嵐珠 「こうして対面で話しするのは初めてね 小野田坂道」
小野田 「ど、とうも」
嵐珠 「こうして見ると あなたって、2連覇を達成した男とは思えないわ オーラを感じない」
小野田 「よ、よく言われます」
侑 「良かったよねぇ、スクールアイドル展! 色んなアイドルの子達が見られて、スッゴク元気を貰えたよぉ!!」
嵐珠 「・・・そうね とても刺激を受けたわ」
侑 「同好会のみんなも誘って、また来よっか?」
嵐珠 「相変わらずみたいね、あなた」
侑 「えっ?」
嵐珠 「そうやって遊んでる暇あるのって言ってるの 音楽科の成績、どうなのよ?」
侑 「っ! ミアちゃんから聞いたの!? 前より少しは上がってるんだけどぉ……まあ、ギリギリはぁ、ギリギリかなぁ?」
嵐珠 「やっぱりそうなのね 中途半端なのって見ててイライラするの いい加減、同好会の活動に付き合うのなんかやめて もっと自分の夢に向き合ったら?」
歩夢 「勝手な事言わないで!」
せつ菜 「そうですよ 侑さんは──」
嵐珠 「そうやって甘やかすから良くないのよ 同好会で夢を叶える……そう言っていたのに、今のあなたは周りに自分の夢を重ね合わせてるだけよ!」
しずく 「っ!?」
嵐珠 「あなたはそれで満たされたとしても、何も生み出してないわ!」
歩夢 「そんな事は…っ!」
嵐珠 「あなた達もよ 坂道」
小野田 「え?」
嵐珠 「アタシは虹ヶ咲に転入するまで色んな大会で総なめして来た 転入するって決まってから あなた達の事を知った…確かにあなた達の活躍は本当に素晴らしいと思った…どんなチームなのか、どんな強い人が集まってるのか会って確かめたくなった…けど、期待外れだった」
小野田 「期待…外れ?」
嵐珠 「誰かに支えられないと実力を発揮出来ないチーム……アタシにはそれが情けなくに見えるのよ 特にあなた自ら何かを成し遂げようとする意志が全く感じられない そんなんでチームのキャプテン務まるの?」
小野田 「・・・」
せつ菜 「そんな事は! 坂道さん達は…」
侑 「・・・嵐珠ちゃんは優しいんだね?」
嵐珠 「えっ?」
侑 「あの時、嵐珠ちゃんに言って貰えたから 今はまだ全然だけど、私、結構前向きに頑張れてるんだ」
嵐珠 「・・・」
侑 「だから、もし気にしてくれてるんなら、もう少しだけ、見ててくれないかな?」
嵐珠 「っ! だ、誰が気にしてるなんて言ったのよ!」
小野田 「僕は…去年のインターハイの後、先輩に「途方のないありえない夢を見ろ」と言われました それは時に失敗し 時に叶わない けど、その積み重ねは 周りを巻き込んで夢の思いを受け継いで 新しい「道」を進み 拓ひらく力に変えろって事なんだって気づかされました」
嵐珠 「・・・」
小野田 「高咲さんにはその力があるんだと感じています いつかは分からないけど、周りを巻き込むような 何か大きい事を成し遂げると思うです だから高咲さんを事を応援してあげてほしいんです」
侑 「坂道くん…」
嵐珠 「・・・変わってるわね、自分のことより、相手のことを心配するなんて あなた自身の夢はどうなのよ?」
小野田 「正直、今の僕に来年のインターハイ優勝以外の夢や目標はありませんが けど今、やるべき事がひとつ出来ました」
嵐珠 「っ!?」
小野田 「明日の峰ヶ山のレースで優勝して虹学の「支え合うチーム」をその目で実感してもらいいます みんな、それぞれに想いがあって走っているんです 情けなくなんかありません」
嵐珠 「っ!?・・・いいわ どの道、明日のレースを観に行くつもりだったから…なら見せてくれる? あなた達の支え合うチーム 虹ヶ咲をアタシに見せて頂戴……アタシ行くわね、バイバイ」
せつ菜 「お2人とも熱いですね!」
侑 「えっ? そ、そうかなぁ?」
小野田 「き、緊張しました」
歩夢 「けど、意外だね 坂道くんが侑ちゃんの事をそんな風に思っているだなんて」
侑 「私にそんな力があるのかなぁ?」
小野田 「だって、それ力があって スクールアイドルフェスティバルに繋がったんじゃないかって僕は思ってるんです」
侑 「っ!? そっか……なんか…照れるね//」
しずく 「・・・」(~_~;)
侑 「っ? しずくちゃん?」
しずく 「申し訳ありません」
小野田・侑 『え?』
しずく 「自分のやりたい事を、周りに重ねていたのは私です 勝手に妄想して、勝手にユニットを考えて……」
歩夢 「待って! 嵐珠ちゃんが言ってたのは、侑ちゃんと坂道くんの事で」
侑 「そうだよ しずくちゃんが気にする事ないよ」
しずく 「夢を追いかける侑先輩や夢を切り開いて前に進んでいく坂道先輩達とは違って私は、ただ自分だけで満足して 結局、何も生み出せていないんです」
せつ菜 「そんな事やってみないと分からないじゃないですか!」
しずく 「えっ?」
歩夢 「そうだよ!……え? やるって…」
せつ菜 「さぁ! 開演です!」
近くにあったステージの上に登壇した歩夢とせつ菜
歩夢 「私、セリフ覚えてないよ?」
せつ菜 「私もですが、何とか繋げてみましょう」
歩夢 「え、ええ〜」
歩夢(少女)「こ、こんばんは野獣さん あの私……」
せつ菜(野獣)「どうせ私の事が怖いのでしょう? こんな恐ろしい姿なのですから」
歩夢(少女)「い、いえ! そんな事はありません ただ、どうしてあなたはそんな姿に?」
せつ菜(野獣)「私はこの城に住む王子でした ですが魔女に呪いを掛けられこの姿になってしまったのです」
歩夢(少女)「そんな!」
せつ菜(野獣)「あぁ! 王子の姿に戻れたなら!」
歩夢 「こ、この後どうするんだっけ?」
せつ菜 「勢いで行っちゃいましょう」
歩夢 「勢い…」
歩夢(少女)「あ、あの! 野獣さんのままでも良いんじゃないかな?」
せつ菜(野獣)「へ?」
歩夢(少女)「どう見えるかなんて気にせず、今のあなたに出来る事を一歩一歩やっていけば良いと思う」
せつ菜(野獣)「一歩一歩…出来る事…はっ! ならば私は! この野獣の力で世界に蔓延る悪を倒したいです!」
歩夢(少女)「実は私も傷付いた人を癒してあげたい!」
せつ菜(野獣)「だったら2人で旅に出ましょう!」
歩夢(少女)「うん!」
せつ菜(野獣)「そうして旅に出た私達は、悪しき野獣を次々に倒していきます。」
歩夢(少女)「しかし、少女には気になる事があったのです!」
せつ菜(野獣)「え!? 何が気になるんですか!?」
歩夢(少女)「うーん………その時! 二人の前に沢山の野獣が現れたのです!」
せつ菜(野獣)「え!? そ、それは大変ですね! 一先ず逃げましょう!」
小野田 「これは、ハラハラさせる展開…」
侑 「ちょっ! これどうなっちゃうの!? ってあれ? しずくちゃん?」
歩夢 「次どうする? せつ菜ちゃん?」
せつ菜 「そうですね………」
しずく(?)「お久し振りです!」
歩夢・せつ菜 『え!?』
せつ菜(野獣)「あ、あなたは一体……」
しずく(魔女)
「私は以前あなたを野獣にした魔女!」
せつ菜(野獣)「成る程、そう来ましたか……思い出しました! あなたはあの時の!」
しずく(魔女)「あの時、獣の姿にしたのは間違いではありませんでした。あなたは王子の頃にはなかった優しい心を持つ事が出来ました」
歩夢(少女)「そうなんですね」
しずく(魔女)「それはきっとその少女のお陰 そして次々と現れた悪しき野獣達は皆、心を改めず本当の獣になってしまった人間なのです!」
せつ菜(野獣)「ええ!? だったらどうすれば!?」
歩夢(少女)「歌おうよ! 傷付いた人達を救う為に旅に出たんだもん!」
しずく(魔女)「歌?」
せつ菜(野獣)「ですね! 魔女さんも歌いましょう!」
しずく(魔女)「え!? 私もですか?」
歩夢(少女)「私達がここにいるのはそもそもあなたの魔法が切っ掛けなんだもの。」
せつ菜(野獣)「さぁ一緒に!」
しずく 「ふふふ、お2人共自由過ぎます でも、その自由さが大事なんだと教えて貰いました 今の歩夢さんやせつ菜さん、展覧会で見たスクールアイドルの先輩方からも 型に嵌らず目一杯自分を表現すればビックリする程楽しいものが生まれるんですね」
歩夢 「そうかも」
せつ菜 「ですね!」
しずく
「今日ここから私達3人のステージが始まります!」
パチパチ パチパチ
侑 「はぁ〜いったいどうなるかハラハラしたよぉ〜」
小野田 「いつの間にかお2人とも役に入り込んでましたね」
侑 「うん! 素晴らしい演劇だった!」
バチン! クリートがペダルにハマる音
小野田 「では、僕はこれで失礼します」
せつ菜 「はい! お気をつけて!」
歩夢 「明日のレース頑張って!」
侑 「みんなで応援に行くから」
しずく 「竜包くんと定時くんにもよろしくお願いします」
小野田 「うん、じゃあ!」
小野田が走り去って行き、姿が見えなくなったところで
せつ菜 「では、私たちも帰りましょう」
しずく 「ですね! 今日はありがとうございました!」
侑 「うん! 2人も気をつけてね!」
歩夢 「今日は楽しかったねぇ」
侑 「そうだねぇ! あ、ねえ? 最後に後一つだけ乗って行かない?」
歩夢 「うん?」
侑が歩夢を連れて来たのは、休止していた観覧車
夕方になる頃には運転再開していた
歩夢 「ありがとう! 侑ちゃん」
侑 「ううん 私も乗りたかったし」
歩夢 「私ね、ユニットなんて、本当は無理だと思ってた でもせつ菜ちゃんやしずくちゃんと夢中でお芝居してたらどんどん楽しくなってきて そして、そんな自分をねファンの人に見てもらえたら良いなって思えたの」
侑 「そうだね ファンのみんなも、歩夢と一緒に楽しんでくれると思う 勿論私も!」
歩夢 「うん!」
歩夢 「侑ちゃん 私にも出来る事があったら、何でも言ってね?」
侑 「ありがとう でも、もうたくさんして貰ってる…よぉ〜し! 明日は全力で応援するぞぉ〜!」
歩夢 「お〜!」
侑 (明日は坂道くんのキャプテンとして大きな一歩を踏み出す それが終われば次は……私の番)