完璧で究極のアイドルがGI九冠バに転生しました 作:雑穀ライス
時は流れて、8年の月日が流れた。
私は12歳になった。来年は中等部に進学して、その翌年にはウマ娘レースのデビュー戦が待っている。なんだか月日が流れるのが早く感じる。
ちなみにこの世界の入学式は4月ではなく1月なので、前世の感覚が残っている私とルビーは結構戸惑った。なお初等部と中等部の卒業式は12月だけど高等部の卒業式は1月から3月の間にやるのでもうひとつ紛らわしい。
高等部の卒業式だけ3か月間のスパンが設けられているのは、トレセン学園高等部の卒業式はそのままウマ娘の卒業ライブとなるからだ。
1月から3月までの毎月末に「URAファイナル」と呼ばれるレースを行い、4着以下になった時点でそこで卒業。予選、準決勝、決勝の3回レースを行うのでレースに勝ち続けたら3回も卒業ライブを行うことになる。
「URAファイナル」は1200mから3200mまでそれぞれ距離が異なる卒業レースが複数回開催されるので、短距離しか走れなかったり逆に長距離が得意なウマ娘でも自分の得意距離に合わせたレースに参加することが出来るようになっている。
現役最後のレースだから、やっぱり悔いを残さず走りたいよね。
また、トレセン学園の卒業ライブで歌う曲は「うまぴょい伝説」と決まっているが、卒業と同時に結婚をするウマ娘がかなりいるせいか「うまぴょい」という言葉がえっちな行為を差す隠語として密かに使われている。もしかしたら「処女卒業」「童貞卒業」といった下世話な言葉に合わせた下ネタだったりするんだろうか。
これまた余談が続くが、不純異性交遊は倫理観の問題ではなく現役期間中の妊娠を誘発する行為を禁止するという目的でトレセン学園の校則違反となっているので実は不純
閑話休題。私の小学生時代の話をしよう。
といっても勉強内容はほとんど前世と変わっていないので語れることは少ない。
語れるようなネタといえば、織田信長や武田信玄がウマ娘になっていたりする面白おかしい歴史改変こそなかったけれど、馬を使って戦争していた時代の歴史が一部ウマ娘の功績に置き換わっているせいで戦国最強の武田騎馬隊が可愛らしい武田ウマ娘軍団になっていたりしてこの辺が結構面白かった。
面白い展開だなぁと思ってワクワクしながら続きを読むと次のシーンでは信長の鉄砲隊にウマ娘が撃たれまくってバンバン死んでいた。悲しい。
それ以前もそれ以降も軍人ウマ娘…いわゆる「軍バ」は戦車や戦闘機といった近代兵器が開発されるまでは世界中のあらゆる戦争で活躍していたらしい。なので戦争モノの漫画で登場する女の子はだいたいウマ娘だし司令官1人が男性で部下は全員ウマ娘というどっかのスマホゲームでやりそうなストーリーを真面目な歴史ドラマでやってたりする。
前世では「日本人の発想力はすげーよアイツら未来に生きてるな」とか外人に言われていたけど、この世界では歴史的事実が21世紀の日本人の発想を追い抜いてしまったようだ。
まあエンターテインメントとして見る分にはいいけど、戦争でいいように使われた歴史のせいでウマ娘は人口比率的に少数民族になってしまったのであまり喜べない話なんだけどね。
歴史の話はここまでにして、次は体育の授業の話。
人間とウマ娘の体育の授業で明確に違うところは、なんといっても毎月末に必ず同級生と
3か月毎に3人一組でクラス対抗のチーム戦を行い、チーム戦がない月は個人戦を行う。チームメイトも走る距離も全部くじ引きで決まるため、1000m走るのがやっとなのに3000mを走らされたりする運の悪い子が発生したりする。やはりガチャは悪い文明、早く滅ぼさないと。
冗談はさておき、ウマ娘専門の学校だけあってレースに使う設備は結構ガチなものが揃っている。
順位を発表する電光掲示板があったり、ゴール前に小学生にはもったいないと思うぐらいの高級なカメラが準備されている。でもその割にはレースの着順の判定は結構ザルだった。初等部でやる月末レースはあくまで授業の一環、体育のテストみたいなものなので教師のタイパを優先しているのかハナ差未満はすべて同着扱いとされていた。
私とルビーは同い年なのでルビーとも一緒に走ったことがあったが、勝負の結果は勝ったり負けたりの互角の勝負だった。幼稚園のときは運動音痴だったのにいつの間にか凄く速くなっている。
正直に言って、めちゃくちゃ悔しい。3着以内に入ればウイニングライブに出られると頭では理解しているのに、負けると感情が爆発しそうになる。
うーん、私ってこういう性格だったっけ?
毎日が幸せだから知らないうちにわがままになっていたのかもしれない。
あと初等部ではレースに勝ってもウイニングライブは開催してくれなかった。残念。
私の成績はというと、個人戦の成績は上位のほうだけどチーム戦のほうの成績は実はあまりよくない。
というのも個人戦は9人で走るけどチーム戦は16人で走ることもあって、結構な頻度でレース中に「渋滞」が発生するからだ。
のんびり走ると渋滞に巻き込まれて身動き出来なくなって負ける。慌てて走ると最後にスタミナ切れを起こして負ける。スタートで出遅れたらそのまま負ける。実力で負けるならまだしも、自分より足の遅い子に走るコースを邪魔されて負けるのは転げ回りたくなるぐらいに悔しくなる。
あの渋滞戦法、絶対に
(※反則ではありません)
ちなみにこのレース中に渋滞が発生することを、巷では「オペラオー
あのオペラオーさんも有馬記念で渋滞に巻き込まれてレースに勝った。ごめん、自分でも何を言ってるのかわけがわからない。なんで勝てるの?やっぱりチート?ウマ娘じゃなくてチーター娘だったの?もしかしてこの世界はウマ娘じゃなくてけものフレンズの世界だったりする?
(※違います)
まあそんな感じで私はウマ娘としては平凡な小学生時代を送って、初等部を卒業した。
冬休みが終われば私とルビーは晴れて中央トレセン学園の中等部に進学する。
私達の新しい物語が今、ここから始まるのだ。
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豆知識⑤
『オペラオー
「テイエムオペラオーはどうするんだ!?
テイエムはどうする!?
残り310mしかありません!!
テイエムは来ないのか!?
テイエムは来ないのか!?
テイエム来た!
テイエム来た!
テイエム来た!
テイエム来た!!
テイエム来た!!
テイエム来たぁ!!!
抜け出すか!?メイショウドトウと!!
テイエム、テイエム、テイエムかー!?僅かにテイエムかー!!」
オペラオー「…勝ち続けると全てのウマ娘が敵になる。
そのウマ娘は完全に包囲された。
道は消えたはずだった。
――そのとき、もう一人のボクが囁いたのさ。
『ターフは僕たちの舞台だ。
少し
…ははっ