ポックルの次に水見式を始めたのはゴンよりも強い練が使えるキルアだった。
彼に決まる前にゴンがジャンケンとせがみ一悶着あったがそこはルキウス達の判断と言う事で納得して貰った。
「そんじゃ、次は俺がやるね」
ポックルがやっているところを見ているのでキルアは早速と言わんばかりに練を行うが、葉っぱが動くわけでも水の量が増減するわけでも、ましてや色が変わるわけでもなかった。
「あ、あれ?」
「何も起きないッスね?」
「もしかして……。俺って才能無いの……?」
「水を少し舐めてみようか」
「……ん? 少し、甘い……?」
「本当だ……! ほんのり甘い気がする……」
[これって、ただの水じゃないんですか?]
「水の味が変わるのは変化系の証拠です」
「ふーん。ねぇ、変化系ってどんな事が出来るの?」
自身の得意系統が分かったキルアはこれまで説明して貰っていない変化系の可能性についてルキウスに問い掛けた。
「変化系は玄人向けの念系統だな。オーラを炎や電気、ゼリーみたいな特殊な性質に変化出来る系統だ。だから、個人の資質や努力次第で化ける便利な系統って感じ。
変化系は強化系と具現化系が両隣にあるから攻守だけじゃなくサポートも可能だけど、放出系と比べると万人受けでは無いから強いけど扱い難いって感じだな」
「ふーん。電気、ね……。それ以外にはどうすれば上手く使えるの?」
「後はそうだな……。戦闘スタイルによっては武器に変化したオーラを纏わせて、周を行いながら戦うとより強力な一撃に発展させる事が出来るからそっち方面でも考えると尚良いと思う。
オーラを別の性質に変化させるって結構修行が大変で、使える威力に到達するまではどうしても火力不足に陥っちゃうからね。
周はそれまでの繋ぎとしてや決め手になる必殺技としての一撃でも優秀な応用技だから、上手く組み合わせる事が出来れば中々厄介な発になると思う」
「OK。その辺は参考にさせて貰うよ」
ルキウスの説明にキルアは何となく直感的に思った発の概要についてどう詰めていくか面白そうに笑っていた。
「それじゃ、今度は俺が行います」
「ゴン君、ゆっくり焦らず練を行って下さい」
「お、押忍ッ!」
ドッドッドっと胸が高鳴る程に興奮した自身を落ち着かせる様にゴンは深呼吸を行い発を行う。すると、グラスに入った水が少しずつ増えていった。
「おぉ〜! ゴンもウイングさんとルーシィさんと同じ強化系かっ……!!」
「ねぇ、ルキウスさんにウイングさん! 放出系や変化系みたいに強化系ってどんな念系統なの?」
「そうだな……。強化系は1番オーラの扱いがし易い念系統で俺の特質系とは対局に位置する」
「つまり……?」
「私達強化系は念系統の中では大当たりとも言えるし、同時に大外れとも言える系統ですね」
「う、うぇええ!?」
「うん? どう言う事だ……?」
「大当たりであり、大外れ……??」
ルキウス達の矛盾した回答にゴン達は困惑した。
「簡単に言えば特質系が何でも出来る汎用型だとすると強化系は一点に集中した特化型の系統って事だよ」
「強化系は他の系統に比べて発が作りにくいけど、その代わりに特質系と同等以上にオーラの強化率が高いんだ。
それはつまり、纏と練の基礎訓練を続ける事で並の発なんて必要としない程の強さが得られる系統という事なんだ」
「別に私みたいに発が作れない訳じゃないんだけどね……」
「ルーシィさんの様な回復系の発は強化系の中でも特殊な念能力ではありますが、私もこれまで生きてきて発を必要だと思った事は無いですね……」
[なるほど……。念能力は発って言う便利な必殺技の開発が醍醐味だけど、強化系はオーラ操作技術がそれに匹敵するって事ですね?]
「そう言う事。だから、難しい事は考えずにやられる前にやるって戦闘スタイルなら大当たりだし、色々考えた上で相手をハメた方が良いってスタイルには大外れとも言えるんだ」
「そっか……。俺、ちょっと期待していたんだけどね……」
「強化系の発は特質系みたいな複雑な発には向かないってだけだから、そんなに早く諦めなくても良いと思う。
むしろ発がシンプルな性能である程、その一撃に対する強化倍率は複雑な性能の特質系を超える事もある」
「っ!? 本当っ!?」
「本当さ。元々のパワーがとても高いから、そこに更に強化倍率を加えれば下手な発なんかは目にならない程に厄介な能力になるんだ。
それに発は戦況をひっくり返す便利な必殺技であるけど、人によってはオーラ操作技術が高過ぎて結果的に戦闘系の発を必要としない強者もいるんだ」
「それが私達の師匠であるビスケット=クルーガーと言う人物です」
「ビスケ先生は女性の二つ星ハンターで変化系念能力者なんだけど、鍛え上げられた肉体と凄まじいオーラ操作技術の使い手で世界でもトップ10くらいに強い実力者なんだ」
「そ、そんなにっ……!?」
「ビスケ先生の発は趣味と実益を兼ねた能力で超便利だけど戦闘中にはほとんど使えない発でさ。
それでも、ほとんどの念能力者には極めた肉体技術とオーラ操作技術で大体倒すもんだから、あの人は本当に見習うべき念能力者だと今でも思う」
「付け加えるのであればオーラ操作技術の中には放出系が得意とする念弾も含まれていますから、そう言う意味では我々強化系には特別な能力は必要無いと言う話です」
まだ見ぬビスケット=クルーガーと言う人物にポックル達は戦々恐々としながらも、言葉の節々から分かる自慢気で敬意を感じるルキウス達の言動にとても良い女性なんだと理解した。
「それにあの人、めっちゃ面白くてさ……。俺がハンター試験を受ける前の10歳くらいの頃の話なんだけど……。
ある日、いつもの様に朝飯の準備が整ったから朝練中の先輩方や先生を呼びに訓練場へ行ったら14歳くらいの見知らぬ女の子が居てさ。
新しいお弟子さんかな? でも、そんな話昨日聞いたっけ? って思いながら声掛けたら実は突然見た目が若返った先生だったんだ」
ルキウスの話にゴンやポックルだけではなくズシやポンズ達は目をひん剥いて驚きと共に大声を上げた。
特にポンズとアンジェリカに関しては年頃の乙女として若返りに興味が無い訳ではなかった。
「纏を極めれば老化防止になるとは言え、まさか若返るなんて思いはしませんでした。あれには私達も腰を抜かしました……」
「本当、あれはビックリしましたよね。急に先生、若返っているー!? ってあれ程パニックに陥ったのは生まれて初めてでしたし……」
「普段は鷹の様な鋭い視線に凛々しい顔立ち、完成された肉体美を持つ先生がまるでお人形の様な姿をしていた時は本当に驚きました……」
「当時は先生自身もよく分かっていない変身だったからそれがまた面白かったですよねー。
先生、可愛い物好きで自分の見た目が嫌いで仕方なかったからって、念じ続けたら変身出来たって面白過ぎですよ」
「ね、ねぇ! そう言う事ってあるの?」
「先生が変化系念能力者で系統別技術を極めた人だからこそあり得た話なんだよ。肉体の変質や変身は具現化系の領分。それ故に起きた奇跡なんだよ」
「えっ!? 具現化系って物を具現化するだけじゃないの!?」
「まぁ、それが最もポピュラーな使い方であるとは思う。俺の包丁もそんな感じだし……。
でも、具現化系はそれ以外にも念獣って言うオーラで出来た物体を作り出せるんだ。
念獣は簡単に言えば特殊能力を持ったドラゴンとか作って、空を飛んだり口から火炎放射出したりみたいな特殊な擬似生物を作れるんだ。
まぁ、空を飛んで火炎放射を放つドラゴン程度なら具現化で作るよりも、それっぽい生き物を操作系で支配した方が強いから念獣は想像の生き物を具現化した方が便利だと思う」
「な、なるほど……」
「念能力って奥が深いのね……」
「まぁ、そう言う感じさ。だから、まずは自分の系統と適正ある系統を鍛えて、既に作りたいってアイデアが無い限り発に関しては焦らずじっくり作る気持ちで考えた方が無難だと思う」
「そう言う事です。それでは、ゴン君とキルア君は引き続きズシとポックル君達と周を行いながら発の影響力を強めてください」
「ポンズさんとアンジェリカさんは引き続き練と凝、周を使った武器術を継続しよう。
発の訓練に関してはどの道来月には行えると思うので、それよりも凝の熟練度を高めて半月後に行う俺とヒソカの戦いを良く観察出来る様にしよう」
自分達の系統を知ったポックルやキルア、ゴン達は自分の必殺技について思いを馳せて、まだ系統を知らないポンズとアンジェリカは彼等に追い着こうと必死で修行に励んだのだった。
いつか書いていたワンピースの二次創作・FILM TRAVELERに関して、気分転換に進めています。
今後の予定としては原作にガッツリ絡められたら良いなと思い、年代をルフィ旅立ちエース20歳の時間で書いています。
現在、1話書いたので物語を進める関係上まとめて放出出来たら…とは思います。
ポケモンも最近投稿しましたが、需要があるかは分かりませんのでお気に入り限定公開のままにするつもりです。
お気に入りユーザーも見つけ次第こまめに登録して全作品を通して6300人くらいは登録しているので、攻撃的な事をして居なければ普通に読めます。
そして、これを後書きに書いたのは活動報告を見ない人にも伝えたいので書いています。ご了承の程お願いします。
4月の活動報告で改めてお気に入りユーザーの窓口を作りますので、アンチや粘着等の方達以外はよろしくお願いします。