ハリーポッター プリムローズ通りの怪物   作:匿名魔法使い

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5.5話

 

 マクゴナガルの厳しい追求が終え、ようやく自由になったアーサー。その足で目眩しの呪文を唱え、3人の秘密の拠点に向かう

 

 既に2人は拠点内におり、アーサーのことを待っていた。そしてアーサーが着くなり、アイリスがアーサーに詰め寄る

 

 

 

 「アーサー!!」

 

 

 「り、りず?」

 

 

 アイリスがアーサーを強く押さえる。無理やりソファに座らせ、ローブを剥ぎ取る

 

 その様子をアーサーは、されるがまま。セレスティアは、目を丸くして見ているしか無かった

 

 

 「り。リズ。大丈夫、ただの「黙ってなさい!!」、はい」

 

 

 普段は冷静なアイリスの金切り声。それは、聞いた事もないし、想像すらできない自体だ。アイリスも自分がこんな声を出すなんて、数日前の自分なら信じないだろう

 

 

 

 「わ、わっ!? りず!?」

 

 

 

 アイリスは、ローブだけでなく、シャツと上の下着までも剥ぎ取る。アーサーは上半身だけは何も着ていない姿になった。一応、ここの結界はかなりいじられていて、温度も調整されているため寒くない

 

 そして、光や音も遮断されているため、ここに人がいるなんて、誰も気づくことは出来ない。そう、気付く事は出来ないのだ

 

 

 

 「ぐへっ」

 

 

 「ちょっ、リズ!?」

 

 

 

 アイリスは、とうとう、アーサーを押し倒してしまった。そして、彼女はそのまま、馬乗りになる様な形でアーサーに覆い被さる

 

 アイリスとアーサーの視線が交差する。アイリスの瞳が、逃がさないと、鋭い視線をアーサーに送る

 

 

 

 「大丈夫って何? 見て、ここ。骨にヒビが入ってるの分かる? 大丈夫って何? 見て、こことこことここ。この青あざ。大丈夫って何? みて、ここの骨、折れてるよ? 大丈夫って何? ねぇ、なんなの?」

 

 

 

 

 アイリスの手は、壊れたようにアーサーの傷の上を優しくなぞる。しかし、目線はアーサーの瞳を逃さない

 

 

 

 

 「アーサー。答えて。大丈夫って、なに?」

 

 

 「………ごめん。全然、大丈夫じゃ、ありません」

 

 

 「次は下」

 

 

 「した!? ちょ、ティア! 見てないで、止めて!!」

 

 

 「うーん。でもなぁ、うーん。間違っては無いけど、間違ってるなぁ」

 

 

 「黙って脱ぐ」

 

 

 「うぅぅ。マジかよぉ」

 

 

 

 流石にパンツは死守したアーサー。アーサーは、気付いていた。アイリスの手が震えていた事に。流石のアーサーでも、何故アイリスの手が震えているのか理解できている。だから、されるがままになっているのだ

 

 流石にパンツは死守したが

 

 セレスティアは、ソレを薄い笑みを浮かべて見下ろしていた。優雅に、冷めた紅茶を、片手にしながら

 

 アイリスの検診が終わり、馬乗りのまま、また上半身の1番傷が深い部分をなぞる。今度は、かなり強めに

 

 

 

 「いってぇ!?」

 

 

 「ここね。肋骨の骨が折れてるけど、肺には刺さってない。このヒビも大丈夫。ここも、ここも、ここも、ここも」

 

 

 「う、うぐぅ、いっ、たい、です!」

 

 

 

 アイリスは、最後に額の傷を見る。パックリと割れた額。しかし、こんな傷跡、セレスティアが持っている薬を塗れば数日で完治するだろう

 

 彼女の吐息が、目の付近にかかり、アーサーは、少しくすぐったそうにする。しかし、分かっている。彼女がどれだけ心配して、彼女がどれだけ怖かったのかを理解している

 

 それなのに、カッコつけて大丈夫なんて言ってしまったから、アーサーはじっとしている

 

 

 

 「………リズ、顔が近いよ。もう分かったから」

 

 

 「う、うるさいわね。ま、まだよ、もっとよく見せて」

 

 

 アイリスはアーサーの手首をつかみ、再び押し倒す。今度は、優しくアーサーの胸に耳を当て、鼓動を確かめる。あの時のように、ゆっくりとした、アーサーの鼓動を確かめる

 

 そして、アーサーの手を自分の胸に押し当てる

 

 

 

 「うひっ!?」

 

 

 「感じて、アート。私の鼓動」

 

 

 「………だいぶ、早い、です」

 

 

 「そう。早い。アート、私が、私達が、どれだけ心配したか。もし、アートが死んじゃったらって、考えて、どれだけ、心が、胸が痛かったか。わかる?」

 

 

 「………本当にごめん。リズ」

 

 

 「もういい。アートは、頑張った。もう許す。でも、こんな無茶は、できる限り控えて。するなら、私たちを巻き込んで。一人で、無茶しないで」

 

 

 

 アイリスの瞳から、大粒の涙が零れる。ソレを、慌てて一生懸命に拭うが追いつかないアーサー

 

 そこに、ようやくセレスティアがやってくる

 

 

 

 「あーあ、泣かせちゃったねぇ。どうする? 責任取らないと」

 

 

 「………リズ、僕にできることなら、何でもする。だから、泣き止んで。お願いだ、リズ」

 

 

 「私には無いのかなぁ?」

 

 

 「ティア。君にも同じだよ。何でもする。だから」

 

 

 「なら、目を瞑ってもらおうか。ほら、耳も塞いで。早く」

 

 

 「わ、分かった。あ。パンツはダメだよ。これ以上はダメだ」

 

 

 「わかってるよ。ほら、早く」

 

 

 

 アーサーが目をギュッと瞑り、耳を塞ぐ。それを確認したセレスティアは涙が止まらないアイリスの耳元に囁く

 

 

 

 「最初か、2番目か、どっちがいい?」

 

 

 「へ?」

 

 

 「ほら、見て。このバカは、目も見えてなければ、耳も聞こえない。なら、することは1つだろ? ほら、選びなよ。私はどっちでもいいからさ♪」

 

 

 「へ、へっ、………に、2番目」

 

 

 「んー? 遠慮することないよ?」

 

 

 「勇気、出ない」

 

 

 「なら、仕方ないか。キチンと続くんだよ?」

 

 

 

 そこからは、早業だった。本当に一瞬だ。セレスティアは、アーサーの顔を両手を当てて、唇を奪う。そして、一瞬で離れる

 

 その顔は、いつもセレスティアでは有り得ないほど、真っ赤に染っていた。そして、アイリスが続く。こちらは、ほんの少し長めの行為だった。が、惜しむように離れる

 

 

 

 「………終わり? え? 何したの? リップクリーム? え、ほんとになに?」

 

 

 「本当に……、こいつは」

 「えぇ………。分からないの?」

 

 

 「終わり? 開けるよ? いい? 開けちゃうからね?」

 

 

 

 アーサーが目を開ける。そこには、かなり顔を赤くした2人がおり、アイリスが泣き止んでおり、意味がわからず混乱するだけだった

 

 そして、セレスティアからもらった薬を塗り、アーサー達は自室へと戻って行った

 

 

 

 ようやく、彼らの夜は終わる。長く、刺激的なハロウィンの夜が終わった

 

 

 

 

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