「まず魔理沙と文に言っとくけど、さっきのあれは事故よ。人に言いふらしたりしたら容赦せずに退治するわよ。」
はじめに巫女服女は両隣の二人にこう言った。
そして、今の言い方でわかったが、右にいる魔法使いが魔理沙、左の山伏帽は文と言う名前らしい。
「霊夢さん、新聞記者は言葉の圧力には屈しませんよ? 私は清く正しい幻想郷のブン屋、射命丸文です。幻想郷全体に正しく、かつ面白いネタを広めるのが使命なのです。 つまり、霊夢さんの熱愛報道を伝えるのも私の義務です。 それに、もう見出しも考えてあるんですよ!」
左側の射命丸 文と名乗った少女は立ち上がり、そう言い放った。
「へぇ~、どんな見出しにしたんだ?」
今度は魔理沙と呼ばれていた少女が正座のまま射命丸に質問した。
「よく聞いてくれました魔理沙さん。見出しは『博麗の巫女に熱愛発覚!? 相手は人間の男!!』にして、内容は、霊夢さんが押し倒していたことをふまえて書きたいと思います。 どうですか?」
「う~ん、内容はいいんだが、見出しの人間の男は変えたほうが良くないか? もし、霊夢が人間以外の奴と交際してたら、そっちの方がよっぽど異変だぞ。」
「あ、そうですね。失念していました。 なら、これでどうです? 『博麗の巫女に熱愛発覚!? お相手は同年代の青年!!』これならいけます!!」
「いけるじゃないわよ! そんな新聞絶対に出させないわよ」
射命丸と魔理沙が二人で盛り上がっていると、横槍が入った。入れた人物はもちろん、巫女服女こと霊夢と呼ばれている人物だ。
「そもそも、コイツは今日始めて会ったのよ? それに、神社の床も壊されたの。怒ることはあっても、愛することは無いわよ。」
霊夢はいかにも心外そうな顔で俺を指差しながら、そう主張した。
「ふむふむ、つまり本人は熱愛を否定するんですね?」
「あたりまえでしょ?」
「なあ霊夢、そもそもコイツは何者なんだ? 見たところ里の人間じゃないだろ。 外来人なのか?」
「知らないわよ。さっきも言ったけど会ったばかりなの。 それに、床を壊されてそれどころじゃなかったし・・・」
「なあお前、いったい何者なんだ?」
魔理沙は俺のほうを見てそう尋ねた。 俺もさすがに名前を隠す気は無いのでここは素直に話すことにした。
「俺は水鏡 淕。 年齢は16歳、一応、東深見高校1年生だ。」
俺は自分のプロフィールを簡潔に言ってみた。
「水鏡?」
「文、どうかしたのか?」
「いえ、気のせいでしょう。 まあそれは置いといて、この話し方は絶対に外来人ですね。」
文は、名前に少し反応したが、興味はなさそうだった。
だが、俺の方はこの発言に少し気になるところがあったので、質問してみることにした。
「そっちも質問したんだし、こっちから質問してもいいよな? そのさっきから言ってる外来人っていうのは何だ? 外国から来た人ってわけじゃないんなよな?」
「そうね、説明してあげるわ。」
そう言ったのは霊夢だった。
「まず、外来人の説明の前に説明しなくちゃいけないことがあるわ。
外から来た人は大概信じないんだけど、ここは幻想郷というところなの。
幻想郷は、外の世界と結界で遮断されていて、外から幻想郷の存在を把握することはできないようになっているわ。
でも、稀にあなたみたいに外から結界を抜けて入ってきてしまう人がいるのよ。そういう人を外来人と呼んでいるの。」
霊夢は、この場所についてわかりやすく説明してくれた。
つまり要約するとあれだ、床が抜けて落ちた先は別世界だったわけだ・・・ 一体どこの不思議の国のアリスなんだろか。
「ここには危険な妖怪もたくさんいる。だけど、霊夢がお前を外に戻すことができるから、安心していいぞ」
「いや、別に帰るときのことは良いんだけど・・・」
そう、元から帰るときの心配はしていない。 だって、元の世界に戻る手段は最初から俺持っているのだから。
しかし、それでも1つだけ心配していることがあった。
「俺と同い年くらいの女の子見なかったか? 一緒に来てしまったかもしれないんだが・・・」
心配事とは、波音のことだ。 アイツは元の世界で床が抜け落ちたとき、確実に一緒にいた。だから、俺がここに来てしまったなら波音も来ている可能性があるのだ。
「女の子?知らないわね。 一応聞いておくけどその子の名前は?」
「名前は千島 波音。髪色は茶髪で、身長は霊夢さんと同じくらい。それから服装は、白っぽいTシャツにホットパンツ、靴は普通のスニーカーだった。」
「? 少しわからない言葉があるが、たぶんいるならすぐ見つかると思うぞ。 外来人の服装は珍しいからな。」
どうやら魔理沙の話から察するに、来ていたらすぐにわかるらしい。
くだらない疑問だが、巫女服や魔女の格好は珍しくないんだろうか?
「とりあえず、俺はどうやって探せばいいんだ?」
「そうね、とりあえずあなたは神社の周りを探しなさい。 で、魔理沙、あなたは里に行ってもらえる?」
「わかったぜ。」
どうやら、幻想郷にはちゃんとした集落があるらしい。
少し里に興味はあったが、今は言われたとおり神社の周りを捜索することにした。
俺が行動し始めると、魔理沙は始めて会った時のように、箒にまたがり空を飛んでいった。
それから、俺と霊夢は波音捜索をスタートさせた。
「あの・・・ 霊夢さん。私がすることあります?」
「あれ、文まだいたの?」
どうやら射命丸の扱いは、かなり雑らしい。
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次回は水鏡 淕の御家事情や、本人の事について取り上げていきます。
もっと文字数を増やせるようがんばります。