完璧で究極のアイドルがGI九冠バに転生しました 作:雑穀ライス
校門をくぐるなりいきなりゴールドシップさんが登場してクロノちゃんとひと悶着するハプニングこそあったものの、それ以外は問題なく私達のトレセン学園生活の初日は終わった。
入学式とオリエンテーションを終えて、下宿先の美浦寮に戻る。
「今日トレセン学園に入学したアーモンドアイです。よろしくお願いします」
「………」
私はこの部屋に住むトレセン学園の先輩に挨拶をする。
同室になった先輩はあまり喋らない人だった。
私の祈りは天に届いたのか、その後寮に入ってから2週間ほど経過しても前世のようにいじめを受けることはなかった。
この世界の神様は前世の神様より優しい。うん、良かった。
中学生になっても、私たちのやることはあんまり変わらない。
食べて、寝て、勉強して、走る。量と質が変わっただけの話だ。栄養バランスを考えながら自炊する時間なんてないし、ウマ娘になって食べる量が増えたのでトレセン学園にウマ娘サイズの食事を出してくれる食堂があるのが本当にありがたい。
ああ、そういえばオグリキャップやスペシャルウィーク、ライスシャワーといった大食漢…大食
現役で走っている平均的なウマ娘の一日のカロリー摂取量は8000~12000キロカロリーぐらいだ。お相撲さんの食事量が一日二食で7000~8000キロカロリーだから、一日三食計算だとだいたい同じぐらい?うん、そう考えるとウマ娘の食事量も人間とあんまり変わらないよね。どすこーい、どすこーい。
…えっ、まさかウマ娘におっぱいの大きい人が多い理由って余分な脂肪がおっぱいに蓄えられるからだったりするの?もしかしてウマ娘じゃなくてラクダ娘だった可能性が微粒子レベルで存在したりする?
ということは長距離レースを走り抜いたウマ娘は蓄えた栄養をおっぱいから消費しておっぱいが萎んでいたりするのだろうか。よし、機会があったら一度測ってみよう。
おっぱいの話はひとまず置いておいて、私達トレセン学園に入学したウマ娘はまずトレーナーからスカウトを受けることを目的にトレーニングをする。
トレーナーとウマ娘の関係は、言ってしまえば小さな芸能事務所の社長とアイドルの関係みたいなものだ。光る才能を持つウマ娘をトレーナーが集めてその子たちを一流のアスリート兼アイドルウマ娘に育て上げる。トレセン学園はそういう場所である。
年に4回、まだチームに所属していないウマ娘のみがエントリーできる選抜レースが開催されるのでこのレースに参加して自分の実力をトレーナーにアピールするのがトレセン学園中等部1年生の第一目標だ。
トレーナーが決まらなくても退学にはならないが、トレーナーが決まらなかったウマ娘は同じ境遇のウマ娘をまとめて指導している教官が顧問になるのでかなり大変。この学園でも鏑木…あれ?葛城だったっけ?名前は忘れたけどその何とかという教官が何十人ものウマ娘の教導をしている。当然人数の分だけ教官が1人辺りのウマ娘に割ける時間は減る。
そもそも「光る才能」をトレーナーに見出せて貰えなかった側のウマ娘なのでその時点で道のりは険しい。芸能界と同じでウマ娘レースの世界は残酷なほどに実力主義の世界なのだ。やりがいだけは山ほどあるが、情熱と憧れだけで勝てるほど甘い世界ではない。
トレセン学園は本格化、つまり人間でいう第二次性徴を迎えるまでは賞金の出る公式レースに出走することは出来ない。単純に勝てないからだ。
本格化は13歳ぐらいから始まるのでトレセン学園の中学1年生は猶予期間みたいなものなのだが、逆に言えばたった1年しか猶予はない。この1年間でウマ娘としての今後の人生が決定してしまうと言っても過言ではないほど重要な時期なのだ。
なんだか暗い話になってしまったが、結局は努力と才能と時の運が大事ということだ。13日の金曜日という映画に出演していた凄腕のスナイパーも成功のためには努力と才能と運が必要だって言ってたから間違いない。多分。
あれ?スナイパーの出てくる映画のタイトルってこれで合ってたっけ?まあどうでもいいか。
まあそういうわけで、少しでも運が良くなるように神頼みにやってきた。
トレセン学園の広場には3人のウマ娘を象った女神像が置かれている。この女神はトレセン学園で学ぶウマ娘たちを見守り、時に導くと言われていて4月1日に女神像に祈りを捧げたウマ娘が女神様から力を与えられて急激に身体能力が上がったとかいう噂がまことしやかに囁かれている。
…
まあ祈るだけならタダなので、観光気分でトレセン学園の広場まで来た。
三人の女神像が飾られている泉にお賽銭代わりに100円を投げ込んで、手を合わせて祈る。
えっと、レースで勝てますように。パンドラお母さんとルビーが元気でいられますように。
…またこの世界で、ヒカルと会えますように。
――あなたの願い、しかと聞き遂げました。
「……えっ?」
誰かの声が聞こえた気がしたが、辺りを見回しても泉の周りには私しかいなかった。
幽霊さんだろうか?それともまさか、本当に女神様が私が祈っているところを見ていたのだろうか。
「……今の声、もしかしてあなたなの?」
私は泉の真ん中で佇む女神像に向かって問いかける。
女神様は、私の問いに答えずただにこやかに微笑んでいるだけだった。
翌朝、目が覚めたら私のおっぱいが3センチ大きくなっていた。
女神様、誤配送です。
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登場人物紹介⑩
三女神
ウマ娘たちの始祖と崇められる3人のウマ娘「ダーレーアラビアン」「ゴドルフィンバルブ」「バイアリーターク」のことを指す。
トレセン学園の広場にはこの3人のウマ娘を象った女神像が置かれ、三人がそれぞれ掲げる壺からは水が流れ落ちている。
ウマ娘を見守り、時に導くと言われていて実際ウマ娘のアプリゲーム版ではクラシック期とシニア期の4月1週目にウマ娘に力を与えているが、この世界では気に入ったウマ娘のおっぱいを好き勝手に増量する邪神と化している。
トレーナーと結婚して人妻となったライスシャワー(現在38歳、2児の母)のおっぱいを特盛にする悪行を為したが、サイレンススズカの胸は三女神の力を持ってしても盛れなかった。たとえ女神であっても女神の力を超える願いは叶えられないという稀有な例である。
おまけ 三女神様へのお願い(三者三様)
【アイの場合】
アイ「パンドラお母さんとルビーが元気でいられますように」
三女神「わかりました。あなたのおっぱいを3センチ大きくしてあげましょう」
アイ「うわ、急におっぱいが大きくなったせいでブラのサイズが合わなくなっちゃった。仕方ない、今日はノーブラで登校するかぁ」
三女神「ちょっ!!?」
【ルビーの場合】
ルビー「この世界のせんせーと会えますように」
三女神「わかりました。あなたのおっぱいを3センチ大きくしてあげましょう」
ルビー「ちょっと、余計なことしないでよ」
三女神「そのおっぱいでせんせーを誘惑してきなさい」
ルビー「さっすが~、女神様は話がわかるッ!」
【クロノジェネシスの場合】
クロノ「芝適性と距離適性をSにしてください。あと出来れば脚質適性も」
三女神「わかりました。あなたのおっぱいを3センチ小さくしてあげましょう」
クロノ「なんでっ!!?」