『あなた』がスタレキャラと仲良く(意味深)なっちゃった!   作:ザワザワする人

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現パロ書いてみました。



ヒアンシー

「〇〇たん?起きてますか〜?」

 

そう言ってあなたの病室に入ってきたのはピンク髪をツインテールでまとめる、どこかフワフワしている美少女です。

 

「ん〜?お休み中ですか〜?」

 

あなたが目を瞑っていても、覗きこんできた時にふわっと香る彼女の匂いにあなたは笑みを浮かべます。

 

「寝坊助さんには、こうです!!こちょこちょ〜」

 

そう言って彼女は、あなたの脇腹を指先でチョンチョンっと触れ始めました。

小さい頃からの仲である彼女には、全てお見通しなのです。

 

【くすぐったい!!起きる!起きるから!!】

 

「全く……最初からそうすればいいんですよ。はい、腕を出してください。血圧を計りますよ〜」

 

彼女——ヒアンシーは、テキパキと手慣れた様子であなたの腕に機械を取り付けます。

何回目かも分からない程やってきたので、あなたももう慣れっこです。

やがてピピピと、計測完了の音が鳴ります。

 

「うん!問題なしです。今日も元気ですね!〇〇たん!」

 

まるで太陽の様に眩しい笑顔を見せられたあなたも、同じ様に笑みを返します。

 

「ん…?本を買ったんですか?」

 

あなたが机の上に置いた本を見て、ヒアンシーは首を傾げます。

ですがあなたは急いでその本を隠します。

 

「なんで隠すんですか?もしかして……そ、その……エッチな本だったり……//」

 

あなたは首を大きく横に振ります。

断じてえっちな本という訳ではありません。ただちょっとだけ、彼女に見られるのは恥ずかしいのです。

 

「ふふっ。分かってますよ〜。〇〇たんはそんな本買わないって事は」

 

先程とは違う、全てを見通している様な目にあなたは頬を膨らませ、不安を露わにします。

 

「もちもちですね〜〜」

 

そんなあなたにお構いなく、ヒアンシーはあなたの頬をムニムニし始めました。

こうなったら彼女はもう止まりません。

小さい頃からまるでこちらが歳下かの様に扱ってきます。同い年だと言うのに。

 

「ふわぁ〜………気持ちいい〜……」

 

あなたから見たら彼女の方がもちもちしていそうです。

意趣返しで、あなたも両手でヒアンシーのほっぺをもちもちし始めます。

 

「ひゃっ…!」

 

ですがあなたがほっぺに触れた瞬間に、彼女は飛び退いてしまいました。

ベットから離れられないあなたと違って、彼女には逃げ道があったのです。

どうやらはじめから、あなたの敗北は決まっていました。

 

敗北を噛み締めるあなたを無視して、ヒアンシーは病室から出て行ってしまいました。

彼女ももう医者になったのです。きっと忙しいのでしょう。

あなたは、机の上にあった本をまた読み始めました。

 

「きゅ…きゅうにさわられたらビックリしちゃいます……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたは小さい頃から、病弱でした。それこそ人生の大半を病室で過ごす程には。

ですがそんなあなたを助けてくれたのが、幼き日の彼女——ヒアンシーだったのです。

 

「〇〇たん!きょうもあそびにきましたよ〜!」

 

病は気から、と言うのは本当だった様です。彼女の性格につられて、内向的だったあなたも次第に明るくなっていきました。

 

「〇〇たん外に行けるようになったんですか!!じゃあいっしょにあそびましょう!」

 

彼女の手に引かれて、あなたは久しぶりに外の世界へと旅立ちました。

気分は高まって、体調も絶好調です。

 

それは、きっと彼女も同じだったのでしょう。

ずっと気にかけてきた友達と、初めて色々な外の遊びが出来るようになったのです。

浮き上がるのも無理はありません。

 

だから、気が付かなかったのでしょう。

 

いつの間にか道路に出ていて、横から車が来ている事に。

 

 

「え……?」

 

 

あなたは力いっぱい彼女の手を引きました。

彼女は無事に、車の脅威の晒されずにすみました。

ですが、あなたはそうはいきません。

彼女を思いっきり引っ張ったせいで、代わりにあなたが道路に飛び出してしまいました。

 

「〇〇たん……?」

 

その光景は幼き少女にとってあまりに残酷で、すぐには状況をのみこめませんでした。

病院のすぐ前だったこともあり、あなたは一命を取り留めました。

しかし、衝突の衝撃で心肺及び脳が大きく損傷したあなたは、病室のベットでずっと過ごす事になりました。

今から13年も前の出来事です。

 

 

 

 

 

 

それからというもの、彼女は毎日のようにあなたの病室を訪れました。

雨の日も、風の日も、学校がある日でさえも。

 

「〇〇たん、きょうはね——」

 

楽しそうに話す彼女の声は、あなたの閉ざされた世界に差し込む唯一の光でした。

けれど、成長するにつれて変わっていくものもありました。

 

「……〇〇たん、わたし決めたんです」

 

ある日のこと。

窓から差し込む夕焼けに照らされながら、彼女は少しだけ大人びた顔でそう言いました。

 

「わたし、医者になります」

 

突然の宣言に、あなたは目を丸くします。

 

「〇〇たんを、ぜったいに治せるお医者さんになります」

 

その声は震えています。

泣きそうなのを、必死に堪えているのが分かりました。

 

「だから……それまで、ちゃんと生きててくださいね?」

 

ぎこちない笑顔でした。

けれどそれは、あなたが今まで見たどの笑顔よりも強くて、優しいものでした。

あなたは、ゆっくりと頷きます。

 

言葉は出なくても、その想いは確かに届いていました。

彼女は安心したように微笑むと、あなたの手をそっと握りました。

小さくて、温かい手でした。

 

 

「ぜったい……ぜったい、助けますから」

 

 

 

 

 

 

 

「はい、今日の診察は終わりです」

 

白衣を揺らしながら、彼女はカルテを閉じます。

かつてあなたの手を引いて走っていた少女は、もうどこにもいません。

そこにいるのは、立派な医者になった、ヒアンシーでした。

 

「ふふっ。約束、ちゃんと守りましたよ?」

 

誇らしげに胸を張る彼女に、あなたは苦笑します。

守ったのは、どちらなのでしょうか。

生き続けたあなたでしょうか。それとも、ここまで辿り着いた彼女か。

 

「……でも」

 

ふいに、彼女の声が弱くなりました。

 

「まだ、治せないですけどね」

 

彼女が足の上で握りしめた拳が、小さく震えていました。

あなたは、そっと手を伸ばします。

ベッドの上から届く範囲いっぱいに。

彼女の袖を、ちょこんと掴みました。

 

「……〇〇たん?」

 

顔を上げた彼女と、目が合います。

 

【大丈夫】

 

すると彼女は、一瞬きょとんとして——すぐに、泣きそうな顔で笑いました。

 

「もう……そういう事言うの、ずるいです」

 

そう言いながら、彼女はあなたの手を握り返します。

今度は離さないと言うように、強く。

 

「わたし、まだ諦めてませんから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、あなたはいつもより呼吸が浅いことに気づいていました。

胸の奥が、ひどく重い。

まるで冷たい水の中に沈んでいくような感覚。

 

けれど、不思議と怖くはありませんでした。

どうしてか分かっていたからです。

これはきっと——終わりに近いのだと。

 

「〇〇たん!おはようございま〜す!」

 

いつのように、明るい声と一緒にヒアンシーが入ってきます。

けれど今日は、その笑顔がほんの少しだけ固いことにあなたは気づきました。

 

「……顔色、あんまり良くないですね」

 

そう言いながらも、彼女はいつも通り血圧計を巻きます。

手が、微かに震えていました。

ピピピ。

機械の音が、やけに大きく響きます。

彼女は数値を見て——一瞬だけ、息を止めました。

 

「……だいじょうぶです」

 

嘘でした。

あなたにも分かるくらいの、下手な嘘です。

 

「きょうは、無理しないで寝てましょうね」

 

いつもなら「元気ですね!」と言うはずなのに。

あなたは、ゆっくりと首を横に振ります。

そして、机の上の本を指差しました。

 

「……え?読んでほしいんですか?」

 

小さく頷くと、彼女は困ったように笑って本を手に取ります。

それは、ずっと隠していた本でした。誰にも見せた事のない秘密の本です。

 

 

「えっと……なになに……」

 

 

ページを開いた彼女は、固まりました。

そこに書かれていたのは——

拙い字で綴られた、あなたの日記でした。

 

 

 

 

 

『はじめて外に連れていってくれた事』

 

『ヒアンシーが、医者になるって言ってくれた事』

 

『約束を、果たしに来てくれた事』

 

 

 

 

一行一行を読むたびに、彼女の手が震えていきます。

そして最後のページ。

彼女は、声を出せませんでした。

そこには、たった一行だけ。

 

 

『ヒアンシーが笑って生きてくれるなら、それでいい』

 

 

ぽたり。

ページに、水滴が落ちました。

 

「……やだ」

 

彼女は首を横に振ります。

 

「やだやだやだやだ……」

 

本を抱きしめたまま、子どものように泣き始めました。

 

「わたし、まだ……治せてないのに……」

 

あなたは、そっと手を伸ばします。

 

震える彼女の頭に、触れるために。

 

指先が、かすかに髪を撫でました。

 

それだけで、彼女は壊れたように顔を上げます。

 

「〇〇たん……っ」

 

声にならない声。

 

けれど、あなたは微笑みました。

 

大丈夫だよ、と伝えるように。

 

ずっと昔、彼女があなたにしてくれたように。

 

「……置いていかないでくださいっ……」

 

その言葉を最後まで聞く前に。

 

あなたの手は、静かに力を失いました。

 

機械の音が、途切れます。

 

ただ彼女の叫びが、病室に響き渡りました。

 

 

 

 

 

 




曇らせきもちぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!つらいぃぃぃぃぃぃぃ!!!

相反する二つの感情。これこそが曇らせの真髄。

曇らせって、作者もきついんですよ。書いてる途中に、マジ辛くなるんで。

なので多分次は甘々です。キャラはこちらのコメントの中の誰かです。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=337084&uid=496834

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