ハンター協会の美食料理人   作:火取閃光

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第6話

 2次試験の再試験であるクモワシの卵の捕獲は無事に終わった。70人いた受験者の内、半分近い者達が脱落して残りは42名となった。

 

 特にブラックリストハンター志望の255番は、最後にはクモワシの卵を使ったゆで卵を食べて素直に謝罪していたのだった。

 

 そんな和気藹々とは少し違うが、受験者と試験官の間にあった蟠りが薄れた時に1人の少年がルキウスに話しかけて来た。

 

「ねぇねぇ! ルキウスさんは美食ハンターなのにどうしてブラックリストハンターの事について詳しかったの!?」

 

 その少年は受験番号405番のゴン=フリークスだった。彼はルキウスの言葉を聞いてもっとハンターについて聞きたい欲求が強くなった。

 

 彼の言葉はかなり響いており、和気藹々としていた空気から一気にルキウスとゴンに注目が行った。

 

 ルキウスはゴンの質問に対してピシッと表情を凍らせた。その質問に関しては触れてほしくは無かったからだ。

 

「あぁ……。まぁ、簡単に言えば食材を求めて世界中を旅して回っていると偶に賞金首と鉢合わせする事は珍しく無いんだ。

 

 俺の場合は昔からそれが結構な頻度であってさ……。ハンター同士の人脈を作るついでに依頼を手伝っていたらそうなったんだ」

 

 一概にハンターであれば自身の専門分野以外でも犯罪者と戦う事があると言う様に伝えた。

 

 実際に事実であるが、ルキウスが語る話の真実を知るメンチ達はそれを思い出して笑い始めたのだった。

 

「ぷっくっく……! それで、コイツは美食ハンターなのにブラックリストハンターだと認識されていた時期があったのよ!」

 

「うるさいなっ……!! 仕方ないだろ! 食材を求めていたら勝手に賞金首が寄って来るんだから!!」

 

「あぁ、それ。美食ハンター界隈では伝説だよな! 俺も知っている」

 

「嘘だろっ!? ブラックリストハンター界隈だけじゃ無いの!?」

 

「ホッホッホ。ワシが広めたからのう」

 

「犯人はアンタかよ!? 通りであの頃はやたらと依頼が来るなとは思っていたけど!? チクショウッ!!」

 

「あの当時のルキウスの活躍は実際問題、冗談無く凄かったですからね……。

 

 若干13歳と言う若さで賞金首を捕縛し続けた功績から、一つ星(シングル)ハンターの称号は確実と言う話でしたから……」

 

「13歳っ!?」

 

「一体、いつからアンタはライセンスを取ったんだ!?」

 

「11歳だな。だから、ハンター歴は今年で11年になるのかな?」

 

 キャラ崩壊し始めたルキウスは咳払いをして落ち着きを取り戻し、自慢気な表情で語るが直ぐにメンチによって話のオチを暴露された。

 

「でも、美食ハンターなのに賞金首の捕縛実績でシングルハンターに昇格するのは恥ずかしいって理由で昇格を止めていたって話までがワンセットなのよ」

 

「それは言わなくて良い!! ちゃんと20歳の時に美食ハンターとしての実績も積んだわ! コンチクショウ!!」

 

 実際に彼の経歴は輝かしいモノである。しかし、当の本人的には何とも釈然としないモノで今でも納得はしていなかった。

 

 そして、受験者達や試験官とルキウスは飛空船に乗り込み次の試験会場へと向かう。

 

 別に試験官では無いからルキウス自身は現地解散しても良かったが、ネテロに呼ばれて残る事になったのだった。

 

 ネテロとその秘書ビーンズが受験者達に次の試験について説明をしている頃、ルキウス達は試験官達と一緒に夕飯を食べていた。

 

 今日はクモワシの卵を使った卵料理である。料理長の施設管理鍵(グルメホテルのマスターキー)を使い、念空間の中で調理をしたのだった。

 

「相変わらず腹立つ程に美味いわね」

 

「お褒めに頂き光栄ですって言っておこう」

 

「ルーシィの飯も美味いけど、ルキウスの飯も俺は好きだな……」

 

「ありがとよ、ブハラ」

 

「えぇ、こんなに美味い料理は久しぶりです。ありがとうございます、ルキウス」

 

「そう言って貰えれば料理人冥利に尽きますよ、サトツさん」

 

「そう言えば、今年の受験者って結構粒揃いよね! 一度全員落としたアタシが言うのもアレだけど……」

 

「そうですね……。今年はルーキーが良いですね」

 

「やっぱり! みんなはどのルーキーが推し? アタシはあの294番のジャポン出身の忍者君かな!」

 

「私は断然99番の白髪な少年が良いですね」

 

「アイツはきっと我儘で生意気よ。ブハラとルキウスは?」

 

「そうだね……。ルーキーじゃ無いけど、やっぱり44番かな?」

 

「あの試験中、ずっとアタシ達に喧嘩売って来たアイツね……。ルキウスは?」

 

「俺? 俺はそうだな……。405番の少年と403番かな?」

 

「405番の少年は可愛いからなんか面倒を見てあげたくなるから分かるとして……。403番は何で?」

 

「ああ言う不器用だけど友達想いな兄貴分みたいなタイプは、一匹狼気質なハンターにはかなり刺さるとは思うからな。

 

 実際、ハンターとして仕事をするんなら俺は403番みたいなタイプと仕事した方が結果的に上手く行きそうだからさ」

 

「ふむ、一理ありますね……」

 

「確かに」

 

「納得だわ」

 

「逆に危ういって思うのは404番のクラピカだな……」

 

「それは何で? 真面目そうじゃん」

 

「真面目過ぎるって話。事情は知らないけど、目に強い意志を感じてさ……。

 

 そう言うハンターって早くに潰れるか、死ぬかのどっちかじゃん? だから、心配だなって思っただけだよ」

 

「言われてみればそんな気もするわね……」

 

「だろ? って、うん? ネテロ会長からだ」

 

「アンタ、今度は何やらかしたの?」

 

「晩酌に付き合って、ついでにつまみを作れってさ。呼び出しくらった事だから、俺は行くわ」

 

「アタシ達はもう少し楽しんだら休むわ。今日は色々ありがとうね」

 

「会長によろしく言っておいて下さい」

 

「俺からも頼むぜ」

 

 ルキウスは心の中でどうせ言わなくても地獄耳だから知っているだろうと思いつつも、メンチ達に挨拶をして1人ネテロの元へ向かったのだった。

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