サブタイトル6話から読んでください
これから毎週週末に出せるように頑張ります
桐山らとの通話が終わった後スマホのマップと睨めっこしながら急いで登校して、自分の靴箱と間違えないように稲葉の靴箱から上履きを取りだし履き替えて昨日訪れた文化研究部の部室に向かう。
朝っぱらから部室棟の階段4階分登るの?ふぇ〜もう…。しんどいよぅ……。
そう泣きそうになりながらえっちらおっちらと階段を登り部室に着くとそこにはすでに八重樫、永瀬、桐山【青木ボディ】、青木【俺ボディ】がいた。残りは稲葉【桐山ボディ】だけか
するとおそらく入れ替わって無いコンビの片割れの八重樫に声をかけられる
「えーと、おはよう。桐山らから聞いたんだけど稲葉の見た目の中身比企谷で良いんだよな?」
「ああ、俺は比企谷だ。おはよう。桐山から説明受けたのか?」
「うん、唯倒れる寸前の満身創痍で部室に入ってきたと思ったら、青木の身体になった事による悲痛な叫びと比企谷への羨ましいさと妬みを含んだ叫びで説明してくれたよ……。それは一種の芸術作品に見えたな……」
もう1人の片割れの永瀬が遠い目をしながら語ってくれた。その桐山は青木の姿で糸の切れた人形の様に机に突っ伏して寝込んでいる。
朝から叫びすぎてだいぶカロリーを使いこんだのだろう。お疲れ様です。
そしてしばらくするとバタンッ!!と大きな物音を立てて最後のメンバーぎ部室に到着した。はぁ、はぁと肩で息をしている。
走ってきて息が乱れているのか、この摩訶不思議非現実的な現状をまだ飲み込めずに乱れているのか、細い首をこくんと動かして唾を飲み込んでからその人物稲葉【桐山ボディ】は俺たちを見渡してまずは謝罪し叫んだ
「お前ら昨日は疑ってすまなかったな……。本当に入れ替わってたんだな……っ!!わ、わたし【唯】になっちまった!!!本当にどう言うことだぁぁぁ!!!?」
その叫び声が文研部の部室に響き渡る
「こういう」
「パターンも」
「あるんだね……」
入れ替わってないコンビがリズム良く言った。
いまだに終わらないこの桐山の人格が青木の身体に、青木の人格は俺の身体に、俺の人格は稲葉の身体に、稲葉の身体は桐山の身体に移り変わると言うまさかの緊急事態発生に文研部メンバー➕俺の全会一致で1時間目の集団サボりが決議されたのであった。
入れ替わってない八重樫と永瀬は巻き込んでごめんね?あとそろそろ桐山さんは不貞寝せずに起きなさい。
その後2時間目の途中に人格入れ替わりが終わり3時間目から出席をした後の昼休み。俺と永瀬と稲葉と八重樫は担任の後藤先生に呼び出しをくらった。
まあ集団で無断欠席したのだ当たり前の流れである。
そんな俺たち4人を周りに立たせて我らが1年3組担任、担当科目物理の教師後藤龍善は学内の食堂から職員室まで出前させた丼鉢のラップをペリペリと剥がす。昼飯は蕎麦らしい
高校きてからずっと小町からの愛妹弁当を人気のない所で食ってたから知らなかったけど学内出前なんてあるのね?珍しい
これ俺が見つけたベストプレイスまで届けてくれるのかしら?
いや他人にはベストプレイス見つけて欲しくないからやらんけど
「うん、まあ、アレだ。別に必要ないと思うんだが俺も体面があるしな。一応事情聴取してるポーズは取らせてくれよ。あ、俺は飯食うぞ。蕎麦だからな蕎麦。伸びたらうまくないもん」
そう汁の香りを漂わせながらすすりだす。
「わたしもお腹へったな……」
そう小声で呟く永瀬に内心同意しながら俺も早く小町特製弁当を食べたいと思い腹をさすった。
「ズズ……。あ"〜……。まあ、普段真面目な3人とやっと昨日追試が終わった比企谷がわざとサボるような事をしないと思うから気になるっちゃ気になるんだが……ごはっ!ゴボッ、ゴホッ!……あ〜咽せた。つか熱いもの食べる時って一口目ってからなず咽せるよな?え、みんなは違うの?」
「さっさと用件をすませろ、後藤」
「あ〜。稲葉。何度も繰り返すが俺はフランクで親しみやすい教師を目指しているから生徒達にも『ごっさん』呼びを許してさせているが、呼び捨てを許した覚えは無いぞ?」
「そんな偉そうなこと言うのは、きちんと自分の仕事を全うしてからにしろ。文化祭でクラスの会計処理が期限までに終わらなくてわたしに泣きついた結果、期限に間に合わせてやったのは誰だ?後藤?」
「あ、いや、その節は大変お世話になりまして稲葉さん、ははは。……後できればそのことはあんまり他の先生がいる所では言わないでいただけると……」
フランクで友達感覚すぎる所は他の生徒からも人気がある先生だが、今回の事情聴取しかり、お金関係の事を生徒に丸投げするところは少し教育者として問題アリな気がするな
まあ今回の事情聴取については適当に流してくれた方が俺たちは助かるが……
きゅ〜と可愛いらしいお腹のなる声が永瀬から聞こえた。横目で見ると恥ずかしそうに頬を赤ながら小さくペロリと下を出していた。
あざとい行動なのに絵になるな美少女ってほんと特ね。桐山が入れ替わる事に躍起になってるのもわかる気がする。
なった際の反動エグそうだな
「あ、コホン。で何だっけ?あ、そうそう結局お前ら何してたんだ?青木と桐山のやつも1、2時間目サボりからの3時間目から出席じゃ無いか。文研部5人全員が同じことしてるし顧問としてこれは由々しき事態だぞ……的な感じで一応それらしく言っておこう。で、比企谷はどうしたんだ?」
「なんということはない。昨日6人で食べた6個いりミニチョコチップパンが腐ってて全員腹を壊して遅刻した。ただそれだけだ」
稲葉は事務的な口調できっぱりと答えた。ちなみに入れ替わりが戻るまでにここまでの言い訳のカバーストーリーは桐山らと打ち合わせしてある。
俺たちは余計な事を喋るなと緘口令がしかれている。
「それって青木と桐山に聞いても同じ答えが返ってくる?今、1組の平田先生に呼ばれてたみたいだけど」
「もちろん」
あっちは桐山が何とか説明しているがボロが出ないか……青木頼むから余計なことはすんなよ
「ふむふむ」と後藤先生は蕎麦を咀嚼しながら何かを思案するようにしてしばらく視線を空中に彷徨わせた。
「じゃあなんでその場に比企谷もその場にいたんだ?比企谷は部外者のはずだろ?」
「それはこいつが昨日追試テスト返却された後太一と伊織とバッタリであったらしくてな。まだ部活が決まって無いからって言うから見学がてら伊織が連れてきたんだ」
「ほうほう」
「でまあ、せっかく来たんだ、もてなそうとしたんだがあいにくその部室にあったのがさっき言ったチョコチップパンしかなくてな。若干怪しかったがまあもてなしの場って事で全員で食べたんだよ。その結果がこれだ」
これも先ほど決めたストーリーである。どうしても俺がいるのは不自然だったからな。ちょうど我が家でも同じような言い訳使ったし
「ふーん。まあそれを嘘だお証明することはできんわけだし、お前らがそうだと言うならそう言うことにしておこう。もう行っていいぞ」
後藤先生は持っていた箸でくいっと出口の方を示した。すでに桐山達の姿はなくあちらもどうやらうまいこと誤魔化せたらしい
色々とガバはある説明だったんだがな。俺たちが登校してる姿を見てる生徒もいるはずだし
あ、そうだ出る前に俺個人の要件を済ませておこう
「すみません後藤先生」
「お、どうした比企谷?」
「入部届けをくれませか?」
「お、あれ?あ、そういやさっきお前まだ部活入って無いって言ってたな。入る部活決まってるのか?」
「はい。俺も文化研究部に入ろうと思っています」
「へっへっへ〜。そうだよ〜わたしが昨日勧誘しました〜。新しい部員ゲットだぜぇ〜」
これも入れ替わりが終わるまでの待ち時間で決めた事だ。
今現在、この摩訶不思議非現実現象は文化研究部➕俺の中で起こってるし、今後も文研部の面々と行動する際同じ部活にいた方が不自然さはないだろうと言う事になった。
俺も部活のこだわりはなかったしまあ、仕方ない。結局昨日の永瀬の誘われたのを受け入れた形になっちまったな。
「そっかそっか。比企谷にも友達できて良かったよ。よし入部届けは良いや。この場で部員の名簿に名前追加しとくわ」
「ええ……。親の了承とかいらないんですか?」
まじで適当はがない?この部活。さっきの時間暇つぶしで聞いた誕生秘話もひどかったし
「いらないいらない。別に危険なことするような部活じゃないし。いや〜それにしても忘れてたよ。新一年生は全員とりあえずどこかの部活に入れないと上からドヤさせるからなぁ。バレる前で良かったって……ん……?あれ?」
「ん?どうかしたんですか?」
そうパソコンの画面を見ながら首を傾げている後藤先生の後ろから俺も画面を覗く
そこには文化研究部の名前と顧問の名前の後藤龍善
そして部員の名前
稲葉姫子 八重樫太一 永瀬伊織 桐山唯 青木善文
その青木の後に
【比企谷八幡】
とあった。 は?
それを見た後藤先生が気まずそうにこちらを向きながら言う
「そ、そういえば忘れてた。お前が意識取り戻した連絡があった後に部活だけでも早く決めろって上から急かされてとりあえず文研部に入れてたんだったわ」
ははは。と笑いながら言う後藤先生。
と言うことはつまり
ずっと俺➕文化研究部の中で起きていたこの人格入れ替わりの摩訶不思議非現実現象は唯の文化研究部内での現象だと言う事だ
昨日永瀬が言ってた通り勝手に入部させられてるやないかい……
今回は理由が理由だから受け入れるけど普通の時なら拒否してるかもしれんぞ
良かったのか…?やっぱいい加減だなこの人……。
その後気まずい空気が流れた後ゴホンと後藤先生が
「次、集団でサボりなりする時は、あんまり目立たないようにな」と
あ、やっぱサボりって認識はしてるのね。これに生徒に理解があるかと言うのか、ただ良い加減なだけかと言うかは意見がそれぞれ別れそうな所である。
まあ今回は見逃してくれるって言うんだしありがたく思おう。
これ以上いたらせっかく終わった追及がまた始まるかもしれないので稲葉の号令のもと職員室から撤収する。
「いやーまさか昨日わたしが言ってた通りにすでに文研部の部員だったなんてね〜」
「ほんとびっくりだよ。これでこの人格入れ替わりがこの部活内で起こってる現象である確率は上がったな。学校全体じゃなくて良かったのか悪かったのか……」
ぼっちの俺が、高校で最初に所属した集団が、まさか超常現象の被害者の集まりになるとは思わなかった。
そう永瀬と話しているとここまで完全に稲葉の言いつけを守りカカシとなっていた八重樫が口を開いた
「それもそうだけど、稲葉よくもまあアレだけ堂々と嘘をつけるもんだな」
「ああ、前準備をしていたとはいえ真っ赤な嘘をつきながら、あそこまで傲岸不遜な態度をとれるんだからな」
「末は詐欺師か当たり屋って感じだねぇ」
「お前ら褒める気がないんなら止めろ!!」
俺たち3人で稲葉論評をしていると当の本人の稲葉から横やりが入った
「え、褒め気満々だよ?」
「ちょっとマジなトーンじゃねえか……」
あ、永瀬のマジトーンに稲葉若干落ち込むが稲葉は切り替えて話し出した
「比企谷が元々この部活にいたって事で全校生徒で入れ替わりが起こってるって線は薄くなったな。もしそうだったらわたし達の入れ替わり現象は目立たなくなる利点さあったがなあ。まあ公で大騒ぎになるくらいならわたしたち6人で収まるほうが良いのか?」
「もし全校生徒ならテレビ局どころか国の研究機関まで来そうだな。」
「わたしたちが気をつけていれば実害は無さそうだしねぇ〜」
「ああ、そうっ……!」
そう4人で話していると急に八重樫の様子がおかしくなった。言葉の途中で止まりキョロキョロとこちらを見ている
「あれ?稲葉、比企谷、『伊織』なんで?」
その八重樫は永瀬のことをそう呼んだ。
「お前まさか『唯』か?」
稲葉がそう言うと八重樫が頷く。またもや到達に起こった人格が入れ替わる現象。
俺たちは少しパニックになっている桐山(in八重樫ボディ)を連れてその場をから離れて八重樫の携帯から桐山の携帯に掛けたところで八重樫の人格が帰ってきた。この間三分少しのことだった。
気のせいだと思いたいが実害は段々と迫りつつあるのか……?