感想で好意的な物をいただいているのでそれがモチベーションになってます
ありがとうございます
自分の事を《ふうせんかずら》と名乗った後藤先生が部室には入ってきてからしばらくして、稲葉の号令の元文研部6人で円陣を組み話し始めた
「でだ。あたしは奴が後藤本人で、部室に入る前に盗み聞きしていてあたしたちを揶揄うために演技してるって線がまだ消えてないんだがお前らはどう思う?」
と、まだあれが後藤先生説である事をおす稲葉
「稲葉ん。気持ちはわかるけどあれはごっさんじゃ無いと思うよ。不気味すぎるし」
時折冷たい目線を黒板にボーとしながら眺める後藤先生の姿を向ける永瀬がいう。
「ちっ……。とりあえずあいつが後藤のおふざけじゃないかどうかは確定させるか……」
そう言い、稲葉は後藤先生…《ふうせんかずら》に向かい合い話出した。
「おい後藤。……お前が本当に後藤じゃないってのなら証拠を見せてもらおうか?」
「……いや。だからぼくはその後藤さんって人じゃ無いですって……。どうすれば信じてくれます……?」
《ふうせんかずら》は後藤先生の姿で困ったような仕草をした。
「なに簡単だ。お前が後藤じゃなくて、このクソみたいな現象を起こしてるってなら今この場でその現象を起こしてみせろよ。後藤じゃないならできるはずだろ?できないならお前を後藤とみなしてしばく」
血の気多いね稲葉さん
「……それの指示にぼくが従う筋合いあります……?仕方ありませんねぇ……今回は初回なので特別ですよ……。」
はあ《ふうせんかずら》は大きく一つため息をついた
「……答える義務は無いんですけどねぇ……。まあ隠してるわけでは無いですし……。わかりやすくするためにいきますよ……はい」
《ふうせんかずら》は一度だけ眠そうな目を細めた。
「じゃあ証明しますねぇ……」
パン。
《ふうせんかずら》が力を込める様子もなく、ただ気怠そうに一度だけ手を打った。
その乾いた音が部室に響いた瞬間だった。
「……っ!?」
永瀬と稲葉の身体がぐらりと揺れ、その瞳の色が一瞬で変わる。
「……っ!?クソッ!!手を叩いた瞬間入れ替わりやがった!?」
永瀬の身体で悪態をつくおそらく稲葉。
「……もう1つ、ぱちんと……」
すると次は青木から絶叫が聞こえた
「……っ!!?だから何でわたしは青木と入れ替わるのよ!!!ちょっとあんたわざとやってる!!!?いい加減にしなさいよ!!!」
「ええ……唯……そんなに俺と入れ替わるの嫌……?」
絶叫する青木……桐山を見て悲しそうにする青木(見た目桐山)
「……では最後に……はい」
そういうと一瞬で視界が変わった。目線はあまり変わっていないが、視界には俺の顔が写ったどうやら八重樫と入れ替わってるらしい
「?……おい誰か入れ替わったか?」
「あ、すまん。あんまり違和感無かったから気づくの遅れた。どうやら俺と比企谷が入れ替わってるっぽい」
「おい!こら太一もう少しリアクションしろや!」
「……そうですよ。永瀬さん……あ、見た目だけで人格は稲葉さんですか……ややこしい……。彼女の言う通りですよ。ぼく失敗したかと思ったじゃ無いですか……。じゃあ戻しますね……。はい……。はあ疲れた……。」
そう気怠そうに《ふうせんかずら》が言った、その瞬間だった。
手を叩くこともなく、視界が再び切り替わる。
さっきまで俺の身体で見ていた視界だ。周りを見るとどうやらみんな元に戻ったらしい
……少なくとも、もう「後藤先生の悪ふざけ」で片付けられる話ではなくなった。
認めたくはないが、目の前にいるのは俺たちとは別の”何か”だ。
誰も口を開かなかった。
さっきまで残っていた「後藤先生がふざけているだけかもしれない」という可能性は、その一連の実演で綺麗さっぱり吹き飛んでいた。
「人格入れ替わりをぼくの意思で発動するのめちゃくちゃ疲れるんですからね……。はぁ……じゃあそろそろ本題に入っても良いですか?……てか入らせてください。……そして早く終わらせて帰らせて下さい……お願いします。」
気だるそうに、そして黙り込んでいるこちらの事を全く気にする素振りのない自己中な印象のまま《ふうせんかずら》は言う。
……正直即帰宅したい気持ちはわからんでもないな。俺も今日初の部活だったのに色々とことが起こりすぎでそろそろキャパオーバーで疲れてるし……。
「えー、この状況について色々説明してくれる、ということでございましょうか?」
何で急に丁寧な言葉遣いになるんだ?青木よ
「はい……。まあでも皆さんが期待してる説明では無いかもしれませんけどねぇ。期待に応える意味もないし……早速……あ、メモ取らなくてもいいですか?2度同じ事は言いませんよ面倒ですし。あ、記憶力抜群の稲葉さんがいるから大丈夫でしたねぇ……。」
「何でそんなところまで把握してるんだよ……ストーカーかよてめえ……」
「ストーカーなんて酷いですよ。そんな面倒なことしませんよ……まあそれに近い事はしてかね……ぼくの、立場で言えば『皆さんを観察する存在』みたいな感じですし……。ああまた話がそれちゃった……四六時中見てるわけではないので皆さんのプライバシーに関しては安心してくだい……」
稲葉の呟きも無視して《ふうせんかずら》は自分勝手に話を進める。
安心できる要素どこだよ……。
……いや、今はそれよりメモだ。
《ふうせんかずら》。
確か種にハート模様がある植物だったか。それくらいしか知らない。
小学生の頃、朝顔だのひまわりだのの観察日記を書かされた覚えはあるが、まさか今度は植物の名前を名乗る何かに俺たちが観察される側になるとは。
……皮肉にもほどがある。
「ええと……まず一つ目です。」
「これから当分の間、皆さん六人の中で人格はアトランダムに入れ替わります……。つまり時間や場所に規則はありません……黒板だったりこのメモだったりに書いてある皆さんの考察は全部外れです……。まあ、皆さんご苦労様です、って一応言っておきます。……本当は全然思ってないですけど。……」
《ふうせんかずら》は俺のメモを見てそう言った。入れ替わる際のトリガー見たいものも無いし、時間制限も無いのね。無く全てがランダムってわけか。
「……さっきみたいにぼくの意思で入れ替えるのはほんと〜に疲れるのでこれからの入れ替わりは『アトランダム』と思ってください……。で、ぼくからの説明はこれくらい何ですけど何か質問あります……?このさいななのでさらにサービスで質問にも答えちゃいますよ……」
「ふ〜……、普通なら『何訳わかんねえ事言ってやがんだ!』って言いたくなるところなんだがアタシ達も実際訳わからん事になってるのは事実だし、まずお前の話に乗っかっていくつか質問してやるよまず、何であたしたち『文化研究部』なんだ?」
と、稲葉が髪をくしゃくしゃとしながら苛立ちを隠す事なく《ふうせんかずら》に尋ねた。
確かにそれは気になるな。こんな大それた現象をわざわざ起こすんだ。何か重要な理由がありそうだな
例えば、この部員の誰かが神社のお札でも破いたのか。それとも呪いのメールでも開いたのか。
「そうですねぇ……。それに関しては『たまたま』としか言いようがないですかねぇ」
はあ?『たまたま』
「はあ?『たまたま』?そんな理由で、こんな事に巻き込こまれてるのあわしたち。本当に勘弁して欲しいんだけど?……ねぇやめてくれないかな?」
永瀬と感想が被った。永瀬はいつもの雰囲気とは違い勢いよく《ふうせんかずら》を攻め立てる。
《ふうせんかずら》が入ってきてからだが永瀬がずっとおとなしいし、めちゃくちゃ声色が冷たくて怖い。
まあこんな事に巻き込まれていて、その理由が『たまたま』っていうわけのわからない理由なら無理もないか
「……永瀬さん。そんなに怒らないでくださいよ……。まあ正確に言えば皆さんが『なかなか面白い』からになるのかなぁ」
「言い方変えても全く釈然としないんだけど。厄介ごとに巻き込んでおいて理由が『なかなか面白そう』?はあ?バカにしてるの?」
「いやいや、皆さん普通の人よりも面白いじゃないですか……?永瀬さんは特に自覚あると思ってましたけどね……。あ、すみませんあまり触れられたくなかったですか……?」
「っ!……。」
そう《ふうせんかずら》が言うと永瀬は視線を落として黙ってしまった。
まるで虐められてるみたいに。
『触れられたくない』『人とは違う』『面白い事』それは何を意味するのか。
今は永瀬が標的にされているが、どうやら《ふうせんかずら》は俺たち文研部全員に対して言っているらしいな
「おい、《ふうせんかずら》。ここに来たお前の用件って永瀬を虐める事か?」
「……。いえそんな事はないですよ。基本ぼくはあなたがたと敵対したいわけでは無いですし…… 敵対なんてすると疲れますから……」
チラリと永瀬の方を見るがさっきまでの勢いは消え失せて完全に俯いてしまっていた
「じゃあ話戻して続けようぜ。俺からも質問いいか?お前ってどんな存在なの?」
「……どんなとは?ぼくはぼくだと言う他ないですけど……」
「うーん、まあ端的に言えばお前って人間か?もしお前が人間なら後藤先生の人格はお前の身体にいるはずなんだか?」
もし《ふうせんかずら》の状態がが特殊な能力を持っている人間なら何とか探し出してそいつをひっ捕える事で何とかなるかもしれん
「……いえ。そんなぼくは入れ替わるなんてそんなまどろっこしい真似はしてませんよ……この人の身体を間借りさせて貰ってるイメージですかね……」
ゲームソフトで例えると、ソフトを入れ替えるんじゃなくて、ゲーム機本体にダウンロードしてる感じか?
「ふーん、それも信じられないなぁ」
「……まあ信じるも信じないのも比企谷さんの勝手ですよ……そんな人間いないので時間の無駄だって事だけ助言しておいてあげます……今日のぼく本当にサービスが良いなぁ……」
《ふうせんかずら》はそう言った。だが、あいつの言葉をそのまま信じるほど俺もお人好しじゃない。あいつの言うことが全部本当とも限らないからな。
でも正直今は確認する方法が無いのも本当だしな、もし《ふうせんかずら》の元になってる人間がいたとしても誰を探せば良いのか検討もつかないし……
ん〜。あ、唯一方法があるとすれば、《ふうせんかずら》から解放された後藤先生本人に聞いて何者かと入れ替わってる間の記憶があったか聞けば判明するな?
「……っち。この現象がお前のコントロール化にある事も、お前があたしたちを選んだ理由も、お前が人間じゃ無い何かである事もとりあえず今はその説明で納得してやるよ、『とりあえずな』な。で、肝心な事まだ言ってねえぞ。この現象はいつまで続くんだ?」
「……だって聞かれてないですし……まあ今後適当な感じで入れ替わって貰って『ああ、そこそこ面白かったなぁ』と言う感じであればその時点で終わりますから……。そんなに長い期間じゃないですよ……」
「お前の『長いくないって』どれくらいなんだ?こんな現象受けさせられてる俺からしたらこの2日間でも長く感じたぞ?」
ほんと時間の感じ方は人それぞれなんだからはっきりしてくれよ。
俺がそう言うとニタァとし
「……いえ。ほんとそんなに長い期間じゃ無いですよ……。比企谷さんたちの『長い』の定義は知らないので終わってみれば長すぎって感じられるかも知れませんけど……終わりはあるので安心してください……。ずっとこの現象起こすのも面倒なのでそのうちに終わりますので……」
うーん……結局終わりの時期はっきりしねぇ……。詐欺師と話した事は無いけどこんな気分なのかね?
「後……みなさんわかってるとは思いますが人格が入れ替わっている事は余り周りに言わない方が良いですよ……。ぼくがどうかっていうより、皆さんがややこしいことになるっていくらなんでもわかりますよねぇ……?」
「もし言うとどうなるんだ?この現象のこと知った人間もミイラ取りみたいに巻き込んで行くのか?」
「……さあ?……まあ『それで面白くなるならそうする』と言っておきましょうかね……。あんまりしては欲しく無いですけど……後処理が面倒ですし……」
『後処理』!?なんか不穏な事言い出してる?『人格入れ替わり』を起こせるような奴だ。まだ他に人智では測れないような超現象起こせるのかもしれないな……記憶の消去とか
「じゃあ……もう質問もないならこれで失礼させてもらいますね……。みなさん頑張ってください……。心の上っ面のところで、ちょっとだけ応援してますから……」
お前の応援とかちっとも嬉しくねえよ……。
「おい、待てよ」
部室から出ようとドアの方に向かっていた《ふうせんかずら》につかつかと早足で稲葉は《ふうせんかずら》に歩み寄った
「このまま『はいさよなら』って帰すわけねえだろ?」
「……いやほんと帰らせてくださいよ。今日こんなに働いて疲れたんですよ……」
「稲葉んの言うとおりだよ。あんたの都合ばっかり押し付けてこんな意味わかんないことされてるのに受け入れるわけないでしょ?」
稲葉の背後、さっきまで意気消沈していたはずだが……そんな事は無かったかのように好戦的に指の骨をパキリと鳴らしながら永瀬が続いた。
この部の女子血気盛んすぎない?この流れでいくとまさか……
「そうよ」
今まで黙っていた桐山も、ブラウスの袖をぐいっと捲り上げながら前へ出る
お前もか桐山……
「稲葉、伊織そこどいて。ここはあたしに任せて……。そろそろあたしも我慢の限界だったのよ……」
……おい。
桐山の目が据わっている。さっきまでのオドオドした雰囲気が嘘みたいだ
稲葉や永瀬よりも怒気を感じるぞ?
「なんで……っなんであたしだけ入れ替わり先が男子ばっかりなのよぉ!!伊織や稲葉と入れ替わらせなさいよ!!……ふう、さて!!ここでこれまでの恨み晴らすわ!!」
あ、怒ってるのそこ?
俺たち情けない男連中よりも先人をきり《ふうせんかずら》に向かう女子たち。いつの世も女は強しってのはほんとなんだな。そういえば俺の家の家庭内カーストもワースト1位は俺と親父で争ってたわ。飼い猫よりも低い俺たち……ええ
これじゃ男としての立場も無いので俺もフリだけでもいいかと女子3人に続いて《ふうせんかずら》の方に向かう事にして向かった。
その時だった
《ふうせんかずら》の雰囲気が一瞬ナイフのような鋭さを見せたのに気がついた。ゾッと寒気が起きるのと同時に身体が無意識に動き出した。
標的は永瀬だった。
あの時、数ヶ月前飼い犬を助けた時と同じように無意識に身体が事が動いた
「危ねえ!!」
「えっ、比企……っ!?」
永瀬の体を勢いのまま引き寄せ後ろにやる。その反動で永瀬が先ほどまでいた場所に俺の身体が投げ出される。その瞬間
ゴッ!!
俺の胸の奥まで響く鈍い衝撃
瞬間俺の身体は宙を舞った。
景色が一回転する。
天井と床が何度も入れ替わった。
息が、一瞬で肺から全部吐き出された。
何で殴られたのかすらもわからなかった
その後、後ろにいた永瀬を弾き飛ばして吹っ飛び進路上にいた青木を巻き込んだ。
青木を下敷きにしているがそれを気なする余裕は無かった。胸元を押さえて咽せる、えずいた。
「比企谷くん!俺は大丈夫だから無理しないで!!」
青木の上から動こうとする俺を制して、そのままの体制で青木が俺を介抱してくれる。
「いたた。あ、ひ、比企谷くん!?大丈夫!!?」
永瀬は尻餅をついて腰をささっていたが俺の事を見た瞬間悲鳴に似た声を出しながらこちらに近づいてきた。
「まあ不本意ですけど。一回こう見せつけちゃった方が手っ取り早いですからねぇ……だから……」
「シィっ!!」
「……やめてくださいよぉ桐山さん……」
一瞬見せたナイフのような鋭い雰囲気を無くしてまた元の気だるげな様子になった《ふうせんかずら》の虚をつくように放たれた桐山の飛び蹴りを簡単に腕でガードした。
「あんた……よくも比企谷くんを……っ!敵はとるわ!!」
ま、……まだ死んでないわよ桐山さん……ちょっと息苦しいのも治ってきたし……
ガードされた後着地をして息を付くもなく再度飛び蹴りが放たれた。人ってあんなに浮かぶんだ……。
だが驚くべきなのはまたそれを当然の如く塞ぐ《ふうせんかずら》
それは常人の域を超えていた。……ええ。桐山さん強すぎね…….?
……いや、桐山さんも十分おかしいんだけど、それを片手で止めるあいつは何なんだ。
桐山はその後着地と同時に身体を捻り、その勢いのまま拳を振り下ろす
それを《ふうせんかずら》は事もなげに桐山の右手首を掴んだ
その瞬間だった
桐山は同時に腰が抜けたのようにへたり込んでしまった。さっきまでのキレキレの動きからは想像もつかない
手を握られているだけに見える。顔からは血の気がひき今にも倒れそうになっていた
先ほどまでの強者のイメージは一瞬で消え去っていた
「桐山!?うぉぉぉ!!桐山を離せぇ!!!」
そんな桐山を見た瞬間八重樫が拳を握り《ふうせんかずら》に突っ込む
まさにその刹那
ーー俺の視界が歪んで消えた。そして先ほどまでにあった息苦しさも消える
次の瞬間俺は《ふうせんかずら》に腕を掴まれていた。それを認識した瞬間とてつもない不快感と【恐怖】が俺を襲った
「っ!?」
その瞬間強く腕を引っ張り《ふうせんかずら》からの拘束を解く。余り強くは掴まれていなかったようだ
一瞬の混乱どうやら人格入れ替わりが起こったらしい。そして俺は【桐山】の体に入れ替わっていた。だが気になるのは
(なんださっきの感覚……。触れたくないものを触れたような……?)
「げほっ、ごぼっ……ひ、比企谷く……ん。こんな……き、キツっ……」
「あ、あれ?なんで俺比企谷を抱えてるんだ?……って大丈夫か?比企谷!?」
「………」
「稲葉ん!?大丈夫?急に倒れ込んでどうしたの!?」
誰が誰の身体に入ってるかわからない。一瞬でこの場を混乱の渦にする『人格入れ替わり』こんなに恐ろしいのか……
「あれ……もしかしてこのタイミングで入れ替わりました?これはちょっと……面白かったかも」
混乱状態に陥った俺たちを見下ろして《ふうせんかずら》は言った
「ああ……じゃあちょうどよさそうなので今度こそ帰ります……」
《ふうせんかずら》は俺から離れてドアに手をかける
「おい、一つだけ答えていけ」
先ほどから仁王立ちをしていた【八重樫】の姿をしただれかが《ふうせんかずら》を呼び止めた
「あたし達はお前を止める事ができない……。だから最後に問いたい。お前に……《ふうせんかずら》に今後もう一度会える『チャンス』はあるのか?」
「……どうですかねぇ、これが終わる時にもう一度会えますかねぇ……まあ保証はしませんが……ああ言い忘れてた事ありました……。この人【後藤さん】でしたっけ?……この後尋問とかはしないであげてくださいよ……。この人本当に記憶ないので……」
「では、ご武運を……」と言いこそ本当に部室から出て行った。こうして自然災害のようにこの部室を荒らして行った《ふうせんかずら》とのファーストコンタクトは終わりを告げたのだった。
ちなみに余談だがこの後念のためという事でしばらくした後職員室に直行
そこにはいつもと変わらない様子の後藤龍善がいた
さっきまで何をしていたかと稲葉が問い詰める(尋問に近い勢い)と
「何をってこの書類を片付けようと……っておい!なんでこんだけ時間が経ってるのに全然進んでいないんだ!!?……ミステリーだ……。これ学校の七不思議として次の新聞ネタにしてみろよ!!」
……いや、あんたがその七不思議の一つなんだけど。
と本当に記憶がないようだった。てかなんの違和感も持たないのか後藤先生……。演技している様子もないし……。
《ふうせんかずら》が後藤先生を選んだ理由がなんかわかった気がした……。
さらに余談だがこの日風呂に入る際に鏡を見ると胸元にクッキと赤い跡がついていた。
それを見た小町が心配で気を失いそうになった事もここに記しておく