完璧で究極のアイドルがGI九冠バに転生しました   作:雑穀ライス

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さてはゴルシだなオメー

 年が明けて2016年の1月、私とルビーは日本ウマ娘トレーニングセンター学園、通称中央トレセン学園の中等部に進学した。

 私たちはGIウマ娘の娘ということでエスカレーター式で進学出来たが、どうやら一般ウマ娘には入学試験があるようだ。

 

「あって良かったね、親のコネ」

「ふふふ、アーモンドアイ。お主も悪よのぉ」

 ルビーと悪代官ごっこをしながらハイタッチをする。

 

 さて、入試をパスしたので次は学生寮への引っ越しだ。まあ私たちの場合はパスというよりスキップなんだけどね。

 中央トレセン学園には「栗東」と「美浦」という名の寮があり、中等部以上の学生はそこに抽選で入寮する。

 抽選の結果、私は美浦寮でルビーは栗東寮だった。

 

「同じ寮になれなかったねー」

「ま、こればっかは仕方ないでしょ」

 

 ルビーと同じ寮に入れなかったことにがっかりする私。

 というか、お母さんもカワカミプリンセスさんも栗東寮で過ごしたらしいのでなんだか私だけ仲間はずれだ。悲しい。

 

 気を取り直して、中等部に進学しての最初の登校だ。

 ルビーと私、それとクロノちゃんと並んで一緒に学園に向かう。

 

「ちょっと、なんでアンタがここにいるのよ?アンタ私たちより一つ年下でしょ」

「一足先にトレセン学園の中等部を見ておきたくてね。担任には欠席の連絡を入れておいたから問題ないよ」

「問題大ありでしょ」

 

 初等部の入学式をサボってまで私たちについてきたクロノちゃんをルビーが(たしな)める。

 クロノちゃんは唐突にこういうことをしでかすので、私の中での彼女の評価は「すごく頭のいい頭のおかしい子」だ。まあ芸能界でやっていくならどこか突き抜けた個性が必要なのでクロノちゃんのこういうところはむしろ長所だと思っている。なんとなくこってりとした男の人にモテそうな雰囲気してるし。

 

 そんなことを考えながら私たちがトレセン学園の校門をくぐり抜けた瞬間、

 

 

「歓迎ッ!!トレセン学園へようこそ!!!」

 

 

 校門の前で仁王立ちをする、トレセン学園の()()()()()()に声をかけられた。

 

「………?」

「……(誰だっけ、この人?どこかで見たような…)」

「うげぇ……」

 

 見知らぬ人に声を掛けられてきょとんとする私とルビー。クロノちゃんだけが露骨に顔を顰めている。

 頭の上に舟形帽を乗せた、クロノちゃんと似た髪の色をした芦毛の長髪長身のウマ娘。おっぱいはすごく大きい。もう慣れた。この世界のウマ娘はおっぱいの大きい子と小さい子しかいないからこのぐらいなら普通だ。

 ちなみにDカップは貧乳枠らしい。私はこれを聞いたときにこの世界では前世の常識が通用しないことを思い知った。

 

「おいおい、先輩ウマ娘が挨拶してるのに返事もなしかぁ?最近の若いもんは礼儀がなってないなぁ」

「入学して最初に出会ったウマ娘がゴールドシップだったら誰でも面食らうだろ、普通は」

 

 私達の様子を見てやれやれといった態度で悪態をつく先輩ウマ娘に負けじと言い返すクロノちゃん。どうやらクロノちゃんは私達の前に立つウマ娘が誰かを知っているようだ。普段の丁寧な口調が崩れているところから見て、クロノちゃんはこのゴールドシップさんに何か苦手意識を持っているようだった。

 

「まあまあ、そんな邪険にするなって。ほら、ゴルシちゃんから後輩への差し入れだぞー」

 

 そう言ってゴルシちゃんさんが私たちに野菜を渡してくる。

 きゅうりだった。

 うーん、私はドレッシングかマヨネーズがないと生野菜が食べられないタイプなので今ここで食べろと言われたらちょっとキツいかなぁ。せめてカットしてスティック野菜にしてくれないかな?

 

「あっ、思い出した!ゴールドシップさんだ!!」

 私がきゅうりを睨み付けながら頭を悩ませていると、どうやらルビーがゴールドシップさんのことを思い出したらしく声を上げた。

 

「おっ、やっと思い出したか。やっぱゴルシちゃんウマ娘の人気投票したら1位から5位まで独占しちゃう超人気者だからな!有名税で自己破産しそうだぜ!!」

「宝塚記念のゲートの中で飛び上がってバ券を買った人を絶望の底に叩き落した人だ!!!」

「ズコーーーーーーッ!!!!!」

 

 ルビーの言葉を聞いて、擬音語(オノマトペ)を自分で口にしつつゴールドシップさんが派手にコケる。一見ノリと勢いでコントをしてるだけのように見えるが、私はゴールドシップさんがコケる前に彼女の耳が一瞬へにょりと垂れたのを見逃がさなかった。

 あぁ、この人「嘘」ついてるなぁ。心の底では宝塚記念の失敗を気にしてるんだ。

 おちゃらけているけど、他人に迷惑をかける( 炎上 )系の悪ふざけは絶対に出来ないタイプの人っぽい。優しい人なんだろうな。

 

「あれあれ?ゴルシちゃん様こう見えてもGI6冠ウマ娘なんだけど、どうして後輩たちにそういう覚え方されてるのかな?」

「自分の胸に聞いてみろよ」

 崩れ落ちる人のポーズを取って落ち込むゴルシちゃん様さんにクロノちゃんが容赦のない言葉をぶつける。

 なんだろう、いつも「嘘」の仮面を被って人と接しているクロノちゃんがこんなに素をさらけ出して生き生きとしている姿は初めて見た。

 

「はじめてですよ…このわたしをここまでコケにしたおバカさん達は……ぜったいに許さんぞ後輩ども!お前たちのウマッターの発言を全部いいねしてリツイートしてやるからな!!!」

「いいねはともかく、無差別リツイートは微妙に怖いからやめろ」

 

 宇宙の地上げ屋さんみたいなことを言い出したゴリーザさんにクロノちゃんが冷静にツッコミを返す。

 まさに「打てば響く」といった感じのやり取りで、なんだか二人ともすごく楽しそうにボケとツッコミを繰り返していた。

 

「なんか相性良さそうだね、この二人」

「変人同士気が合うんじゃないの?」

「コイツと一緒にするな!!名誉棄損で訴えるぞ!!!」

「流石のゴルシちゃんもそれ以上言われたら泣くからな?」

 

 今まで見たこともないような勢いで捲し立てるクロノちゃんがおかしくて、私は吹き出してしまった。

 

「というか、あんた結局何しに来たんだよ」

「なんだか第四の壁の向こう側のリスナーから『今このタイミングでコイツらと関わり持っておかないと今後の出番がなくなる!』って電波(コメント)をビビっと受信してさ。そういうわけで面倒見のいいゴルシちゃんは居ても立っても居られずかかり気味にハアハアゼエゼエ息を荒らげながら可愛い後輩たちの顔を見に来てあげたのさ!これからよろしくな!!!」

「あんた今月URAファイナルに出走(卒業ライブ)するんだろうが」

 

 誤魔化しているのか本気で言っているのか判断のつかないことを好き勝手に言うゴールドシップさんとクロノちゃんが睨み合う。

 一瞬二人の間に張り詰めた空気が流れて、

 

 

「あへぇ」

 

 

 ゴールドシップさんが顔を傾げて白目剥きながら舌を出す変顔をした。

 あ、その顔知ってる。「3の倍数と3のつく数字のときだけアホになる」っていう芸人のネタだ。確か8年ぐらい前に流行ったネタだったはず。

 

「貴様ぁー!!」

「そんなに怒るなよ!?ファンサだよファンサ!!」

「お前のアヘ顔見て興奮出来るほど()は訓練されてないんだよ!!?」

 

 ぎゃあぎゃあ騒ぎながらクロノちゃんとゴールドシップさんが取っ組み合いをする。ほっといたら永遠にじゃれ合ってそうな雰囲気だった。

 

「クロノはほっといて、行こっか」

「うん、このままだと入学式に遅刻しちゃうからね」

 

 クロノちゃんの相手をゴールドシップさんに任せて、私達は校舎へと向かった。

 

 

 

―――――――――――――――――

 登場人物紹介⑨

 ゴールドシップ

 スリーサイズはB91W55H89(他ウマ娘の性能インフレに合わせてアッパー調整)

 

 説明不要。どこに行ってもゴルシはゴルシ。

 なお「炎上系の悪ふざけは出来ない性格」は公式設定である。じゃあなんでゲートの中で立ち上がったんだお前(憤怒)

 

 

 

 

 

 クロノジェネシスのヒミツ①

 実は、前世でゴールドシップの出たレースの馬券を的中させたことが一度もない。

 

 

 

 クロノジェネシスのヒミツ②

 実は、中の人は■■■■。

 

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