ハンター協会の美食料理人   作:火取閃光

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第30話

 水見式を行いポックルやゴン、キルアの念系統が判明してから更に5日が経過した。ヒソカとの試合までおよそ1週間となった。

 

 全身に総量100kgの重りを周で強化しながら走るランニングも徐々にペースを上げてきていた。

 

 具体的には修行前は3〜4倍掛かっていた時間も、今では重りや周を行っていないランニングよりも少し遅い1.5倍程度の時間まで短縮していた。

 

 これが意味する所は修行前よりもオーラ総量やスタミナ等の体力面がかなり向上したと言う事だ。

 

 また、ポンズやアンジェリカ達も3週間の訓練でかなり成長したので、武器術の訓練だけではなく重りを使ったランニングも少しずつ始める事が出来た。

 

 しかし、やはりポックル達と比べるとオーラ総量等の体力面に差があるので、3回やっているランニングは朝と夕方の2回までとして行わせていた。

 

 そう言う事で全体的にオーラ総量がかなり増加した事もあり、ルキウス達はゴン達に新たな応用技を教える事にしたのだった。

 

「ねぇ、ねぇ! 次はどんな応用技を教えてくれるの!?」

 

「その前にゴン君とキルア君。四大行の凝について分かっている事を説明して下さい」

 

「ん? あぁ、良いぜ。凝は練で作り出した大量のオーラを目に集中する技術だろ?」

 

「凝は隠って言う絶の応用技で見えにくくしたオーラを良く集中して見破るんだよね? 凝の訓練でウイングさん達がやっていた……」

 

「その通りです。良く覚えていましたね」

 

「実は凝と言う応用技は目にオーラを集中して、隠の様な見えにくいオーラを見破るだけじゃ無いんだ」

 

 ルキウスの説明にゴン達は首を傾げたが、先日ギドと戦ったポックルはその時に得た経験から答えを導き出した。

 

「ハッ!? そ、そうかっ……!! 凝は体の一部にオーラ集中する応用技なんですね、ルキウスさん!!」

 

「ポックル君、正解だ。周を使えるようになったみんななら理解出来ると思うけど、物体にオーラを集中すればその物体の切れ味や耐久力は強化されるんだ。

 

 それでは、もしも練で作り出した大量のオーラを目ではなく、拳や足に集中すればどうなるのか?」

 

「つまり、武器や道具だけではなく肉体の一部分を強化して攻撃力や防御力を高める事が可能って言う事なの……!?」

 

「その通り。そして、自分と相手のオーラ全体の攻防力を瞬時に見極めて、適切な部分に適切な量のオーラを配分させる凝の応用技を流と呼ぶんだ」

 

 [流……!? それが、この前の水見式で言っていたオーラ操作技術の事なんだね!!]

 

「流は念能力バトルにおいて、基本にして奥義とも言えるオーラ操作技術なんだよ!」

 

「基本にして奥義ッスか……!?」

 

 念を覚えてまだ1年にも満たないズシだったが、この数ヶ月でその高みに足を踏み入れた事に驚きと嬉しさを感じていた。

 

 未だ彼は水見式の修行を終えても、自身の発に関してどう言う代物にするのか漠然としていた。

 

 それなのにポックルやキルア達を始めとする後輩達に早くも追い抜かれそうになり、無意識的に焦っていた部分もあってので流と言う技術は正に望んでいた応用だった。

 

 具体的な操作系能力の詳細どころか全体像も出来ていないが、流と言うオーラ操作技術を高める事で何か掴めそうな予感を彼は感じていたのだった。

 

「流を滑らかに出来る様になれば念能力者として一人前と言えるでしょうが、一朝一夕で出来るほど甘い技術ではありません。

 

 しかし、オーラ配分が大雑把でも流が出来るのと出来ないなどでは天と地ほどの実力差が生まれます」

 

「そもそもの話だけど纏や絶、練や凝などの基本四大行と呼ばれるオーラ技術は日常生活で使える程に使用頻度が高い技術なんだ」

 

「纏と絶、練に関しては今更言う事でもないでしょうが、凝については例えるなら私達が遠くの景色や物体を見る時に自然と目を窄める仕草をしますよね?」

 

「っ!? う、うん! 確かにするっ!!」

 

「凝はそれくらい自然に行える様になるのがベストな状態なんだ」

 

「でも、普段の生活から使う程の状況ってどんな感じなの?」

 

「自分達が暮らす中で何かしらの違和感があれば直ぐに凝を行い確認する。状況によっては相手が隠を使って攻撃を狙っている可能性がありますのでね」

 

「それ以外だとヨークシンとかで開催されるフリーマーケットみたいな誰でも参加出来る競売市場とかだね。

 

 偶にそこで売られている品物の中には念能力を知らない天才が知らずに作っている代物があって、それを見つけて転売すれば結構お金を稼げるんだ」

 

 そう言って例えになれば良いとルキウスとアンジェリカはベンズナイフを取り出して全員に凝を行って貰う。

 

 特に父親がベンズナイフのコレクターであるキルアはその詳細について説明しながら、ルキウス達の持っているナイフが本物でありその最低価格が高額である事を伝えたのだった。

 

「もしも、ヨークシンとかに行くなら凝を使ってお宝探しとかしてみるのも面白いぞ。

 

 見つけたお宝を調べると数百万Jで取引される商品を価値を知らない人達が数千Jで売っていたりするからさ。

 

 それに、そう言う場所にはお宝を高く売る専門の業者がいてそう言う人達を仲間にして本気でやれば、1ヶ月で数億J儲ける事も不可能じゃないし」

 

 トレジャーハンターとしての顔を持つルキウスだからこその説得力にポックルは感銘を受けて、ゴンとキルアは面白そうだと笑ったのだった。

 

「それくらい凝は普段使いして慣れておいて損はありません。凝がスムーズに行えると言う事は流の熟練度に繋がりますのでね」

 

「だから、まずは2人1組の組み手で大雑把でも良いからオーラの攻防力配分に慣れる様になろう。

 

 流に関しては正直修行に終わりはないと思った方が良い。それくらい重要な技術だからね。

 

 でも、そうは言っても実際に見てみないと分からないと思うので……。ウイング先輩、一手お付き合い下さい」

 

「良いでしょう。こちらこそ、お相手よろしくお願いします」

 

 2人は向き合うと一礼してから組み手を行う。始めはゴン達に分かりやすい様に大雑把なオーラ配分で攻防力訓練のやり方を見せた。

 

 そして、次第にその組み手は段々と速くオーラも流れる様に配分していき、最終的にはゴン達でさえ見極めるのが困難な程に誤差1%以下の流を行ったのだった。




前回のお話でルキウス達の発言の意図に関しては多くの読者さんから質問を頂いたので、疑問に思う方はその時の回答を読んで納得して下さい。

これ以上に関しては私の方から回答は控えさせていただきますので、感想欄にその様な質問を投げかけられてもお答えしかねます。

また、自分自身としては言い回しの修正はするかも知れませんが大元の流れを訂正するつもりは一切ありません。

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