本日2話目
ちょっとだけ、物語を加速させます。
ジャポンで3日間の最終チェックを終えたポックル達はルキウスに用意して貰った飛空船に乗り込み6日掛けて天空闘技場へ向かった。
当然、飛空船はルキウスが貸切ったので移動中の6日間も念能力の修行は継続した。
しかし、100kgの重りから解放されたポックル達はあまりの体の軽さに驚きながらも、闘士として慣れる為に模擬戦を繰り返しながら過ごしたのだった。
「うわぁっ……!?」
「凄い人集りだっ……!!」
[今日からここで私もっ……!!]
「今日から自分も闘士ッス!!」
飛空船を降りるとそこには多くの格闘家や武闘家達が、ここで名を上げてやると敵意や殺気を撒き散らしながら受付を済ませていた。
「みんな、緊張せずにこれまでの成果を発揮すれば150階位は余裕に行けるさ」
「ルー君、それ以上だと難しいの?」
ルーシィは6年以上前にルキウスと一緒に故郷を逃亡した時に天空闘技場の個室に住んでいた時の頃を思い出していた。
あの時は精神的に参っていた頃でマトモにルキウスがどう言う試合をしていたとか見れる状態では無かった。
しかし、あの頃の記憶を辿るとルキウスはぽんぽんと無敗のまま200階クラスに到達した。
だから、これだけ鍛えたアンジェリカ達ならあの時のルキウス同様に行けると思っての質問だった。
「そう言えば、姉さんは参加は始めてだったね……。150階以上となると200階到達まで目前だから、偶にみんなの様な念能力者や資質の高い闘士がいるんだ」
「そう言う人達ほど無敗で連勝記録を保有している場合が多いので、しっかりと対策して行きましょう」
「確かに……」
「当然と言えば当然ね……」
「まぁ、本当に稀だとは思うよ? でも、みんながいる以上そう言う人達がいるって事だけはしっかりと認識しておいてね。それじゃ、受付に行こうか」
『天空闘技場へようこそ! 必要事項をこちらにお書き下さい』
受付用紙を受け取ったルキウス達はそれぞれ必要事項を記入して闘士登録を済ませていく。
ルキウスは今度は本名で登録してまた一からスタートして、本来ならズシの指導をするウイングもルキウス達の熱に浮かされて闘士として登録を済ませたのだった。
200階クラスとなればフロアマスターに挑戦出来るが、そんな事はウイング的には興味が無い。
あるのは3ヶ月と言う戦闘準備期間を有効活用出来る事とズシに念能力者の戦い方を伝授させる機会を与えられる点だった。
200階クラスの闘士は戦闘準備期間中に一戦しなければ、即失格となり登録が抹消されると言う罰則が生じてしまうので修行との両立には微妙に噛み合いが悪かった。
ルキウス達が参加する以上、人数的な噛み合いの悪さは解消しているがやはり1人でも多い方が修行効率が向上するので参加したのだった。
闘士としての受付登録を済ませたルキウス達は1階にある入場者のレベルを測る会場へ向かった。
闘技場には幾つもの小さなリングが並べられており、入場者達が上の階へ上がる為にバトルを繰り広げていた。
その光景に圧倒されていたポックル達だったが、アナウンスにより早速アンジェリカの出番が来てしまった様だ。
[わ、私だっ……!!]
「緊張しなくて大丈夫だよ、アンジェリカちゃん!」
「アンジェリカさんに1つアドバイス。君は相手を思いっきり押し出す事だけで大丈夫。
一般人ならそれで勝てる様に仕上げたし、君にはそれだけの実力があるから頑張って」
[っ!? う、うん! 私、行くね!!]
半信半疑でドキドキが止まらないアンジェリカは会話用の端末を置いて指定されたリングへ向かう。
彼女の相手は筋肉ムキムキなプロレスラータイプの男だった。相手はか弱そうなアンジェリカを見て笑みを深めながら、どうやって甚振ろうかと考えていた。
「ここは、入場者達のレベルを測ります。制限時間3分以内で自らの力を発揮して下さい」
「3分〜? 3秒も掛からねえよ〜」
「……!!」
「それでは、始めて!!」
審判の開始宣言と同時に走り出す筋肉ムキムキなプロレスラーはアンジェリカに攻撃しようと動いた。
しかし、彼女はその遅過ぎる攻撃を見て避けて懐に潜り込むとルキウスから貰ったアドバイス通り思いっきり外へ押し出した。
プロレスラー風の男は何をされたのか分からないまま、お腹に感じる途轍もない衝撃を受けたまま壁に一直線で激突したのだった。
その光景にアンジェリカを見ていた観客達が一気に静まり返った。当然、押し出した本人もアニメみたいに吹き飛んだ男を見て呆然としながら眺めて修行の成果を感じていた。
「妥当な結果だな」
「妥当な結果ですね」
「アンジェリカちゃんも頑張っていたんだから当然だよ!」
「ポックル君とポンズさんは、アンジェリカさんよりも強くなっているから多少手加減して押し込んでね。
流石に本気でやったら相手死ぬから、7割位の匙加減を意識して相手を押し出してみて」
「は、はいっ……!!」
「わ、分かりましたっ……!!」
「ズシも先月とは比べ物にならない程に強くなっています。相手の体を労り加減をして相手をしなさい」
「押忍ッ!!」
ポックルとポンズ、ズシは気合いを入れて返事をするとそれぞれがアナウンスに呼ばれてリングへ向かう。
彼等と入れ替わる様にアンジェリカが戻って来て、ルーシィは彼女に抱き付く様に喜びを分かち合った。
ポックルとポンズ、ズシは自身の力がかなり上がっている事を実感してガッツポーズを行った。
そして、今度はルキウス達も呼ばれて圧倒的な実力を示して全員が50階へ案内されたのだった。
丁度、ルキウス達の試合が終わった頃に2人の少年達がアナウンスでリングに呼ばれた。
「ねぇ、キルア……」
「あぁ、アレって……」
その少年達は今年のハンター試験で合格したゴン=フリークスと惜しくも不合格となってしまったキルア=ゾルディックだった。