ハンター協会の美食料理人   作:火取閃光

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本日2話目
物語を加速させます


第22話

 天空闘技場初日の勝利から翌日。ズシはルーシィの料理と自身のオーラによって、キルアから受けたダメージを回復して試合に臨んだ。

 

 ルキウス達は2戦して80階クラスをパスして、ズシは3戦とも勝利を収めて70階クラスをパスした。

 

 やはり100階クラス未満だと技術と身体能力を伴った凄腕の格闘家らしい闘士は見られず、良質な戦闘経験を得られず全員一撃でノックアウトした。

 

 昼食を跨いで戦いファイトマネーを専用の口座に入金して貰った一行は、帰路につき各自の修行に取り掛かろうとしていた時だった。

 

「あのっ!」

 

「ん? おぉ、ゴン君とキルア君じゃ無いか」

 

「よぉ! 昨日振り。早速で悪いんだけど、アンタ達に聞きたい事があって今日は来たんだ」

 

「キルアッ!」

 

「ちょ、なんだよ、ゴン……」

 

「俺達から聞くんだよ? 失礼な言い方はダメだって!!」

 

「チッ、分かっているよ……」

 

「それで、君達は何を聞きたいんだ?」

 

「昨日の俺とズシの試合の秘密……。アレってなんかの技術が使われているんでしょ?」

 

「俺達、200階クラスに行って武者修行をする為に天空闘技場に来たんです! だから、その強さの秘密を知りたくてここに来ました!!」

 

「アンタ達には悪いとは思っているんだけど、俺達は強くなりたいと思っているんだ。だから、教えて欲しいんだ!」

 

 2人の目はとても真剣だった。念能力に目覚めてもいないのにここまで感覚が優れているのも珍しかった。

 

「ウイング先輩はどう思います?」

 

「ふむ、困りましたね……。ちなみにルキウスは弟子に取れますか?」

 

「俺は正直ポックル君達以外を弟子に取る気は無いです。余程な事がない限り、彼等には1〜2年を通して鍛え上げる気でいますのでそれに付き合えないなら無理ですね」

 

「彼はそう言っていますが2人は強くなる為に1〜2年間、行動を制限されても大丈夫ですか?」

 

「うっ……」

 

「それは……」

 

 ウイングの質問にゴンとキルアは視線を逸らした。簡単に習得出来るとは思っていないが、そこまで長期に行動が制限される事を知ると素直には頷けられなかった。

 

「無理そうですね……。となると、取るとしても私ですか……」

 

「あ、あのっ……! 基本だけでも良いんです!!」

 

「それだけでも教えてくれたら、後は俺達でなんとかするから!」

 

「生兵法は大怪我の元、と言う言葉があります。確かにこの技術は心源流拳法では一般人に秘匿する様に教えられています。

 

 それは、この技術を悪用すれば人を簡単に殺す事が出来る様になるからです」

 

「俺達プロハンターは活動する上でこの技術の習得は必須条件の1つとされている。

 

 それはつまり高いレベルの仕事をすると相手もまたこの技術を使って来ると言う事だ

 

 それ故に俺はポックル君達を死なせない為に基本だけではなく、この技術の運用方法なども含めて面倒を見る気でいるんだ」

 

「だから! その辺りは自己責任で良いって!!」

 

「俺達、どうしても早く強くなりたいんです!!」

 

 ルキウスの厳しい視線にイラッとしたキルアは反発して、ゴンは懇願する様に意思の固さを示した。

 

 ルキウスとしても2人を嫌っている訳ではない。プロハンターの世界を念能力の基本だけ学べば通用すると思い上がっている考えを正したかった。

 

 念能力の基本である四大行の習得はあくまでもスタートラインに立つ為に必要な技術であって、それを身に付けたからこの世界で通用する訳でない。

 

 ウイングの様に纏と練の基本を長期間鍛錬するなら話は別だが、2人は四大行だけを教えて野放しにするのはルキウス的にはあり得ない選択だった。

 

「落ち着きなさい、2人とも。本来なら、精神的に未熟な君達に教える気はありませんが……。

 

 君達程の高い資質と能力を持った子供達を見捨てて、200階クラスの洗礼を受けさせる訳には行きません。良いでしょう。君達に念能力を教えます」

 

「ネン、能力……?」

 

「それが、あの技術の正体って訳か……?」

 

「そうです。ここで話すのも何ですからついて来なさい」

 

 ウイングの鋭く真剣な表情にゴンとキルアは固唾を飲み込みながらもドキドキを隠しきれなかった。

 

 そして、念能力がなぜ一般的に秘匿されている技術なのか、どう言う能力なのかを2人に身を持って教えたのだった。

 

 ウイングから放たれた敵意を持った念を受けたキルアはイルミの威圧感に似た恐怖で本能的に壁際まで後退した。

 

「分かりましたか、キルア君? 君は念能力の基本を習得すれば確かに今よりも格段と強くはなれるでしょう。

 

 しかし、仮に四大行を習得したとしても君達はようやくスタートラインに立てただけに過ぎません」

 

「C級以上の賞金首には四大行のマスターだけではなく、自身の念能力を磨き続けた者達が多くいる。

 

 今後、プロハンターとして活動して死にたくなかったら良く覚えておくと良い……。

 

 四大行だけをマスターした程度の君達を一方的に殺せる輩はかなりいる。自信と傲慢を履き違えるな」

 

「……分かったよ」

 

「……ごめんなさい。俺達、無意識に焦っていたみたいです」

 

 2人には厳しい言い方になったが、知らぬ間に天狗となっていた鼻っ柱をルキウス達はへし折った。それもこれもゴンやキルアに死んでほしく無いからだ。

 

「俺達は何も2人が子供だからって意地悪をしている訳ではない」

 

「君達が優れた才能を持っているから、中途半端に技術を教えて死なせたくないのです」

 

「……あぁ、それは言葉の節々から感じていたから分かっている」

 

 2人に真面目に叱られたキルアは少し冷静さを取り戻して軽く頭を下げた。それに続く様にゴンも頭を下げて謝罪したのだった。

 

「よろしい。それでは今日から念能力を習得する為の訓練を開始します。精神鍛錬の類ですが、2人なら半月と掛からずに目覚める事が出来るでしょう」

 

「俺もポックル達を見ながらになるけど出来る限り君達の修行を見よう。2人も先に念能力を学んでいる彼等と交流する事は良い経験になると思う」

 

「っ!? はいっ!!」

 

「よろしいお願いしますっ!!」

 

 ルキウス達に指摘されるまで気が付かない内に傲慢になっていたゴン達は、心を入れ替えて精神鍛錬である燃の修行に励んだのだった。




ちょっと最近、自宅のネットが不安定なので更新ペースが落ちるかもです……。
申し訳ございませんがご了承の程よろしくお願いします。
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