前とストーリーが全く違いますが、面白く書けるように努力しました。
俺は最近考学校の必要性について考えていた。そもそもこの問題はどんな人でも一度は考えたことがあることだ。しかし自分の思ってる通りのアンサーを導けたものは滅多にいないはずだ。
だからほとんどの少年少女は学校に行く、行かせようとする世間からの圧力に抗える程の理由がないから、気だるさを感じながら嫌々でも行くのだ。
そして俺こと水鏡 淕(みかがみ りく)は現在学校を休んで、ネットサーフィンをしている。何故ならあの問いに対する最高のアンサー、つまり学校に行かなくていい理由を見つけたからだ。 そのアンサーはとは『働かなくても死ぬまで生活できるくらいの金あるし、学校なんていかなくていい。』 これが俺の答えだ。 そしてこんなことを考えている自分を省みてこう思う、俺って最低なダメ男だな、と。
俺は今、ネトゲにはまっている。いや、少し違うな、ここ一ヶ月食事やトイレなどの生活上最低限のこと以外はほとんどネトゲに費やしている。初めは軽い遊びのつもりがドップリ深みにはまってしまった。今ではかなり腕を上げて、それにフレンドもたくさん出来た。リアル以上にネトゲの世界の俺のキャラは充実した毎日を過ごしていた。
普通こんな暮らしをすれば親や友達がうるさいのだろう。しかし俺の場合は違う、親は中学生のときに死に、俺を引き取った母方の祖父母も老人ホーム生活、そしてダメ押しに友達ほとんどいない。
これだけ聞くと悲惨な人生を歩んできたように聞こえるが、両親とは仲が悪かったし、祖父母にいたっては顔もほとんど見たことがないのである。だから、字面で見るよりそのことへの悲しみはほとんどなかった。
それより、両親が残したサラリーマンの生涯収入の軽く7、8倍あるお金とか、家の土地などの引継ぎ問題の方が、俺にとってよっぽど重要なことだった。
まあ、そんな感じでお金と住む環境に恵まれてしまっているおかげで、いや、そのせいでこんな堕落した生活を送っている訳だ・・・
でも、ニートと呼ばれるのは心外だ。一応料理も食材をネットで購入して自炊しているし、気が向いたら筋トレもして体重は50キロ後半あたりをキープしている。だから、体に悪いなどと健康面で文句を言われる筋合いもない。
つまりだ、経済面・健康面共に良好なこの俺の生活を邪魔するものは、一人たりともいな・・・・
『ピンポーン』
そんなことを考えていたら、いきなり俺の引きこもりライフに邪魔が入った。 て言うか、このベストタイミングで一体誰だ? ネットショッピングでは注文ないし・・・ セールスの類と考えるのが妥当か・・・? 面倒だがまあいい、ここは秘技『居留守』を使って無難に無視するか。 そう思って、再びパソコンに向き直ってディスプレイを見た。
『ピンポーン ピンポーン ピンピンピンピンピンピピピピピピピピピピピピピンポーン』
「しつけーんだよ!! ていうか最後の方連打しすぎだ、壊れたら弁償してもらうぞ!!!」
居留守のはずだったのに、つい我慢しきれず声を荒らげてしまった。 久しぶりに大声を出したせいで喉が痛い。
そして、喉が痛くなるほどの音量で出してしまったこの声は、確実に外まで聞こえたはずだ。つまり居留守はもうつかえない。 仕方ない・・・ 俺は重い足取りで玄関に向かった。
「どちら様ですか 新聞の勧誘ならお断りですよ。」
そう言いながらロックを外し、ゆっくりとうっすらほこりを被った玄関の扉を開けた。 そして、そこには現在最も会いたくない相手がいた。
「やっほー、近所のかわいい幼馴染が様子を見に来てやったよ。あがっていいよね?」
そう言うと俺が扉を閉めるより早く、扉の隙間にバールをねじ込んできた。こうなるともう鍵を閉めるのは不可能だ。しかもテコの原理で扉を開いてくる。力でも対抗できない、このままじゃ殺られる・・・
そう考えた瞬間、今開いている15cm程の隙間から色白のすらっとした足が俺の鳩尾(みぞおち)につま先蹴りをクリーンヒットさせた。その激痛で両手を扉から離してしまう。
そしてこの暴力少女こと 千島 波音(ちしま なみね)は満面の笑みでゆっくりと扉を開け侵入してきた。 これ何のホラーゲーム?
て言うかコイツは一体何なんだよ、いきなり訪ねてきて俺の生活を簡単にぶち壊しやがって・・・ 俺は恨めしい思いを眼力に込めて波音を睨んだ。
「そ、そんなに見つめないでよ・・・ テレちゃうよっ//」
見事に効果が無かった。
「ハァー」
思わずため息が出た。こいつはどんだけプラスに受け取ったらこうなるんだろうか? それとも俺の顔のそもそもが迫力無いのか? 自分の表情をまじまじと見たこと無いからわからないな・・・ まあ、無愛想な顔なのは間違いないだろうがな。
そんな自虐的なことを考えながらさっきの玄関抗争で散らかった靴を整理していたらいつの間にか波音がリビングへ勝手に行ってしまった。 俺もそれを追ってリビングに戻った。
「リクリク最近学校来ないけど元気そうだね、少し安心したよ。」
波音はリビングを見渡しながらそう言った。
「普通心配してる奴は扉を強引に開けて来ねえし、ましてや蹴りなんて放たねえよ! てか、そのへんな呼び方もやめろ。 」
「お~、久しぶりなのに相変わらず最高のツッコミだよ!リクリク」
「やめろって言ってるだろうが・・・ まあいい、呼び名なんてこの際どうでもいい、俺の様子を見に来たんだろ? それなら大丈夫だ。 毎日しっかり生活してるさ。 これで安心したか? さあ、お帰りはあちらのドアだ。さっさと帰りやがってください。」
そう言ってホテルのボーイみたいに扉を手で指し示した。
「そんなに帰って欲しいの? 波音ちょっとショック~」
わざとらしい口調で波音はそういった。一瞬本気で殴ることも考えたがバール持ってるからやめておいた。
「でーも〜 今日はしっかり用事があるからこのまま帰るわけにはいかないのでーす。」
こういう風に家に強引に押し入り、バールを持った状態で一方的に話を聞かせるあたり、正直恐ろしいと思う。
「用事ってなんだ? 学校こいって言いにでも来たのか?」
「ブッブ〜 ハズレ! 正解は、私と一緒に京都に行こう?と言うために来ました~ 返答は?」
「却下で」
1秒も待たずに即答してやった。
「え~ こんなに可愛い娘と一緒に京都旅行二泊三日の旅だよ。世の男性陣が嫉妬に狂うくらい希少なイベントだよ~?それを不意にしていいの?」
「例え容姿が良くても、俺は自分を可愛いアピールしてくるやつを可愛いとは思わない。それに男の俺を誘わなくても確かクラスに女子の仲よしいたよな? それに学校いいのかよ」
俺がこの質問をした後、波音は口から鼻を両手で覆い、そして
「まさか… リクリクから学校の心配されると思わなかったよ。」
真顔で馬鹿にしてきた。
「お前は勘違いをしているな。俺は学校が嫌で行かない訳じゃない、行く必要性が見出だせないから行かないだけだ。」
「リクリク、それは駄目な人が言うセリフだよ~・・・」
そう言って憐れみの視線で心配そうに見てくる。 やめてくれ、そんな目で見ないでくれ。なんか惨めな気分になる
「て言うかリクリク、もう夏休みだよ?」
後付けのようにそのセリフを言ったあと、俺に対する憐れみの視線をさらに強くした。 いや、日付を忘れてたの偶然だよ? そう、偶然偶然・・・・
「という訳で私の心配はしなくていいよんだよ。 つ・ま・り リクリクが来てくれるかだけが問題なんだよ。さあ、<はい or YES>で答えて~。」
「俺に拒否の選択肢はねえのかよ。」
「ふふふ、そんな物はとうの昔に時空の彼方へに流された。 だからさ、リクリク・・・一緒に行こう? ダメ? なんなら1日だけにしてもいいよ? お願い、だから来て!」
ここまで強引に言われると少し断りづらくなってきた。
言っておくが、別に押しに弱いとか、女の子に弱いとかそんなんじゃない。ただ単に、善意で行動してくれている人を無下にできないだけだ。
「ハァー ウザったいな。まあ、そこまで言うなら行ってやるよ」
「やった~ リクリクありがとう。 宿題より愛してるよ。」
「比較対象のレベルが低すぎて、好感度がいっさい伝わってこねえよ。」
「ナイスツッコミ! あ、そういえば言い忘れてた。あのね、出発明日だからあすの朝7時にうちの前に来てね。遅刻したらリクリクの小さい頃の写真をご近所さんのポストへランダムで投下します。」
「えっ!明日なのか!? てか、写真ってなんでお前が持ってるんだよ?」
「ふふふ、それは乙女の秘密なのさ! 必要事項は言ったからね~、もうこれ以上貴様に話すことはないよ サラバだ。」
最後は決めポーズ的なものを取り、走って玄関から出て行った。その際、また靴を散らかしていった。
「全く勝手なやつだ・・・ 俺の予定を一切無視しやがって。まあ、外出する予定なんて、まったく無かが・・・」
そんな風にボヤきながらも、俺はテキパキ明日の準備をしているにだった。
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翌朝、俺は6時半頃に目が覚めた。遅刻寸前だったので急いで着替え、波音宅へ向かった。といっても、今いる祖父母宅の道路を挟んで反対側が波音の家だから、玄関出たらほぼ到着なんだよな。
「おーい リクリク、今行くから待っててね~」
玄関の鍵をかけた瞬間、波音宅の二階からそんな声が聞こえた。
「ああ、わかった」
俺は適当に返事をして着替えとスマホ、後トランプを詰め込んだリュックを右肩にからった。どうでもいいが、トランプは遊ぶためではなく、トランプピラミットを作るために持ってきた。
「お待たせ~ それではママ運転ヨロシク」
「ラジャー」
やっと準備ができたらしい波音は、お母さんと一緒に出たきた。て言うか、さすが親子だ。、朝っぱらからあのテンション・・・ 頭大丈夫かな?
「残念だったわね淕君、私の娘とふたりっきりのラブラブ旅行はまだ早いわよ。そんな美味しいイベントをしたければ、まず私の好感度から上げていくことだね。」
後部座席に俺が座ると波音の母 千島 詩音(ちしま しのん)さんは、唐突にそんな事を言ってきた。
「ラブラブって・・・ そもそも付き合ってすらいませんよ?」
呆れた顔でそう言い返してみた。
「そうなの波音?」
「あ、あたりまえじゃん!わ、私とリクリクが付き合ってラブラブなわけないでしょ!!」
波音はかなりでかい声でそう怒鳴った。
「波音がツンデレ!? しまったわ、気づかない間にそこまで・・・ 幼馴染を侮っていたわ。千島詩音一生の不覚」
「ツンデレじゃないよ! て言うかお母さん、不覚って・・・ なんで張り合おうとしてるの?」
「I LOVE 波音♥ 波音は誰にも渡さん」
「出たな、バカ親」
「誰がバカ親だ!? あ、わたしだ!」
そんなふうなくだらない会話をしながら俺たちは京都へ向かった。道中波音と詩音さんはずっと笑っていた。俺は、ふたりが心から笑っているのが嬉しくて若干口元が緩んでしまった。なぜ嬉しいかというと暗い話になるのだが、二年前、俺たちが中二の時波音の父親が死んだのだ。
確か、死因はガンだった。葬式には俺も出席したが、その数週間前、俺の両親も死んだので励ましたりもできずじじまいだった。だから嬉しいのだ、こうして一緒に笑えていることが。
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出発して一時間後くらい経ち、ようやく俺達は京都の宿に着いた。
着いてから思ったんだが、何で京都に旅行なんだろうか? 確かに観光名所だが、お隣の県だし来た必要あるのか? ヤバイ、そう考えると急に動くの面倒になってきた… 寝るか…
『バンッ!』 座布団を枕に寝ようとした瞬間、急に障子が開いた
「リクリク、早速外行くよ~ まず神社巡りだ レッツ・ゴー!」
開いた障子から、やけにハイテンションな波音がそんな事を言ってきた。
「めんどい、疲れた、寝る」
「三拍子で返された!! 泣くよ?オモチャをねだる子供みたいに泣いちゃうよ?」
「あー、わかったよ。だから泣くな、お前のお母さんに殺されちまう。」
「あら?私は殺さないわよ。娘を泣かすやつは、殺されるよりも恐ろしい辱めを受けてもらうわ。うふふふふふふふふ」
いつの間にかいた詩音さんは、こっちをすごい顔で見てくる。その顔はうすら笑いを浮かべている。ガチで怖い・・・ 本当にこの人は親ばかだな。
「じゃあ、波音行くぞ。」
これ以上詩音さんと一緒に居づらいので、早く行くことにした。
「うん、まずは・・・ 伊勢神宮かな?」
「アホ、それは三重県だ。 ここから一番近いのは、地図で見ると・・・ あ~、祇園社・八坂神社だな。 行くぞ」
「私も行くー」
「お母さんは邪魔だからここで湯葉でも食べといて。」
「ヒドイ、娘の態度が冷たいよ! 淕君もひどいと思わない?」
「ざまあ」
「淕君裏切ったな!! ふ、ふふふふ 分かったわよ、ここで待っといてあげるわ。 もういい、飲んでやる、飲みつくしてやる。二日酔いで帰りの運転ができないくらい飲んでやる~」
詩音さんの承諾を一応もらったので、俺と波音は早速神社巡りに行った。
神社巡りは4箇所くらい回ったのだが、どれもとても退屈だった。おみくじでは凶引いたし・・・ おみくじに付いてたお守りも、俺の嫌いな蛙だったし・・・
そんな神社巡りの後、俺たちはまっすぐ宿に帰ろうとした。しかし波音が適当に道を進んだせいで、完璧に迷子になった。そして知ってる道に出るまで適当に歩くことにした。
「リクリク、ごめんね・・・ 私がリクリクの言うとおり進んでたら、迷わなかったよね・・・」
波音が俯いてそんなことを言った。
「さあな、さすがにそこまではわからねえよ。 ただ、お前は楽しかったんだろ? それならそれでいいじゃねえか。 迷ったのはただ、俺の運が悪いからだ。」
「・・・・リクリク、どれだけ運がないの?」
「オレが知るか! 神様にでも聞きやがれ」
「う~ん、 あ! あんなところに神社あるよ。あそこで神様に聞いてみよう」
「ん? あ、本当にあるな、でも・・・ 汚いな」
「リクリク、ああいう古めかしいところにこそ神が宿るのかもよ? とりあえず行こ~う」
「ああ」
俺と波音はその古い神社に入った。境内は草が生い茂っていて、神社本体も老朽化がかなり進んでいた。
「どうして壊れないんだ? 蹴ったら壊れないかな?」
「壊さないでよ? えーと これが名前かな? 字がかすれて読めないよ・・・」
波音はそう言って、神社の賽銭箱の文字を読み取ろうと目を細めて見た。
「専鹿神社? 変な名前だね」
「いや、この削れてる部分があるから・・・ 博麗神社だな」
「へー そんな神社があったんだ~ あっ!!リクリク、今何か神社の中で動いたよ。 あれ神様? 捕まえよう」
「へ? な、波音バチ当たるぞ? その扉を開けるなーー!」
何かを見つけたらしい波音は、俺の袖を握ったまま神社の障子を開いて、何かが居た場所へ入った。中は真っ暗で一寸先も見えないほどだった。
「波音、戻るぞ これ以上は危険だ。」
「あとちょっと・・・」
バキッ ミシミシミシミシ ドン
「は? あ!」
「え!? え~~~~!!!!」
波音が踏んだ板あたりから嫌な音がしたと思った瞬間、俺たちの足元の床がなくなった。 そして、そのまま重力通りに落ちた。 何秒間か浮遊感が続いた、目を開けたが波音の姿も見えなかった。俺は何も考えずに目をつぶった。そしてそのまま何も感じなくなった。
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