『あなた』がスタレキャラと仲良く(意味深)なっちゃった! 作:ザワザワする人
今回は、ちょっと短めです。
「あなた……まさか騙したの!!??」
あなたは、目の前のうずくまる女性から誹りを受けていました。
まぁそれ相応の事をした自覚はあったので、あなたは素直に謝ります。
「謝ったってすまないでしょう!!??」
女性は腹部に何かが突き刺さったようで、血の池がどんどん広がっていきます。
もう長くないと思い、あなたはいつものように彼女に花を捧げます。
白い菊です。花言葉は、真実。
あなたの嘘の上で踊り続けた彼女には、お似合いかもしれません。
「相変わらずひどい人ね」
とぼとぼと、荒れ果てた町を歩いていると仲間のカフカに声を掛けられました。
「一時的とはいえ、結婚までした女性を餌にするなんて」
[だってそれが脚本だったじゃん]
「それでもよ。あなたは私とは違う。彼女から向けられた感情に、憎悪に、殺意に、
[まぁ……ちょっとは怖かったけど]
「ふふ……あなたのそういう正直な所、私は好きよ」
[それ褒めてる?]
「あら、もちろん。もう行きましょう。銀狼達も終わったそうだから」
□
[うぅぅぅぅぅ~~~~~~~~!!!!!]
あなたはあなたの部屋でお気に入りの銀狼の取ってくれたぬいぐるみに抱き着きながら叫びます。
[またできなかった~~!!!!!!]
一体何ができなかったのか。
それはあなたが、星核ハンターに入った理由にあります。
[彼女欲しいぃぃぃぃぃ!!!!!]
あまりにもくだらない理由と思われるかもしれませんが、これこそがまさしくあなたが星核ハンターに入った理由なのです。
詳しく言えば入った後にできた目標なのですが、まぁそんなのは些細な差でしょう。
「○○~。ゲームしよ……って、またなってる……」
[銀狼………]
「なんで泣いてんの。今回の脚本じゃ、○○はあの子と結婚しないといけなかったんだから。他の子に現は抜かせなかったんでしょ?相変わらずマジメ~」
[でも~……]
「でもじゃない。ほら、ゲームしてさっぱり忘れよ」
ゲームをしている途中、銀狼が唐突にあなたに質問してきました。
「○○の目標ってさ。彼女を作る事なんでしょ?」
[そうだよ~]
「じゃあ、なんでカフカとか狙わないの。結構美人じゃん」
[カフカは仲間だから?]
「………そ。あ、隙あり」
[うぐっ……なんの!]
結局あなたは銀狼が何を聞きたかったのかは分かりませんでしたが、二人で楽しい時間を過ごしました。
□
「だってよ~。カフカ」
「えぇ、ありがとう銀狼」
「ていうか自分で聞けば?私を通す必要ある?」
「あらあら、純粋な乙女心になんて事を言うのかしら」
「乙女って……カフカのはそんなんじゃないでしょ」
「なにか言ったかしら?」
「なんでもな~い」
□
薄暗い廊下に、ヒールの音が静かに響きます。
最初から目的地が決まっているかのように、カフカは歩いていました。
「……また、ね」
視線の先には、あなたが誰かと話しているようです。
「へぇ、そうなんだ。○○って優しいんだね」
[いや、そんなことないよ]
照れたように笑うあなた。
カフカの想像した未来が、簡単に始まりそうな距離間です。
「……優しい、ね」
その言葉を静かに繰り返た後、カフカは歩みを早めました。
「○○」
[カフカ?]
「ごめんなさいね。少し借りてもいいかしら?」
柔らかな声の奥にある“何か”に、あなたとはなしていた女性は本能で気付きました。
「え、あ……はい……」
[なんか急に帰っちゃったね]
「そうね。用事でも思い出したんじゃない?」
何事もなかったかのように、カフカはほんの少し距離を詰めて隣に並びます。
「それより少し脚本が変わったの。すぐ帰りましょう」
[え、今?]
「えぇ、
あなたは小さく唸りながらも、ついていきます。
「邪魔……ね」
誰にも聞こえないほどの声で、カフカは笑いました。
□
「で、これが今回の修正内容よ」
簡易モニターを操作しながら、カフカは淡々と説明する。
あなたは隣で少しぼんやりしていた。
[うーん……なんか今日、疲れたかも]
「そう?」
「さっきの子と話してたかしら?」
[え?あー、さっきの子?別にそんなことは……]
少し考えて、あなたは言います。
[……いや、ちょっと楽しかったかも]
その一言で、場の空気がわずかに変わります。
「……楽しかったのね」
[うん。普通にいい子だったし]
カフカの指が、止まります。
“普通にいい子”
その言葉が、静かにカフカの思考に沈んでいきます。
「ねぇ、○○」
[なに?]
「その子、名前は?」
[え?なんで?]
「あなたの為に調べておいてあげる。好きな物だったりね」
[ほんと!!ありがとうカフカ!]
あなたが名前を言った瞬間に、カフカはほんの少し微笑みました。
□
数日後あなたの端末に、一件のメッセージが届きました。
『ごめんね。やっぱり、もう会えない』
『急だけど、これで終わりにしたい』
『今までありがとう』
[……え?]
あまりにも唐突で、現実味がなくて、あなたの頭は真っ白になります。
[なんで……?]
問い返そうとした指が止まります。
少しだけ迷って、あなたは結局、短く返しました。
[そっか。今までありがと]
□
「……あら、浮かない顔ね」
[カフカ……]
「どうしたの?」
[なんかさ……急に、振られた]
あなたは苦笑いを浮かべます。本当に急だったのですから。
[そんな深い仲でもなかったのにね]
「……そう」
カフカは、あなたの隣に静かに立ちます。
「それは残念ね」
言葉とは裏腹に、その表情は穏やかだでした。
[まぁでも、しょうがないよね。こういうのってタイミングだし]
軽く肩をすくめるあなたの横顔を、カフカはじっと見つめます。
「えぇ……そうね」
そして、ほんの少しだけ距離を詰めました。
「縁がなかったのよ」
「ほら、次の任務の準備をしましょう」
[………うん]
あなたは頷きます。
ですが、あなたは何も知りません。
自分の世界が、どれだけ綺麗に整えられているのか。
どれだけ丁寧に、
カフカはあなたの後ろを歩きながら、誰にも聞こえないように小さく呟きます。
「彼女、欲しいんでしょう?」
その声は、風に紛れて消えていきます。
「なら――」
その続きを、カフカは口にはしません。
ただ、カフカの心の中でそれは確かに形を成します。
あなたの背中を見つめながらカフカは静かに、けれどいつもよりほんの暗く微笑みました。
「私以外を、選べなくしてあげる」
カフカこっわ。アンケート答えてもらえると嬉しいです。
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