弱虫ペダル Colorful Dreams   作:サクータ

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RIDE,14 アイ Love Triangle(後編)

 

 

***************

愛が果林を呼び出す少し前

 

ショッピングモール

 

果林 「・・・ん?」

 

エレベーターで降りている最中、書店で英会話のテキストに手を伸ばす美里の姿を目撃した果林

 

美里 「・・・」

 

果林 「美里さん」

 

美里 「っ! 果林ちゃん」

 

果林 「こう言うのに興味あるんですか?」

 

美里 「昔は海外で働いてみたいって想ってたんだけど…」

 

 

 

美里 「昨日はありがとう、愛ちゃんと果林ちゃんのおかげですごく…」

 

果林 「そんな風に無理していただく必要ないんじゃありませんか?」

 

美里 「え?」

 

果林 「ごめんなさい、あの時美里さん、何かを抱えているように見えたので…愛とは長い付き合いなんですよね? だったら本当の気持ちを伝えた方がいいんじゃ 愛だってその方が」

 

美里 「今、愛ちゃんのやりたい事を見つけてどんどん進んでいる最中でしょ? 余計な心配してほしくないの」

 

果林 「っ!」

 

美里 「すごいね、愛ちゃんにも果林ちゃんにも 歌って踊って、たくさんの人を笑顔にしてる・・・」

 

果林 「美里さん…」

 

美里 「じゃあ、わたしこっちだから またね!」

 

***************

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、生徒会室

 

副会長 「それでは正式に決定したんですね? スクールアイドルフェスティバルと文化祭の合同開催」

 

菜々 「はい これも皆さんの協力と三船さんが作って下さったプレゼン資料のお陰です」

 

栞子 「お役に立てたのなら良かったです」

 

副会長 「その上で生徒会から三船さんにお願いがあるのですが」

 

栞子 「何でしょう?」

 

書記(右)「合同開催成功のためにはフェスの運営を担う同好会と文化祭実行委員会に加えて」

 

書記(左)「両方の纏め役となる新たな責任者が必要です」

 

菜々 「それを是非三船さんにお願い出来ませんか?」

 

栞子 「私がですか?」

 

菜々 「三船さんとなら皆が楽しめるお祭りが出来ると思うんです 如何でしょう?」

 

栞子 「生徒の皆さんの為に頑張れるのなら是非やらせて下さい」

 

 

 

同好会部室

 

 

歩夢 「やっぱり、楽しいって感じが伝わるポスターが良いよね?」

 

しずく 「SNSとかで、カウントダウン風に告知するとかどうでしょう?」

 

侑 「こっち見て~」

 

かすみ 「さっきから何してるんですか! 撮影班はぁ?」

 

侑 「映像研究部から借りたカメラ、スッゴク性能が良いんだぁ!」

 

彼方 「へぇ~」

 

しずく 「そう言えば、果林さんはどうされたんですか?」

 

せつ菜 「愛さんの自主練を見て来るって言ってましたよ」

 

 

 

 

 

校舎の屋上スペース

 

果林 「そう、美里さんが……」

 

愛 「愛さんの何気ない『普通』が、おねーちゃんを傷つけてたんだ」

 

***************

 

愛 「急に呼び出してごめんね」

 

美里 「ううん、懐かしいね ここ、よく小さい頃に…」

 

愛 「ねぇ、お姉ちゃん アタシ、お姉ちゃんに聞きたい事があるの」

 

美里 「っ? なに?」

 

 

愛 「お姉ちゃん、何に悩んでるの?」

 

 

美里 「っ! 悩んでなんて…」

 

愛 「アタシ! お姉ちゃんのためならなんでもしたいよ! お願い教えて、アタシに出来ること!」

 

美里 「・・・思いつかないの」

 

愛 「お姉ちゃん…」

 

美里 「ごめんなさい、思いつかないの 愛ちゃんにしてほしいこと…何も だって、わたし」

 

愛 「わたし…」

 

美里 「・・・」

 

愛 「もしかして…アタシのせい?」

 

美里 「違う! 悪いのはわたしなの わたしが入院してる間、学校に行けなくなったわたしの時間はどんどんわたしと離れていったけど 愛ちゃんはずっと励ましてくれたよね 嬉しかったよ 本当に 愛ちゃんが支えだった でも、やりたい事見つけて どんどん先に進んでいく愛ちゃんを近くで見ているうちに ふと気づいたんだ」

 

 

美里 「私にはもう何もない」

 

 

美里 「どこにも行けない 楽しいって気持ちもわかんなくなっちゃった」

 

愛 「・・・」

 

美里 「愛ちゃんはスクールアイドルを頑張ってるだけなのに…勝手だよね?」

 

愛 「・・・昨日は?」

 

美里 「え?」

 

愛 「アタシ、昨日はすごく楽しかった お姉ちゃんが元気になって また一緒に遊べて お姉ちゃんは楽しかった?」

 

美里 「・・・愛ちゃんの事はこれからも応援してるから」

 

***************

 

愛 「あーあ、バカだなぁ……おねーちゃんの気持ちに全然気付けなくて 愛さんなら、笑顔にできるって勝手に思い込んで、でもホントはずっと傷つけてた。愛さんどうすれば良かったのかなぁ? 果林の言う通り、そっとしておけば良かった? それとも、スクールアイドルにならなければ良かったの?」

 

 

果林 「そんな話し、意味無いわよ」

 

 

果林 「ショックなのは分かるわ でも、オンラインライブだって近いんだから、しっかりしなきゃ あなたのファンが待ってるわよ?」

 

愛 「・・・出来ない」

 

果林 「へっ?」

 

 

愛 「出来ないよ‼️

 

 

愛 「楽しい事を教えてくれたお姉ちゃんをアタシが傷つけた……そんなアタシがスクールアイドルなんて出来ないよ!」

 

果林 「本当に辞めるつもり? じゃあ…」

 

 

果林

「わたしが代わりにステージに立ってあげる!」

 

 

愛 「えっ!?」

 

果林 「愛がスクールアイドルやめたら、愛のファン全員わたしが持っていくチャンスになるわ!」

 

愛 「えっ」

 

果林 「そうね〜そうなれば美里さんも、愛の大切なお友達の鳴子くんも 私に魅了されてファンになっちゃうわね?」

 

愛 「い、嫌だよ! そんなの絶対に嫌! お姉ちゃんや鳴っち ファンのみんなを果林に取られちゃうのは絶対にヤダ!」

 

果林 「でも、スクールアイドルやめるんでしょ?」

 

愛 「だったら『やめる』のをやめる! だってアタシ……アタシ……本当はスクールアイドル…」

 

 

愛 「もっともっとやりたいよぉ‼️

 

 

果林 「それがあなたよ!」

 

愛 「へっ?」

 

果林 「誰も傷つけないなんて、そんな事、できる人いないわ それでも、太陽みたいにみんなを照らす笑顔が、愛にはあるでしょ?」

 

愛 「っ!・・・うん!」

 

果林 「せいぜい頑張りなさい」

 

愛 「待って!」

 

 

愛 「愛さんと一緒にステージに立ってほしい!」

 

 

果林 「・・・私はそういうのに興味ないって言ってるでしょ?」

 

愛 「ううん、気持ちを合わせるとかじゃなくて 仲間というかライバルとしてステージに立って歌って踊って競い合おうよ! アタシに火をつけた果林となら すっごいライブができると思うんだ!」

 

果林 「・・・競い合う…そんな形があるのなら…面白いかもね!」

 

愛 「ハァ!」

 

 

果林 「受けて立つわ! 愛!」

 

愛 「うん! 負けないよ!」

 

 

 

 

ライブ当日

ライブ会場に足を運んでいた美里だが、その後会場近くの公園のベンチに座りこみ、スマホを膝の上に置き配信サイトを眺める

 

美里 (ごめんね愛ちゃん、あんなこと言って 自分が無くしたものを愛ちゃんが…みんな持ってるように思えない 自分が惨めだ せめて謝りたくてここまで来たけど……やっぱり…無理だよ)

 

 

 

 

ライブ控えテント

 

彼方 「集まってるねぇ」

 

かすみ 「配信サイトのアクセス数もどんどん増えてますよ!」

 

愛 「スゥーーハァ〜」

 

ギュッ‼️ 愛の後ろから抱きついた璃奈

 

愛 「っ! りなりー?」

 

璃奈 「大丈夫、愛さんなら大丈夫」

 

愛 「ありがとう…行って来ます!」

 

 

ステージに向かう途中

 

 

鳴子 「来たデェ! 愛ちゃん!」

 

愛 「鳴っち! 来てくれたの!?」

 

鳴子 「たりまえや! 愛ちゃんのライブなんやし、観に行かん訳ないやろ」

 

愛 「ありがとう……鳴っち」

 

鳴子 「ライブ前の根気づけにコレがなきゃ始まらんやろ…ん!」

 

拳を愛の前に出す鳴子

 

愛 「っ! これって」

 

鳴子 「何があったか分からんけど、多分お姉さんの事やろ? 愛ちゃん、ここんとこ元気無かったもんなぁ けど今、吹っ切れた顔しとる」

 

愛 「気づいてたんだ、けど大丈夫だよ 今日は果林も一緒にステージに立ってお姉ちゃんにアタシの想いをぶつけてくるから!」

 

果林 「ええ!」

 

愛 「心配してくれてありがとう鳴っち じゃあ今度は鳴っちからアタシに送ってよ鳴っちからの……ん!」

 

鳴子 「ハハハ! じゃあいくで! ワイからの…」

 

ドッ‼️ お互いの拳を突き合うふたり

 

 

鳴子 「根性注入や‼️

 

 

鳴子 「気張れよ……派手に!」

 

愛 「行って来ます!」

 

 

 

うわあああ‼️

 

 

果林・愛 『皆さんこんにちは〜‼️ 私達…』

 

 

果林・愛 『Diver Divaです‼️

 

 

果林 「今日はここにいる皆も、画面の向こうの君も、全員魅了してあげるわ‼️

 

愛 「みんなぁ‼️ 楽しむ準備は出来てるぅ⁉️

 

イエエエエイ‼️

 

 

 

美里 「・・・」

 

愛 {出来てない人、いるんじゃないのー!?}

 

美里 「っ!」

 

愛 {でも大丈夫! 愛さんの中には、小さい頃から貰ってきた、たくさんの楽しいがあるから! それを今からみんなにあげる! 明日から一歩でも、進んでみようって思えるような、最高のライブをするから!}

 

 

 

愛 「だからここにいる皆‼️配信を見てる皆‼️笑顔になる覚悟は決まったぁ⁉️

 

果林 「逃がさないわよ‼️

 

 

 

♪「Eternal Light」

 

 

うわああああ‼️

 

 

愛 「ありがとう! えへへ! あっ」

 

美里 「・・・」(/ _ ; )

 

愛 「っ!」

 

 

控えテント

 

愛 「会場に来てるなんて思わなかったよ〜!」

 

美里 「ここまで来ちゃった……胸が苦しいくらいにドキドキして、心が動き出して、楽しかった!」

 

ギュッ‼️ 愛を抱き締める美里

 

美里 「私、愛ちゃんのファンになっても良い? 愛ちゃんのライブ、スッゴク笑顔になれて、頑張る力が貰えるから!」

 

愛 「うん!」

 

侑 「良かったね、愛ちゃん!」

 

歩夢 「素敵なライブだったよ!」

 

愛 「みんな、ありがとう! 鳴っちも今日はありがとね!」

 

鳴子 「ホントええライブやった!」

 

侑 「今日は1人で来たの?」

 

鳴子 「そや! 愛ちゃんのライブは近くで見んとな!」

 

歩夢 「坂道くんの方は大丈夫なの?」

 

鳴子 「もうレース前の仕上げに入っとるで 気合い入れとるよ小野田くん」

 

侑 「そっかぁ!」

 

 

 

果林 「これからも、良い勝負が出来そうね? 愛!」

 

愛 「えへへへ! そうだね! でも、それだけじゃないよ」

 

 

 

愛 「ありがとう!」^_^

 

 

 

 

翌日

 

嵐珠のゲリラライブライブが開催されており

 

それを観に来ていた栞子

 

ライブ後

 

栞子 「凄い盛り上がりでしたね 嵐珠」

 

嵐珠 「当然よ アタシのライブだもの」

 

栞子 「嵐珠を見ていると、やはり人は、それぞれ適性に合ったステージにいるべきだと思います」

 

嵐珠 「ん?」

 

 

? 「栞子ー!」

 

 

栞子・嵐珠 『っ?』

 

? 「ただいま! 久しぶりね!」

 

栞子 「姉さん……」

 

 

 

神奈川県鎌倉市

 

しずくの家

ペンを持ってノートに何かを書き込んでいるしずく

 

しずく 「・・・う〜ん」

 

 

 

 

自転車部部室

 

小野田 「う〜ん…段竹くんを送り出すタイミング…」

 

 

峰ヶ山ヒルクライムまで残り 4日

 

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