ハンター協会の美食料理人   作:火取閃光

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第9話

 ルキウス達は2日間のバカンスを楽しんだ後、三日月諸島の軍艦島を出て4次試験会場となっているゼビル島へ向かった。

 

 前回、ルキウス達が審査した2次試験では42名の受験者達がトリックタワーに挑戦したが、3次試験を通過したのは半分程度だったらしい。

 

 現在は、トリックタワーから船で2〜3時間の距離にあるゼビル島で4次試験の1週間のサバイバルを行っているとの事だった。

 

 正直言えば、今行われている4次試験やこれから行う最終試験もルキウスが何か特別な事をする訳では無い。

 

 飛空船がゼビル島に到着するまでは、メンチとブハラ達にお宝探しの報酬に関する情報提供と人脈紹介をしていたがやる事がなくなった。

 

 ネテロ会長にちょっかい掛けて遊んでもらおうとも考えていた時にふとある人物から電話が鳴った。

 

『お久しぶりですね、ルキウス君』

 

「ん? その声はウイング先輩じゃ無いですか! 電話を掛けてきたって事は数日前の伝言を聞いたって事で大丈夫ですか?」

 

 電話の主はルキウスがまだ、ビスケを先生と呼んでいた時に生活面を含めて面倒を見てくれた兄弟子のウイングだった。

 

 ハンター試験を通してちょっと懐かしくなったルキウスは、師匠であるビスケと会う前に世話になった兄弟子と久しぶりに会いたくなった。

 

 しかし、彼個人の電話番号は知らなかったのでビーンズに頼み数日前に伝言を残していたのだった。

 

『えぇ、勿論ですよ。久しぶりに会って食事でもしようと言う話でしたが私の方は大丈夫ですよ』

 

「それは良かった。聞いていると思いますが、俺は今ハンター試験の試験官のサポートをしている関係上、早くても半月前後は会いに行けません。そっちはどうですか?」

 

『私の方は現在、ジャポンでズシと言う弟子を取りましてね……。これがまたかなり才能のある弟子なんですよ』

 

「へぇ!? 弟子ですか!! 何歳くらいの方ですか?」

 

 ウイングが弟子を取った事に驚きながらも、ルキウスは自分もそろそろ弟子を取っても良いと思っていた。

 

 二つ星(ダブル)ハンターに昇格する為の条件として、自身の弟子が一つ星ハンターになる必要があった。

 

 別段、今の地位に文句がある訳でも無いが十二支んになる可能性が高い三つ星(トリプル)ハンターとは違い、二つ星ハンターは正直かなりなって損がないからだった。

 

『君がハンター試験を受けた11歳ですよ。念を覚えてもう少しで半年になりますが、今はもう練の修行に入った所なんですよ』

 

「なるほど……。それは確かに将来有望ですね……」

 

『そこで、ルキウス君には不躾なお願いがあるのですがよろしいですか?』

 

「ん? 別に構いませんよ? 何でもって訳には行きませんが、ビスケ先生の弟子だった頃に世話になった先輩の頼みなんですから遠慮せずに言って下さい」

 

『そう言って貰えると有難いです。無理難題と言う訳ではありませんが、弟子のズシに戦闘訓練をつけては貰えませんか?』

 

「俺が、ウイング先輩の弟子に? それくらいなら構いませんよ? でも、ウイング先輩の焦らずコツコツ堅実にと言う方針は良いのですか?」

 

『えぇ、大丈夫ですよ。もしも、私がルキウス君の様な途轍もない才能の持ち主と出会っていなければ、その教育方針を貫いていた事でしょう』

 

「まぁ、実際に確実性と効率を考えたらウイング先輩の教育方針は理に適っていると思いますよ」

 

『そう言って頂きありがとうございます。ですが、ズシの夢は天空闘技場のフロアマスターとなりバトルオリンピアで優勝する事です』

 

「バトルオリンピアとは、また懐かしいですね……」

 

『はい。ルキウス君が16歳の時に優勝したバトルオリンピアです』

 

「もう6年も前の話です。ですが、俺なんかで本当に良いんですか? 俺は武闘家じゃないんでフロアマスターとしては当時から見ても異質な闘士(ファイター)でしたよ?」

 

『確か、別の目的があったとかでしたよね?』

 

「そうですね……。鬱憤解消と金稼ぎ目的でした。なので偽名で闘士(ファイター)登録をしたままフロアマスターになっちゃったので、優勝した直ぐ後にバックれました。

 

 だから、まぁ……。純粋にバトルオリンピアで優勝したいってお弟子さんを多分ガッカリさせると思いますよ?」

 

『そんな事はありませんよ。君は立派な闘士でした』

 

「ん……? もしかして……??」

 

 ウイングの妙に引っ掛かる様な言い回しにルキウスは確信を持った疑う様な声で質問した。

 

『えぇ、実は私は闘士時代の君のファンでしたからね……。だから、そんなに自分を卑下する事は無いですよ』

 

「なんですか、知っていたのなら連絡をくれても良かったでしょうに……」

 

『あの当時のルキウス君は何処か張り詰めていた感じがしましたので……』

 

「そうですね……。丁度、両親が姉さん使った政争をした後だったので……。

 

 縁を切るついでに姉さんと故郷から逃亡して、姉のメンタルケアとか色々あってムシャクシャしていた感じですね……」

 

『そうだったのですか……。お姉さんはもう?』

 

「色々吹っ切れて元気していますよ。ほら、修行時代に言っていた無自覚念能力者の姉ですよ。今は完全に念能力を身に付けて堅の維持が10分超えました」

 

『やはりそうでしたかっ……! それは喜ばしい限りです』

 

「ありがとうございます。まぁ、こんな俺で良ければ先輩のお話を受けしますよ」

 

 電話で顔が見えないとは言えルキウスは頬を掻き少し照れながら笑っていた。

 

『ありがとうございます! ズシも喜んでくれると思います』

 

「それじゃ、一旦話はこんな感じにするとして……。集合場所はどうしますか? 俺が先輩達の所に向かいますか?」

 

『ふむ、そうでね……。私達は後1ヶ月以上はここに残り練の修行をするつもりです。ルキウス君はハンター試験が終わった直後のご予定は?』

 

「一旦、姉がいるクカンユ王国に行ってから数日のんびり過そうと思っていましたのでその後の予定は無しです。

 

 だから、俺達の家からジャポンまでは割と近い所にあるので俺が直接先輩達の所に向かった方が良いかと思います」

 

『分かりました。それでは、向かう際には連絡を下さい。向かいに行きますので、ね?』

 

「了解です」

 

『それでは、長々と話し込んでしまいましたが色々とありがとうございました』

 

「俺もまだまだ話し足りないので、この続きはまた今度会った時にでも話しましょう」

 

『そうですね。それが良いです。それでは、半月後以降に会いましょう』

 

 ウイングからの通信が切れて、ルキウスは彼と彼の弟子ズシとの出会いが待ち遠しいとワクワクしていた。

 

 不謹慎であると自覚はしているが早くハンター試験が終わって欲しいと思いつつ、ルキウスはズシとの訓練をどうするかについてこの時間を使い考えていたのだった。




もう既に削除されているが……
昨日、感想欄でちょっと嫌な事があった……。
気分転換に書いていたのにショックを隠せない…

また、ズシに関しては出身地や年齢がわからなかったので、ジャポン出身の11歳(遅生まれ)くらいにしました。

ゴンの誕生月が5月でキルアが7月らしいので、ハンター試験の開催時期が1月くらいから3〜4週間で行ったとして遅生まれとすると1月中旬頃かな?と考えております。

天空闘技場でのゴン達の身長差的にそんな感じかな?と思いました。ご了承の程よろしくお願いします。
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