魔道具コレクターの進む道   作:ユーナさん

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Sランクモンスター

ルーフとキアの二人がダンジョンを進んでいくと通路の前からモフモフの塊が迫ってきた。それを見たキアは顔色を青くしてルーフに話しかけた。

 

「あれって、私の勘違いでなければ機関で習った、ルーキーが気負つけなければならない初心者つぶしのモンスターに見えるのですが」

「そうだな、あれはAランクモンスター デスモコ だな。可愛い見た目とは裏腹に自爆特攻しかけてくるモンスターだな。」

「流石はSランクダンジョン、Aランクモンスターがごろごろと」

 

キアは怖がりながらも自身の腰に掛けた剣に手を伸ばしながらどう切り抜けるべきか、思考を巡らせていた。デスモコに飛び道具を使うことは推奨されていないことから、ルーフが弓使いであると考えているキアは自身の手でどうにかしなければと考えていた。

 

「知っているか?デスモコは上級冒険者の間では宝箱と呼ばれてるんだよ」

「え、急に何を?」

「知っての通り、デスモコは自爆特攻を仕掛けてくるモンスターだ。あの毛並みの中に大量の魔道具が絡まった結果、どんな攻撃が飛んでくるか分からない、というより基本爆発する。」

「えぇ、そのうえ固有魔法で飛び道具が跳ね返されるから剣などで切らないといけなとか」

「あぁ、だからこそ先手で倒せば大量の魔道具が手に入る」

 

目を輝かせながらポーチから刀を取りだし、走り出した。

 

「【形影相随(けいえいそうずい)】」

 

ルーフが弓以外に剣まで使っていることに驚きながらもその戦いをよく見ておこうと目を向けたその時キアに嫌な感覚が襲い掛かりルーフに向かって叫んだ。

 

「近づいちゃダメー」

 

キアの叫びを聞き止まろうとしたその瞬間モフモフの毛玉から光が漏れ出し、

爆発した。

 

______________________________________

 

爆発の影響で砂煙が立ちこみ周りが見えなくなっていある中でキアは必死にルーフを呼んでいた。

 

「ルーフ、大丈夫ですか。前が見えなのですが、無事ですか」

「あぁ、大丈夫だ、問題ない。そっちこそ大丈夫か?」

 

ルーフが無事であることにほっとして余裕が出てきたことで特に衝撃が飛んでこず、外傷がないどころかバランスを崩すこともなかったことにキアは気づき始めた。

 

(ケガはない。それどころかあの爆発の中特に衝撃も飛んでこなかった。もしかして」

 

キアの想像通り砂煙が張れた先でルーフは光の壁を展開していた。

 

「【祈りのペンダント】」

 

「大丈夫かキア?」

「は、はい何とか」

「よかった、流石に今回のは俺も油断してた。まさか、ノータイムで自爆するとはな」

「・・・ん?何か音が」

 

キアが反応した音の先に目を向けるとそこには肉体が再生しているデスモコの姿があった。

それを理解したルーフは【祈りのペンダント】を解除して一気にデスモコに近づき刀をふるった。

 

「え?」

 

キアはその光景を理解することが出来なかった。ルーフがすぐに飛び出したことに、

ではなくルーフがふるった刀が何も切らなかったのに鞘に納めようとしている光景にである。キアが声をかけようとしたその時 ズシャ と鈍い音が響き、目の前でデスモコの頭部が崩れ落ちた。

 

「何が起きたんですか、何をしたんですか?その刀は何も切ってなかったはずです。あのモンスターも自爆したはずでは?」

「この刀はアーティファクト【形影相随】といってアーティファクトの影で相手の影を斬ると本体にもダメージを与えることが出来る、影で影を斬る刀だ」

 

「そしてあいつが回復したのは即死していなかったからダンジョンの効果で回復したんだろう」

「本当に即死させないと永遠に襲ってくるんですね」

「あぁ、だからこそ攻略も手つかずのところが多い。代わりにモンスターも即死レベルの攻撃しかしてこないけどな。」

 

さぁ進もうとルーフが言い、歩き出そうとしたときキアが何かに気づきルーフを呼び止めた。

 

「あのこの壁の先に何かある気がします」

(ふむ、特に探索用魔道具に反応は無し。触った感じも特に違和感はないが、調べてみる価値はあるか)

「キア、お前の【小型爆弾】でこの壁壊してみてくれないか」

「分かりました。少し離れていてください」

 

てりゃ、と掛け声とともに壁を破壊すると中には秘密部屋が広がっており警戒しながらも中に入っていくと横から気配を感じたルーフがキアを掴んで後ろへと飛んだ。キアは突然ルーフに首根っこを掴まれてグぇと声を出しながらも前髪を一筋の刃が掠めたことに顔を青くした。

 

「な、あれは、」

「ほぅ、首無し騎士のデュラハンか。いや甲冑を着てるから首無し武士とでもいうべきか」

 

二人の目の前に首から上が存在しないモンスター、デュラハンが甲冑に身を包み紫のオーラをまとった薙刀を振り回していた。

 

「デュラハンってSランクモンスターの!」

「Sランクモンスターであることも警戒するべきことだが、それよりもあの薙刀 呪いの装備 だ」

 

呪いの装備 それはアーティファクトと同じ又はそれ以上の効果を発揮することの出来る魔道具である。代わりに使用者または周りに大きな代償を発揮する諸刃の剣。呪いの装備は常に紫色のオーラをまとっている為隠し持つことも難しく冒険者には忌み嫌う者が多い。

 

「呪いの装備!それってこのダンジョンではまずいのでは」

「そうだな、ここではよっぽどの効果でもない限りほぼ代償なしで振り回すことが出来ることになる。ちょっとやばいかもな」

 

そういうとルーフは【神速光の矢】を取りだしながら【韋駄天】で一度距離を取り矢を放つが簡単に弾かれてしまう。どうするかと考えを巡らせようと瞬きをした瞬間、目の前でデュラハンが切りかかろうと薙刀を振りかざしてきた。

 

(まじか、この距離を一瞬で、防げない)

「はぁーあ」

 

その時、ルーフの目の前にキアが割り込み、剣で攻撃をそらした。

 

「重い、そらすので精一杯ですが時間を稼ぎます。ですので、どうにかしてください」

 

キアの頼りになるような、ならないような叫びを聞きルーフは笑みを浮かべながらあぁ、と返事をした。

 

「フフ、いい感じにパーティーっぽくなってきたな」

「笑ってないで早くしてください」

「あぁ、すぐに・・・っ!」

 

その時キアに向かって死角から紫のオーラが飛んできた。それに気づいたルーフは魔道具を出そうとしながらキアを守るように立ちふさがるが取りだすのが間に合わず直撃してしまった。

 

「即死攻撃【命の対価】」

 

暗い部屋の中、何者かの声がキアにはいやに大きく聞こえた。

 

 

 




だいぶ時間をかけてしまったのに普段の倍ぐらいしかかけていない。


今日の魔道具
・【形影相随】:影で影を斬る刀
・【祈りのペンダント】両手で祈るようにペンダントを包むことで光の壁を生成することが出来る

次回「Sランク冒険者」
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