『あなた』がスタレキャラと仲良く(意味深)なっちゃった! 作:ザワザワする人
嘘です。憧れてます。発想力すごいなと思って全部見ております。
と言い訳で、初回はアグライアさんです。公式イラストのバレンタイン美しすぎ。
カンッ!カンッ!!
今日もリズムよく鉄を鍛える音があなたの小さな工房に響きます。
あなたはオクヘイマのとある鍛冶屋です。
小さな工房と言ってもちゃんと実績はあるのです。
小さな皇帝の王冠や、杖。
皇帝に使える姫の剣。
開拓者の、球を打つような棒状の武器の補強。
更には樹邸の学者のよく分からない銃まで。
色々な依頼品を、時には鍛冶に関係ない物まで、あなたはずっと作り続けてきました。
それはオンパロスが、鉄墓とかいうヤツの鎖から解き放たれた今も変わりません。
けれどオンパロスが銀河と繋がりを持つようになった今、あなたは大忙しになってしまいました。
天外から来る様々な依頼品。
それには勿論、オンパロスには無く天外にしかない物も含まれます。
あなたにとって、それらを作るのは至難の技。
ですが依頼人を長く待たせる訳にもいかず、あなたは今も夜通し工房に篭りっぱなしでした。
「……失礼します」
背中越しに聞こえてきた声は、あなたの幼馴染です。
あなたの変わりに依頼の受注や、依頼品の包装や発送を手伝ってくれたいます。
そんな彼女に、あなたは頭が上がらないのです。
本来ならば、彼女が来た瞬間にはあなたは挨拶を返していたでしょう。
ですがあなたは徹夜明け。
限界を超えて動くあなたの体は、鍛冶に一点集中しておりあなたには届きませんでした。
「……………」
そんなあなたに、彼女はため息を吐きます。
そしてゆっくりとあなたに近づき、後ろからあなたの目を隠しました。
「誰でしょう」
あなたが状況を理解しようとする前に、彼女は質問をします。
鍛冶から離されたあなたの頭は驚く程に早く動き、すぐさま幼馴染の名前を呼びました。
【アグライア】
「ふふ……正解です」
アグライアはゆっくりとあなたから離れ、近くにあった椅子に腰掛けました。
そんな普通な動きでさえ、優雅でありまるで一つの彫刻の様です。
少し息が荒いのはきっと鍛冶の熱に暑がっているのでしょう。
あなたがどうしてここに?と、聞く前に彼女は言葉を言い放ちます。
「昨日、なぜ帰宅しなかったのですか?」
あなたとアグライアは同棲しています。
その方が仕事上も便利で、アグライアが家事をやってくれるのです。
あなたは意気揚々と、鍛冶について話します。
今回の依頼品がなかなか難しいだったり、ここの部品は上手くいっただったり。
「私は、
そんなあなたの自慢は冷たい眼光にぶった斬られます。
(・ω・`)と沈んだ顔を浮かべるあなたに、アグライアはまたため息を吐きます。
「……大体、あなたは昔からそうです。一度のめり込んだ事は意地でも曲げずに、一度自分で決めた事は私が何と言っても辞めない」
「勿論分かっています。あなたが依頼人の為にやっている事は。ですがあなたが体調を崩しては意味がないでしょう。あなたのお得意の言い訳の「鍛冶の熱でウイルスなんて死ぬ!」理論はいい加減なんです。天外の観光客には、私達の知らぬウイルスを持つ者も居るのです。危険なのは私が言わずとも分かるでしょう」
アグライアの正論パンチに、あなたは首を縦に振るしかありませんでした。
【はい………はい……】とただ相槌を打ちづつけます。
「……もう良いです。帰りますよ」
唐突にアグライアから腕を引かれてあなたは立ち上がります。
ですがあなたは抵抗します。あと少しで、依頼品は完成するのです。
これだけ!これだけ終わらせたら帰る!と、あなたは駄々を捏ねようとします。
「な に か?」
【え…えと……もうちょっとで……】
「な に か?」
【……何でもないです……】
「分かれば構いません。早く帰りますよ。師匠だって心配していたのですから」
そう言って自然とアグライアはあなたの手を掴みました。
仕方がなく、あなたもその手を掴み返します。
ほんの少しだけアグライアの頬が赤かったのは、きっとあなたを怒ったせいでしょう。
◆
アグライアが目を覚ますと、いつもの様に朝の光が彼女の頬を照らしました。
ですがそこには一つ違和感がありました。
隣に、彼が居ません。
さーっと頬の緩い温かさが消えていくのが自分でも分かりました。
急いでダブルベットから飛び降り、リビングに向かいました。
リビングには人の気配がありました。
けれどそこに居たのは彼女の師匠、トリスビアスでした。
「ど、どうしたのライアちゃん!?凄い顔色が悪いわよ!?」
彼が居ないことを知った彼女は自らの師匠に言葉をかける余裕も無く、すぐさま玄関から飛び出しました。
「ちょ、ちょっと!?ライアちゃん!?」
後ろから再び聞こえてきた師匠の声をアグライアは無視し、ひたすらに駆けます。
アグライアの頭で繰り返されていたのは、キュレネが彼女に伝えたとある輪廻の話——それによって蘇った彼女の記憶でした。
彼女が金糸を使い、オクヘイマの全てを知っていた時。
彼女はいつもの様に彼の工房を、金糸で探っていました。
ですが、彼はここに居ませんでした。
彼女は、彼の家を探ってみました。
そこにも彼は居ませんでした。
オクヘイマ全てを探りました。
どこにも。彼は居ませんでした。
オクヘイマから徐々に探知する距離を広げました。
すると、彼がようやく見つかりました。付近に化け物もいないようです。
ですが、そこには人がいました。
彼女はすぐにそれが誰か分かりました。
(元老院……!!)
彼女の金糸は鋭く彼の目の前の元老院へと伸びていきます。
その拍動を停止する為に。
ですがそれよりも早く。黒い影が現れて。
彼の胸から赤い液体が、飛び出ました。
彼が膝を折り、そのまま前に倒れます。
彼女の金糸は全てを捉えます。
彼の緩やかになっていく拍動も。
彼の浅く早い呼吸音も。
そして、彼の最後の言葉も。
ごめん……アグライア……
そんな悪夢を振り切るように、今の彼女はただ走ります。
今の彼女に金糸はありません。
遠くにいては、彼が何をしているか、何を想っているのか、何を見て聞いているのか。何も分からないのです。
無知こそが、今の彼女に最も恐ろしく悍ましい物でした。
彼の工房を視界の端に捉えて、彼女の速度はさらに上がります。
瞬く間に彼の工房の玄関に着きます。
心臓の音と、自分の荒い呼吸がどうにも嫌いでした。
でも、そんな彼女を慰めるものが、一つだけあったのです。
カンッ!!カンッ!!!
昔も、今日も、いつでも、この音が彼女は好きでした。
彼女は既知であるが故に爽やかな気持ちで、ゆっくりとその扉を開けました。
曇らせって、素晴らしいんスよ。
今の所次のキャラなぞ決まっておりません。
書いて欲しいスタレキャラがいたら是非ともこちらに送っていただけると幸いです。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=337084&uid=496834
一話の長さはどのくらいがいい?
-
2000未満
-
2000から3000
-
3000から4000
-
4000以上