ようこそ自由気ままな奴がいる教室へ   作:アマテラスすず

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停学

 

「いやー。上手くいったようでなによりだよ~」

「ありがとな一之瀬、ホントに助かったよ」

 

 石崎たちを生徒会室まで送った後、僕たちは特別棟に戻り監視カメラを取り外しに来ていた。

 

「そういえば直経、ポイントは大丈夫なのか?」

「一応あるにはあるんだが、Bクラスから貰ったポイントはほとんど使い切っちまったな」

「やっぱり、私が買った方が良かったんじゃない? Dクラスは少しでもポイントを持っておきたかったと思うし」

 

 個人的にはそうしたかったが、腹パンを食らうのはなぁ……。

 

「鈴音曰く、他クラスに借金したくなかったんだとさ」

「そっか~。私としては別に無償でも良かったんだけどな~」

 

 さすがにそれは人が良すぎるぞ一之瀬……。

 だが、お前が許しても神崎は反対しそうだな。そういう意味では、Bクラスは上手くまとまっているクラスかもしれない。敵になったら、手こずるかもな。

 そうして、僕たちはカメラを回収し終え、玄関に向かい帰ろうとするが……

 

「ん? 清隆、大丈夫か? なんかボーっとしてるけど」

「綾小路君?」

 

 一之瀬も清隆に話しかけるが、返答はなし。

 だが突然、全速力で駆け出す清隆。清隆の表情を見て、僕は何かとんでもないことが起きたんだと感じ取り、それに続く。

 

「え! ちょ、ちょっと二人とも!」

 

 僕たちの後に遅れてついてくる一之瀬。僕たちほどではないが、意外にも足は速いようだ。

 

「清隆! どうかしたのか、携帯なんか見て」

「直経、佐倉がストーカーに付きまとわれていることは知っているか?」

「……それって、雫のファンってことか? ブログに気持ち悪いやつが一人いたが、もしかしてそいつか?」

「知ってたんだな、雫のこと。そうだ、もしかしたらそのストーカーに佐倉が襲われているかもしれない」

 

 だとしたら、あの家電量販店の店員だろうな。

 

「事情は分かった。で、場所はどこだ? 佐倉の連絡先持ってるんだよな?」

「ああ、今調べてた。場所はここだ、直経の連絡先に共有しておく」

 

 清隆から送られてきたメールに書かれていた場所は、家電量販店の搬入口がある場所だった。

 

「オーケー。一之瀬と先に行っててくれ! 僕は警備員を呼んでくる!」

「頼んだ!」

 

 僕たちは二手に分かれて行動する。

 佐倉が襲われているであろう場所から警備員がいるところまではそこまで距離はない。迅速に動けば最悪の事態にはならないはず。それに清隆もいるしな、あいつが向かえば大抵のことは何とかなるはずだ。

 そうして、警備員がいるところに到着して事情を話す。かなりマジなトーンで話したので、警備員の方々もすぐに動いてくれた。僕たちは、佐倉が襲われている場所に急いで向かう。

 目的地の場所に近づくと、家電量販店の店員が逃げるように走っていくのを目撃する。おそらく、清隆と一之瀬が何かやったんだろう。

 僕は逃がすまいと全速力で走り、その店員を後ろからガッシリ掴んで抑え込む。

 

「クッ! は、離せぇ! なんだお前はっ!」

「悪いがっ、僕の抱擁から逃げ切れたものはいない!」

 

 そう言って、僕はより一層力を込める。鈴音に腹パンされた分、お前にすべてぶつけてやるぜ!

 

「ウ‶ッ! ギ、ギブッ……」

 

 降参宣言した瞬間、僕の頭の中でゴングの音が鳴った気がしたので、抱擁をやめる。

 それと同時に、後ろでスタンバイしていた警備員の方々が店員を速やかに拘束する。

 清隆たちは佐倉と一緒にいる。見た感じ、最悪の事態にはならずに済んだようだ。

 

「大丈夫だったか、佐倉?」

「……はい。綾小路君と一之瀬さんのおかげでなんとか。若代君も、ありがとうございます」

「いいってことよ、当たり前のことをしたまでさ。それに、佐倉のことにいち早く気づいたのは清隆だ。惚れるなら、僕じゃなくて清隆にしろよ」

「おい、余計なことを言うな直経」

「……そうします」

「ん? 何か言ったか佐倉?」

「い、いえ! なにも!」

「そうか、ならいいんだが。直経の言うことは気にしなくていいからな」

 

 顔を赤くして慌てふためく佐倉。こりゃ、マジで惚れちまったかもな、僕に。ホント、人気者は辛いぜ……。

 清隆たちと談笑していると、後ろから気持ち悪い言葉が聞こえてくる。

 

「ぼ、僕たちは運命でつながっているんだ! 僕は、雫ちゃんのファンなんだ! 雫ちゃんも知ってるはずだ、毎日手紙のやり取りもしているし、ブログだって! 僕に見せるために頑張って更新してくれてるんだ! お前らに分かるかぁ! この学校に来たのだって僕がここで働いてると知って……」

「もうやめてください!」

「し、雫ちゃん?」

「あなたのことなんか、ファンなんて思ってないです……。もう二度と、付きまとわないでください……」

 

 はっきり拒絶したな佐倉、それでいい。ハキハキとした方が、僕は魅力的で好きだぞ。

 

「……嘘つき。ブス、このブス女。僕を騙しやがって! おい! 何とか言えよブスゥ! お前のことなんて好きでもなんでも…グフッ!」

 

 うるさかったので、僕はストーカー野郎の髪の毛を掴み、鼻に膝蹴りを食らわす。

 一回、二回。途中、鈍い音がしたが関係ない。三回、四回……。あーあ、制服に血がついちゃった。

 

「き、君! もうやめるんだ!」

「直経!」

 

 一人の警備員と清隆に抑えられ、僕は体を拘束される。

 

「……このことは、学校に報告させてもらう。いいね?」

 

 警備員さんが僕に向かってそう言う。まぁ、仕方ないか。事情はどうあれ、人に対して暴力を振るっちまったからな。

 はぁ……須藤にアンガーマネジメントを教えておきながら、僕がこのザマとはな。でも、不思議と後悔はしていない。あの場で黙らせなかったら佐倉が傷ついていただろう、言葉の暴力によって。

 

 

 その後、学校側に連絡が行き、佐枝ちゃん先生と星之宮先生がこの場に駆け付ける。

 

「佐倉! 無事か!」

「……はい。私はなんとか」

「……そうか。今回の件は学校側の不手際だ。本当にすまない」

「一之瀬さんも綾小路君もケガはない?」

「はい。私たちは大丈夫です、星之宮先生」

「オレも特には。ただ、直経のことは……」

「それについては、こちらで処罰を決める。色々言いたいことはあるだろうが、これは決定事項だ。佐倉、そして若代、後で私と共に来い、いいな?」

「……はい」

 

 僕と佐倉は呼び出しをくらい、その場は解散となった。

 

 

◆◇◆

 

 翌日、僕は学校には登校せず自分の部屋にいる。

 案の定というべきか、僕は停学処分が下された。期間は2週間だそうだ。もう夏休み突入しちゃうんですけど!

 ただ、これでも期間は縮んだ方らしい。本来であれば1か月は停学だったそうだ。つまり、夏のバカンスには行けなかったらしい。佐倉が先生と交渉したおかげで、2週間にまで罰が減ったそうだ。佐倉様様だな!

 ちなみに、あの事件のことは箝口令を敷かれた。そして、被害を受けた佐倉には、いくら支給されたかは分からないがポイントを与えられたそうだ。良かった良かった。

 だが、箝口令を敷かれたってことは僕が停学になった理由、皆にはなんて伝わっているんだろう? 普通に暴力事件を起こしたって言われているのかな? だとしたら、クラスの皆に顔向けできないなぁ……。

 そんなことを考えていると、チャイムが鳴る。誰だろうと思い、扉を開けるとそこには佐倉がいた。

 

「ど、どうも。若代君」

「佐倉? どうしたんだ?」

「あの、お礼を言いたくて……」

「いや、言われるようなことは別にしてないんだけどなぁ。結果的に暴力振るった生徒って肩書きがついたかもしれない訳だし」

「……それでも、私はお礼が言いたいんです。あの時、若代君が動いてくれて私は救われました。多分、あのままあの人の言葉を聞いていたら、私は……」

 

 目に涙を浮かべる佐倉。やったことは悪いことだと理解しているが、こう言ってもらえるのであれば、動いて良かったと思える。

 

「……そうか」

「だから言わせてください、若代君。私を救ってくれて、ありがとうございました」

 

 深々と頭を下げる佐倉。こっちもお礼を言わないとな。

 

「お礼を言うのはこっちのセリフだ佐倉。お前が佐枝ちゃん先生と話し合ってくれたから、僕は2週間で済むことになったと聞いてる。本当にありがとな」

「いえ、私ができることといえば、あの事件のことを言いふらすかもしれないと学校側を脅すことくらいしかできませんでしたから」

 

 ん? さらっと怖いこと言ってないこの子? まぁ、被害者の佐倉だからこそできる手段か。

 

「そ、そうか。結構、思い切ったことしたな」

「はい! 若代君を助けたいと思ったら、すぐにこの考えが浮かんできました」

 

 笑顔でそんなことを言う佐倉。意外と大胆な性格をしているのかもしれないな。

 

「あ、そうだ。これ、食べてください」

「これは、クッキー?」

「はい。須藤君の暴力事件が発覚する前日のお昼休みのこと、覚えていますか?」

「ああ。確か、僕が佐倉に『料理するの好き?』って聞いた時だよな」

「その時です。あの時は嫌いではないって言ったんですけど、実は好きなんです。それでお菓子を作ってみたので良ければどうぞ」

 

 ……最高の女の子だな、愛里は。

 

「……ありがとな、愛里。あとでちゃんといただくよ」

「え? あ、愛里?」

「ああ、悪い。名前呼びは嫌だったか?」

「いえ! そんなことはないです! ただ、急だったので少しびっくりしちゃって」

「そうか、今後は名前で呼ばせてもらうよ」

「……あの、どうして下の名前で呼んでくれるんですか?」

「ん? それは、愛里が良いやつだと思ったからだよ」

 

 これは僕の中で決めてることだ。個人的に好き、信頼できると思った相手には誰であろうと下の名前で呼び捨てにすると。

 

「他の人も、そういう理由ですか?」

「そうだよ。清隆も良いやつだろ?」

「……はい、確かにそうですね」

 

 なぜか顔を赤くする愛里。やっぱ惚れてるわ、僕に。

 

 

 その後、愛里は僕の部屋を去っていきまた僕一人となる。ちなみに連絡先も交換しておいた。あとでクッキーの感想も言いたいからな。

 そして数分後。またチャイムが鳴り、今度は須藤と鈴音が訪問してくる。

 

「あなたは何をしているの? バカなの?」

「いやぁ、ホントごめん」

「俺はなんも言わねぇよ若代。きっと、何か事情があったんだろ?」

 

 須藤、お前めっちゃ良いやつになったな。これからは健と呼ばせてくれ!

 

「ああ、その通りだ健。事情を話せないのが辛いが、意義のある停学とだけ言っておグゥ!」

「意義のある停学って何かしら? 私の目を見てはっきり言ってもらえるかしら?」

 

 こ、こえぇよ……健、助けてくれぇ……。僕は健に救いの手を求める。

 

「……わりぃ、若代。俺には何にもできねぇ」

「そ、そんなぁ~」

「……はぁ、まぁいいわ。茶柱先生も若代君が起こした暴力事件は情状酌量の余地があると言っていたし、これ以上は責めないわ。クラスポイントも事情を鑑みて、減ることはないと言っていたし」

「え? そうなのか?」

 

 もしかしたら、このことについても愛里が何とかしてくれたのだろうか? だとしたら頭が上がらないな。

 

「ただ、クラスの連中は若代のことを悪く言ってたぜ。多分、俺もそうだったんだろうな……」

「そうか。まぁ、それについては受け入れるさ。暴力を振るったことは事実だしな」

「若代、何か困ったことがあれば俺に言ってくれ! 今回、いや、中間テストの時から俺はお前に助けてもらってばかりだ。恩返しがしたいんだ!」

 

 何度でも繰り返すが、お前メチャクチャ良いやつだな~。助けた甲斐があるってもんよ!

 

「そうだな。なら、マジで困ったときは健に頼ることにするよ」

「おう! 俺はお前のこと、ダチだと思ってるからよ! 何があってもな!」

「はぁ……男って単純ね。用も済んだし帰るわ」

 

 そう言って、鈴音と健は帰っていった。『用』って僕を殴ることかよ、ホントに訴えてやろうか。いや待て、僕が訴えたとしても暴力事件を起こしたやつだ。信憑性は皆無に等しい。まさか、そこまで計算づくで行ったとでもいうのか? 恐ろしい女だ……。

 

 

 またまた数分後、僕の部屋のチャイムが鳴る。僕ってこんな人気ものだっけ?

 扉を開けるとそこには、松下がいた。

 

「ブルータス、お前もか」

「裏切ってないから。言ったでしょ、役に立つことを証明するって」

「え? それは夏休みのイベントでって」

「それはそれ、これはこれ。若代君、停学中は外出できるの?」

「いや、極力控えろとは言われたけど」

「なら、ご飯とかどうしてるの?」

「一応、携帯で頼んだら持ってきてもらえるんだけど、ポイント取られるっぽくてさ。あんまり使いたくないんだよね」

 

 ほんとよくできてるわ、この学校。

 

「じゃあ、満足にご飯食べれてないんだね?」

「まぁ、そうなるな」

「良かった、この食材たちが無駄になるところだったよ」

 

 そう言って、片手に持ってる袋を僕に見せてくる。中には、ニンジンや牛肉、カレーのルーなどが入っていた。

 

「……もしかして、作ってくれるのか?」

「そういうこと。私結構自炊とかしてるから、腕には自信あるんだよ。だから中に入ってもいい?」

「もちろんです。なんなら、毎日いてください松下様」

「えっ、キモ」

 

 シンプルに悪口を言われてしまった。そこまで言わなくてもいいじゃん……。

 

 

 その後は誰もチャイムを鳴らすことはなく、僕は松下の作るカレーを、ただ座して待っているだけとなってしまった。

 いや、あれだよ? 手伝おうとはしたんだよ? ただ、『そこにいられると邪魔だから、向こうで待ってて』と冷たく言われたら、従うしかないじゃないですか。僕、クラスに迷惑かけちゃったし、負い目もあるからさ。

 そんなことを思っていると、いい匂いがしてきた。きっと、完成したんだろう。

 

「はい、できたよ」

「おおー! これは美味そうだな! いただきます!」

 

 めっちゃお腹が空いていたため、僕はスプーンを素早く使い、カレーをお腹の中にぶち込む。

 

「どう? おいしい?」

「最高です松下様。いえ、千秋様。これからも僕の胃袋を掴んでください」

「……それ、ホントに気持ち悪いからやめて」

 

 どうやらこのキャラクターはお気に召さないらしい。千秋の前ではやらないようにしよう。つっても、まだ誰にも見せたことはないが。

 

「それで、いったい何があったの?」

 

 さて、どうしようか。箝口令を敷かれているが、個人的には守るつもりはない。楓花も守ってなかったし、破ったところで特にペナルティがあるわけでもない。千秋には言っておこうかな。こいつなら、むやみやたらに言いふらしたりはしないだろう。

 僕は停学に至るまでの出来事をすべて話した。

 

「……なるほどね。若代君らしいというか、なんというか」

「健から聞いたんだがクラスの奴らは僕のこと、色々言ってるらしいな」

「そうだね。一応、平田くんや櫛田さんがやめるようには言ってるけど。ま、気にしなくていいんじゃない? 佐倉さんはそれで救われたわけだし。部外者のことなんか気にしても仕方ないでしょ」

「そうだな、千秋の言う通りだな」

 

 千秋はあれだな、結構サバサバしているというか、僕としては有難いな。

 

「じゃ、私はそろそろ帰るよ。しばらくはカレーで大丈夫でしょ? またなんか作ってほしくなったら連絡して。その時はその食材のポイント貰うけどね」

 

 そう言って、舌を出しながら帰っていく千秋。普通に可愛すぎんだろ……。

 ただ、千秋に来てもらったのは正直助かった。この料理のためにAクラスを目指すのもアリかもしれない。

 

 

 千秋が帰ったあと、もう誰も来ないだろうと思い風呂に入ろうとするとまたチャイムが鳴る。これで最後にしてほしい。

 扉を開けるとそこには一之瀬がいた。

 

「来ちゃった。迷惑じゃないかな?」

「迷惑なわけないだろ? むしろ毎日来てほしいくらいだ」

「またまた〜。若代君は冗談がうまいね」

 

 いや、冗談じゃないです……。

 

「それでね、綾小路君にも話したことなんだけど、若代君にも話しておいた方がいいかなって思って今日は来たんだ」

「長話になるなら、中に入るか?」

「ううん、大丈夫。そこまでは長くならないと思うから」

 

 ……なんだろう。何故かは分からないけど、ちょっと落ち込むな。

 

「そうか。それで、話ってなんだ?」

「うん、実はBクラスも前にCクラスから嫌がらせっていうのかな、そういうのを受けていたんだよね。その時は今回の事件ほど大きくはなかったんだけどさ」

「そうだったのか、初耳だな。それで、今回の件と何か繋がってる部分でもあるのか?」

「多分だけど、今回の件も私たちが嫌がらせを受けた件にも黒幕が関わっていると思うの」

 

 ……黒幕か。そいつはおそらく……

 

「確か、龍園翔だったか」

「え? そうだけど、知ってるの?」

「他クラスのことは一応調べている。あのクラスの中では龍園はできる男だと、前に調べた時に感じたよ」

「そっか。それなら私の忠告はいらなかったね」

「いや、そんなことはないさ」

「まぁとにかく、何かあればいつでも協力するから。その時はまた相談してね」

「ああ、そうするよ。ありがとな」

 

 そうして、一之瀬も帰って行った。龍園翔、か。ちゃんと話したことはないのでどういう性格で、どういう考えを持っているのかはまだ分からない。

 おそらく、龍園が本格的に動いてくるとすれば、それは夏休みのイベントでだろう。その時に確かめてやるか。健を罠にハメたこと、ちゃんと仕返しもしないといけないしな。

 ……それにしても、今回の一件で健と愛里から絶大な信頼を得ることができたな。僕が困っていると言えば、二人は何も疑わずに協力してくれるだろう。

 最初はクラスポイントがゼロのままになるのを避けるために、打算的な考えで動き始めたことだった。健に説教したのだって、これ以上クラスに厄介ごとを持ってこないようにするためにしたことだ。別に信頼はどうでも良かった。

 だが、千秋と契約の話をした時にも考えたが、今後は人との繋がりは持っておいた方がいい。僕がこの学校で生き残るために。

 そういう意味では、この結果は僕にとってはプラスと言えるだろう。愛里の信頼も、停学だけで得られるのなら安い代償だ。Bクラスとも今回の件でいい関係を築けそうだしな。今後は他クラスのやつとも積極的にコミュニケーションを取っていくか。もちろん、プライベートポイントも貯めていく。とりあえずはそれでいいか。

 

 

 今後の学校生活での活動方針を決めて、僕はお風呂に入ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 そういえば清隆が来てねぇな。あいつ友達じゃねぇわ、薄情者!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




清隆「別にいいかなって……」
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