るのは魔法使い。そんなのちょちょいのちょいだ

 

 魔力が漏れないよう、丁寧に魔法を使っていく。そして、5分もしないうちに荒れ放題だった温室が、荒れていない温室に変わった

 

 アイリスが音が立たないシートを広げ、セレスティアが上品なテーブルを出し、椅子も追加する。アーサーが持ってきたタオルケットを人数分出す

 

 

 

 「…………うん。コレで、私達の秘密基地の完成だよ」

 

 

 「まぁ、完成とは行かないけど、概成までは行けたわね。後はこの結界に、色々付け足していくだけね」

 

 

 「……良かった」

 

 

 「ん、どうしたんだい?」

 

 

 

 アーサーがここに来て、ゆっくりと椅子に座る。そして、思っていたことを吐き出す

 

 

 

 「正直、誰もいないんじゃないかって、少し、不安だったんだ。そんな訳ない。けど、もし、いなかったらって思うと、胸が苦しいし、痛いんだ」

 

 

 「………アート。安心しろ。それは、私も同じだ」

 

 

 「私もよ。もし、ティアとアートが来なかったらって思うと、ここが張り裂けそうになるの」

 

 

 「ははっ。みんな同じかぁ。なら、僕達は家族も同然だね。ティアが親、僕が次男、リズが長女だ」

 

 

 「か、家族っ!?」

 

 

 「ハッハッハッ!! それは良い! なら、親として、この面倒は見てやらないとな! ほら、アート。何が欲しい? いまなら、何でもくれてやるぞ」

 

 

 「…………わ、笑わない?」

 

 

 「笑うもんか。ほれ、言ってみろ」

 

 

 「…………み、みんなで、その、あの、ええっと」

 

 

 「なんですか? 私も笑いませんよ?」

 

 

 「ほ、ほんとに!? 今からめっちゃ恥ずかしいこと言うからね! 笑わないでよ!?」

 

 

 「いいだろう! さぁ!」

 

 

 

 

 「…………み、みんなで、だ、抱き合いたい、です」

 

 

 

 

 「「…………」」

 

 

 「だ、ダメ、かなぁ?」

 

 

 「よし、リズ、アート来なさい。お母さんがしっかりと抱いてあげよう」

 

 

 「い、いいの? ちょっと、キモイ事言ってる自覚があるんだけど」

 

 

 「ふふ。家族だろ? 私達は。私は一向に構わないぞ」

 

 

 「わ、私も! あ、アートと、ティアなら、全然構わないわ!!」

 

 

 「ほらな? さあ来い。早く」

 

 

 

 セレスティアが2人を抱きしめる。この中ではセレスティアが1番身長が高く、アーサーよりも頭半個分ほど大きい。リズが1番小さいが、アーサーと変わらない。アーサーも平均より少し小さい程度だ

 

 3人は、3人の鼓動を確かめる

 

 アーサーは、2人の温もりを感じ、1番ゆっくりなリズムを刻む

 

 アイリスは、最初、異性と抱き合うのが初めてでかなりのリズムだったが、2人の鼓動を感じ、徐々におさまる

 

 そして、セレスティアの心拍は、なんと、3人の中で1番早かった。1番緊張していたの、彼女だった。そして、2人はそれに気付いた。アーサーは、感謝の意を込めて力を強め、アイリスは、知らないフリを知らながらも少し距離を詰める

 

 そんな2人を感じながら、更に抱きしめる

 

 

 

 

 そうやって十分な時間が過ぎる

 

 

 

 

 「ありがとう。2人とも。もう、十分だ」

 

 

 

 アーサーが至近距離で2人を見つめながら言う

 

 

 

 「わ、私も、なんか、安心した。ありがとう、アート、ティア」

 

 

 「フフ。私も安心出来たよ。少し早いが、こんなにいい家族に恵まれた。なんて幸せなんだ」

 

 

 「あ、そうだ。ティア、お腹すいてるでしょ」

 

 

 「え?」

 

 

 

 アーサーは、脇に置いていた魔法の袋から食事を取り出す。アーサーは食事の時間、セレスティアがあまりご飯を食べれていないことをきちんと見ていた。だから、コッソリとご飯を拝借していた

 

 

 

 「なんか、話してばっかでご飯あんまり食べれないなぁって思ってたんだよ」

 

 

 「あ、アート」

 

 

 「はい、私も持ってきたよ。可哀想だなぁって思いながら見てたからさ」

 

 

 「リズぅ」

 

 

 「ありがとうね。マジであいつらムカつくんだよぉ」

 

 

 「あ、素が出た」

 

 

 「2人にだけしか見せないからね。言いふらさないでね?」

 

 

 「当たり前じゃん!」

 「言うわけが無い」

 

 

 「うぅ! 2人とも好きぃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、夜も更けていき、ソロソロと帰る3人。キチンと明日の準備はしていたのであとは寝るだけだ。初めての密会は成功、いや、大成功に終わる

 

 そうして、彼らのホグワーツ生活が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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