ダンジョンマスターになりました   作:饅頭怖い

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ダンジョンマスターの目覚め

 目が覚めると、そこは狭い石室だった。硬い石の上で寝ていたからか身体が少し痛む。

 

 天井は手を伸ばせば届きそうなほど低く、部屋の広さも3m四方ほど。窓も扉もなく、どうやってここに来たのか、まったく思い出せない。

 

 唯一、部屋の中央に置かれた緑色の立方体だけが異様な存在感を放っていた。

金属のような光沢を持ちながら、表面は液体のように揺らめいている。

 

 一つだけ確かなのは、この物体に関する知識を俺が持っていないことだけだ。

 

 

 「これは何なんだ?……他には何もないからな。仕方がないか」

 

 

 正体が分からない物に近づくほど警戒心がないわけではないが、他に目ぼしい物はなく自分の持ち物もない状態だ。この部屋に存在するものは、自分と正体不明の物体のみ。

 

 ゆっくりと立方体に近づいて観察してみる。近づいても立方体に変化はない。表面を流動させながら緑色に発光しているだけだ。そのまま数分ほど観察してみてもそれ以上の情報は得られない。

 

 このまま観察するだけでは何も変わらないと判断して触ってみることにした。物なのか、生物なのかも分からない不思議な立方体に手を伸ばすと、指が触れた瞬間に立方体に変化が起きた。

 

 流動が激しくなり、グネグネと形が変化する。立方体と呼べる形ではなくなった物体は、大きなアメーバのような不定形な形になり、激しく光を放ち始めた。

 

 

 「この光……。やっぱり触るのはマズかったか!?」

 

 

 強い光に目を閉じてしまいそうになるが、こんな謎の物体の前で視界を失うのはリスクが大きい。顔の前を腕で覆って目に入る光を遮る。もちろん視界も遮られるが目を閉じるよりはマシだ。

 

 グネグネと形を変えていた物体はあるものに形を変えて固定化された。激しい光も落ち着き、形を変えた"元"立方体を直視出来るようになった。

 

 立方体が変化したものは自分がよく知っている物だった。机とパソコンだ。

 

 机の上にノートパソコンが置かれていて、パソコンにはマウスが繋がっている。

 

 そして、何よりも目を引くのがパソコンの画面だ。パソコンは画面が開き、電源が入っている。画面の中央には【ダンジョンマスター講座】と表示されていた。

 

 

 「パソコン……だよな?それに、ダンジョンマスター講座?」

 

 

 どうやらPowerPointのようなもので資料が作られているみたいだ。資料のタイトルが【ダンジョンマスター講座】になっている。

 

 ……これはあれだな。夢オチor異世界転生的なあれだ。しかもダンジョン運営的なやつだ。なろう小説を読み漁ってきた俺の知識が、今の現状を薄々察してきている。とりあえず夢オチを予期しながらも非日常への旅立ちを期待している自分がいる。

 

 少しだけワクワクしながらパソコンを操作して、【ダンジョンマスター講座】を読み始める。

 

 ダンジョンマスターに変質したことで、人間性を失った自覚もないままに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なるほどな。大体は分かった。」

 

 

 

 【ダンジョンマスター講座】を読み始めて1時間ほど経っただろうか。全ての資料を見ることで自分が置かれている状況を理解した。

 

 まず、この部屋はダンジョンの最奥にあるダンジョンコアがある部屋だということ。先程の立方体がダンジョンコアだ。

 

 ダンジョンコアは最初に触れたものを"契約者"、ダンジョンマスターにしてしまう。つまり俺だな。

 

 ダンジョンコアは契約したダンジョンマスターに、ダンジョンの運営に必要な知識を与えてくれる。俺が日常的にパソコンを使っていたから、見やすいようにパソコンの形になってくれたみたいだ。

 

 そして、ダンジョンコアとの契約についてだが、ダンジョンマスターは、ダンジョンコアを破壊されない限り不滅の存在になる。他にも、ダンジョンコアに蓄積された力、ダンジョンポイント(DP)を使用してダンジョンの編集を行う権利が与えられる。

 

 そのかわり、ダンジョンコアが破壊された場合は、ダンジョンコアと共に滅びる運命共同体になる。つまり、言い方を変えれば永遠にダンジョンに縛られることになる。

 

 

 「それにしても、俺がこの場所で目覚めた理由は分からないな。このダンジョン異世界にあるっぽいし。記憶がないだけで神様とでも会ったのか?」

 

 

 よくある神様転生かと思考を巡らせてみるが、自分の部屋で寝た記憶しか出てこない。トラックに引かれた記憶もない。

 

 自分がどうやってこのダンジョンに来たのか思考を巡らせるが答えは出ない。まあ、今となってはそれほど重要なことではない。重要なのはダンジョンマスターになってしまった事実のみ。

 

 

 「ダンジョン運営ものは好きだったしやってみるか。好きなんだよなー、シミュレーションゲーム」

 

 

 とりあえず、自分を守るためにダンジョンを作らなければならない。如何なる存在をも阻むダンジョンを。

 

 

 

 

 ダンジョンコアから手に入れた情報だと、ダンジョンの作成にはルールが存在する。

 

・階層の広さは最大で10km×10kmの正方形

 

・一つの階層に設置できる部屋は10部屋まで(コアのある部屋は含めない)

 

・一つの階層に対して設置できる同じ種類の部屋は三部屋まで

 

・部屋の広さは自由だが最大でも階層と同じ広さのものしか作れない

 

・階層には必ず休憩のできる安全な部屋を一つ作らなければならない

 

・通路の長さは最大で1㎞×1㎞の正方形

 

・部屋には魔物を配置できるが配置数には制限がある

 

・通路には罠を配置できるが配置数には制限がある

 

・階層の追加は無制限。階層が増えるたびに、追加に必要なダンジョンポイントは莫大に増える

 

・階層間を繋ぐ階段の長さは500mまで

 

・ダンジョンコアの部屋とダンジョンの入り口は繋がっている必要がある

 

・各部屋はコア部屋と繋がっていないと正常に機能しない

 

・ダンジョンコアには定期的にダンジョンポイントを捧げなければならない。(捧げる量は階層の数で変化する)

 

・ダンジョンポイントは規定時間以上滞在した侵入者の脱出、あるいは侵入者を殺害することで入手可能

 

・ダンジョンからの脱出を不可能にするような妨害はできない

 

 

 

 要するにーー

・無限に広げるのは禁止

・物量作戦も禁止

・コアを隔離した無敵化も禁止

・定期的に侵入者を迎えないとDPが枯れる

 

……なるほど。逃げも隠れもできないわけだ。

 

 

 誰がこのルールを考えたのか知らないが、中々考えられている。侵入者を定期的に招くために、侵入者にとってメリットのあるダンジョンにしなければならないし、部屋、通路、階段、魔物、罠の設置に制限があるため邪道なダンジョンを作りづらい。

 

 

 「なんにせよ、死なないために堅実なダンジョンを目指すか」

 

 

 実際にダンジョンを作成していこうと思う。ダンジョンの作成はパソコンの中にあるダンジョンメニューというもので作成するみたいだ。起動してメニューを確認してみる。

 

 メニューはこんな感じになっている。

 

 

 

所持ダンジョンポイント(DP) 10000DP

 

 

所持アイテム 

・ガチャチケット   3枚

・レアガチャチケット 0枚

 

 

・階層

 新たな一層目の追加     5000DP

 二層目の追加         5000DP

 

 

・部屋          

 部屋の追加            0DP

 戦闘部屋の追加         500DP

 ボス部屋の追加         1000DP

 監禁部屋の追加         300DP

 瘴気部屋の追加         300DP

 財宝部屋の追加         300DP

 休憩部屋の追加          0DP

 コア部屋の改造          0DP

 

 

・通路

 通路の追加            0DP

 階段の追加            0DP

 

 

・罠

 Eランク             300DP

 Dランク             1000DP

 Cランク             3000DP

 Bランク             5000DP

 Aランク             10000DP

 

 

・魔物

 Fランク             100DP

 Eランク             500DP

 Dランク             2000DP

 

 

・実績           報酬

 ダンジョン開放     レアガチャチケット1枚

 侵入者10人討伐     10000DP

 生存10日達成      ガチャチケット1枚

 …etc 

 

 

 

 所持DPは10000DPとなっている。これが多いのか少ないのかは分からないが大切にしていきたい。とりあえずDPに余裕ができるまでは階層の追加はしなくてもいいだろう。今のポイントの半分は代償が大き過ぎる。

 

 二層目の追加はそのまま階層が増えるだけだが、新たな一層目の追加というのは縦軸ではなく横軸にダンジョンを広げられるみたいだ。ダンジョンの入口も増えるらしい。

 

 

 部屋についてだが、ただの部屋は何の効果もないただの部屋だ。魔物を設置することができる。設置できる数は全部屋共通(例外の部屋もあり)で一部屋につき10体だ。設置数の上限はDPを使用することで増やすことが出来るが、増やせば増やすほど消費DPは増えていく。

 

 戦闘部屋は設置した魔物を強化してくれる部屋だ。特に低ランクの魔物ほど強化率が高くなっている。弱い魔物でもある程度は戦えるようにするためだろう。

 

 ボス部屋は魔物を1体しか設置できない部屋だ。その代わり、設置した魔物を超強化する効果がある。

 

 監禁部屋は捕らえた侵入者を監禁する部屋だ。この部屋にいる捕虜からは定期的にDPを獲得できる。さらに、捕虜を服従させる、あるいは親密度を上げることで捕虜を自分の支配下に置くことができる。支配下においた捕虜は”魔人”になり、優秀な手駒として活躍してくれるみたいだ。

 

 一部屋に監禁できる人数は3人までだ。看守として魔物を3体設置でき、看守が死亡した場合は捕虜に逃げられる。DPで捕虜の上限を増やせるが看守の上限は増やせない。一部屋に捕虜を詰め込みすぎると一度に大脱走されてしまう可能性がある。

 

 瘴気部屋は魔物を強化し、侵入者を弱体化させる瘴気を発生させる部屋だ。隣接した部屋全てに効果があるので効果はあまり高くない。戦闘部屋やボス部屋の魔物を更に強化することもできるが、この部屋には魔物を設置できない。

 

 財宝部屋は部屋の中心に宝箱がある部屋だ。宝箱の中には時間経過で財宝が溜まり、溜まった財宝の量で宝箱の色が変化する。財宝は侵入者に持ち帰らせても良いし、ダンジョンマスターが回収しても良い。DPで魔物の設置数の上限を増やすことはできないが、宝箱の数を増やすことが出来る。設置出来る魔物の数は3体だ。

 

 コア部屋の改造は部屋の広さを変えたり、家具とかを設置できるみたいだ。とりあえず部屋を広げておいた。狭かったからな。ちょっと広めのリビング程度に広げて家具も色々設置した。

 

 

 次に通路についてだが、通路と階段を設置することが出来る。通路と階段の長さに制限があるためか0DPで設置できるみたいだ。通路に設置できる罠は1個だけ。もちろんDPを使用して上限を増やすことは可能だ。しかし、階段には罠が設置できないようになっている。階段の上から大岩が転がってくるやつとかやってみたかったんだが残念だ。

 

 

 罠と魔物についてだが、数が多いのでランクのみが表示されている。あとで使えそうなやつをピックアップしていこう。魔物はDランクまでは作成出来るが、Cランク以上は自分で魔物を強化するか、強い侵入者を魔人にする必要があるみたいだ。

 

 

 最後に実績だが、実績を達成するたびに報酬を獲得できるみたいだ。まるでソシャゲだな。そして、この項目を見て神様転生を確信した。理由はダンジョンコアが報酬を用意するわけない。どう考えても上位存在からの報酬だからだ。

 

 

 だが、そんなことはどうでも良い。問題はレアガチャチケットなる報酬のことだ。

 

 

 「レアガチャチケット」

 

 

 思わず声に出してしまったが、とても魅力的な響きだ。

 

 頭の中でリセマラと課金という言葉が反響している。

 

 話が逸れたが、最初からガチャチケットを3枚持っているな。普通のガチャチケットはD、Cランクの魔物を、レアガチャチケットはC、Bランクの魔物を召喚できるみたいだ。

 

 どんな魔物が出るのか不明なら最初に引くべきだな。出た魔物によってダンジョンの方針も考えることができるしな。

 

 

 「じゃあ早速引いてみるか!」

 

 

 パソコンのアイテム欄からガチャチケットを選択して引いてみる。

 

 その瞬間、目の前に魔法陣が広がる。魔法陣は段々と大きくなり銀色の光を放つ。

 

 どんな魔物が出るのか楽しみだ。……サキュバスとか来てくれないかな。

 

 光が収まると、そこには1体の魔物がいた。黒いボロボロのローブを纏った、骸骨のようにガリガリの少女ゾンビだ。

 

 

 ……いや、怖っ!

 

 

 赤く光る眼窩。身体から漂う黒い霧。どう見てもホラー映画の住人だ。

 

 その魔物は動いたかと思うと俺の前に跪いた。どうやら敬ってはくれるみたいだ……。

 

 

 ……顔が怖すぎて漏らしそうになった。あまりにもホラー過ぎる……。

 

 俺はサキュバスと出会ってメチャクチャにされたかっただけなのに……どうして腐った死体なんだ!

 

 

 とりあえず危険はないようなので2回目のガチャを引く。

 

 さっきと同じように銀色の魔法陣が展開される。しかし、視界にゾンビを入れたくないため顔を上げることが出来ない。……しょうがねーだろ!怖いんだからっ!!!

 

 頭の中で誰かに対して言い訳していると「グギャグギャ」と品のない鳴き声がしたので顔を上げる。

 

 顔を上げると、少女ゾンビの横に体格の良い緑色の化物がいた。体長3m近い筋肉隆々の人型だ。マントを広げ、王冠をかぶっている。王様っぽい装いだが、品を感じさせない声と醜悪な顔立ち。間違いなく物語の定番キャラのゴブリンだな。

 

 こいつも少女ゾンビと同様に跪いて待機している。まあ、こうして見るとゾンビよりはマシだな。まだ生物してるし、こちらに友好的な態度だからペット的な愛着も持てるような持てないような……。

 

 

 悪い……やっぱ持てねーわ……。

 

 

 現実から目を逸らしながら3回目のガチャを引く。そろそろ可愛らしい魔物が出てほしいところだ。今のところ圧力が凄いのしか出てきてない。これ以上は吐く。

 

 見慣れた魔法陣が展開されるが今度は魔法陣の色が銅色だ。銀色の時よりも弱い光が収まると小さな小悪魔が現れた。身長は90㎝くらいだろうか。桃色の髪に真っ白な肌、黒色のベビードールのような服を着ている。頭には小さな角が2本生えていて、背中には蝙蝠のような小さな羽、腰からは小さな尻尾が出ている。顔立ちはまあまあ美少女で将来が楽しみな子だ。

 

 

 俺はロリコンではないので微妙だが、女の子を引けたから勝ちで良いよね!!(1勝2敗)

 

 

 さて、ガチャを引き終わったしダンジョン作るか。精神を安定させるために小悪魔を抱きしめる。

抱きしめた小悪魔が、ギュッと抱きしめ返してくれた。小悪魔の体温を感じながらパソコンを操作する。

 

 一通りメニューを確認したわけだが、レアガチャチケットでC、Bランク以上のモンスターが入手可能なため、ボス部屋は一つは欲しい。財宝部屋と監禁部屋、瘴気部屋、休憩部屋は最初は一つでいいだろう。あとの部屋は上限まで戦闘部屋にして残りは普通の部屋にする。Fランクの魔物でも戦闘部屋に設置するのであれば多少は役に立つだろうからな。戦闘部屋は最大まで設置したい。

 

 今のところの消費ポイントは部屋だけで3400DP。通路はただの通路にしたから0DPだ。

 

 ここから魔物と罠を設置していくわけだが、最初は魔物をメインに設置する。理由としては効果的な罠の設置の仕方が分からないのと、魔物の方が安心感があるからだ。思いもよらない方法で回避されたら罠は意味ないからな。

 

 設置可能な魔物数は57体だな。だが、DPが足りないので全ての場所に魔物は設置できない。戦闘部屋に優先して魔物を設置していく。

 

 召喚した魔物3体と、Fランク23体、Eランク3体、Dランク1体を作成して設置したので、合計で5800DPを消費した。

 

 残りDPが800DPなので、300DPを使って通路にEランク罠の”落とし穴”を1個設置して俺のダンジョンは完成した。残ったDPは500DP。

 

 これが完成図だ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 まずは入口のすぐそばに休憩部屋を設置した。できるだけ休憩部屋の恩恵を下げるためだ。え?ボス戦前に休憩させろ?現実はそんなに甘くねーよ!

 

 部屋A、Bには何も設置していない。DPが足りなかったんや、いつか捕虜を捕らえたら監禁部屋の防衛のために設置するから待ってろ。

 

 監禁部屋も同じく何も設置していない。捕虜がいないのに看守を置いてもリソースの無駄だ。捕虜が出来たら置くことにする。あと、捕虜を逃がさないようにするなら、コア部屋付近においた方が防衛できると思ったが、捕虜奪還のために強い侵入者が来た時に、コア部屋を攻略されたら終わりだからあえて別のルートに置いた。人を探す魔法とかあるかもしれないからな。防衛が整うまでは全部を守るのは諦める。

 

 

 休憩部屋と部屋Aを繋ぐ通路には落とし穴を設置した。流石に左側に何もないのは味気ないからな。罠の有効性を確認するための投資として設置した。これは帰りに発動するように二回通ると発動するようになっている。行きは警戒しているかもしれないが、何もなかった通路を戻るのに警戒する奴は少ないと考えたからだ。

 

 

 戦闘部屋CにはFランクのスライム7体とマタンゴ3体を設置した。スライムは耐久性に優れた魔物で、マタンゴは毒と麻痺の状態異常攻撃をするキノコだ。ダンジョン内で倒された魔物は一定時間後に復活するみたいなので、侵入者を疲れさせるための肉壁だな。

 

 特に、スライムは耐久力に優れ、敵を拘束するのが得意だ。倒されたときに爆発して、相手に粘液をぶっかけるスキルを持っているため、敵を疲れさせるのに最適な魔物だろう。スライムの粘液で疲弊させ、マタンゴの攻撃で状態異常を狙う構成だ。ここが防衛のための最初の部屋だから相手を弱らせることを目的にしている。

 

 

 戦闘部屋BはFランクだけではなく、Cランクのデス(召喚した少女ゾンビ)1体、Eランクのワイトを3体設置している。

 

 デスは高い知能を持っていて、中級の攻撃魔法や毒の霧を吐き出す強力なアンデッドだ。さらに、名前の通りに即死攻撃も使用することができる。

 

 ワイトは下級の攻撃魔法を操るゾンビ型のアンデッドだ。しかし、知能はそれほど高くないので、デスを指揮官にしてコントロールしている。

 

 それと、Fランクもスライムやマタンゴではなくゴブリンを6体設置した。デスもワイトも魔法使いなので、近接役として設置したのだ。ゴブリンが足止めしてデスが率いるワイトが敵を倒す構成だ。瘴気部屋の効果で更に魔物が強化されるので中々期待している部屋だ。

 

 

 戦闘部屋AはCランク1体、Dランク2体、Fランク7体を設置した。一応ボス部屋が控えているが、この部屋が防衛の最終地点だと思って作った部屋だ。

 

 Cランクは召喚したゴブリンキングだ。Dランクは召喚した小悪魔と、作成したゴブリンナイトで、ランクFはゴブリンを7体設置した。

 

 ゴブリンキングは配下のゴブリン族を強化・進化させる種族スキルを持っている。そのため、設置したゴブリン達はEランクのホブゴブリンに進化している。ホブゴブリンはゴブリンより一回り大きく知能も高いため、個体によっては武器や魔法を扱えるものもいる。

 

 Dランクのゴブリンナイトは、より強力なDランクのゴブリンロイヤルナイトに進化してしている。

騎士というにはみすぼらしい武装だったが、今では騎士風の装備で身を固めていて、王を守護する立派な騎士に見える。

 

 あとゴブリンキング自体がCランクなだけあって普通に強い。召喚したときは外れだと思ったが、ダンジョンの防衛的には大当たりだった。少なくとも現在のダンジョン内では最強の魔物だ。

 

 だが、デスや小悪魔にも優れた部分がある。デスはその優れた知能でワイトを統率しているし、中級の攻撃魔法の威力も中々凄まじい。

小悪魔も相手の心を乱す精神攻撃や、空を飛んで空中から攻撃魔法を放つことで、ゴブリンたちのサポート役が期待できる。空を飛べる奴は強い。

 

 

 最後に財宝部屋とボス部屋には何も設置していない。ボスはこれからレアガチャで引くし、財宝部屋は魔物への恩恵がないため、魔物を設置しようとは思わなかった。ポイントも足りないしな。財宝は何が出るか知らんが、戦闘に有利になりそうなものが出るなら、最初は自分達で消費することになりそうだな。

 

 

 以上が俺の作ったダンジョンの全てだ。

 

 

「初めてにしては中々良い感じじゃないか。ガチャでゴブリンキングを引けたのが良いな。引いた当初は外れ枠だと思ってたんだが……魔物は見た目だけじゃないな。まあ、可愛い方が良いけど」

 

 

 小悪魔、デス、ゴブリンキングを配置につけて、ダンジョンの最終確認を行う。……問題はなさそうだ。

 

 

「じゃあ、開放するか。どんな侵入者が来るのか楽しみだ!」

 

 

 どんな侵入者が来ても撃退できる気がする。そう思いながら俺はダンジョンを開放したのだった。

 

 

 

 

 

 そして、ダンジョンを開放した瞬間、パソコンから通知音が聞こえた。

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

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