完璧で究極のアイドルがGI九冠バに転生しました   作:雑穀ライス

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ゴールドシップ杯開催 ~バカは年中無休です~

 一回目の選抜レースが終わり、トレセン学園は春休みになった。

 まあ夏休みや冬休みならともかく、寮生に春休みなんてほとんど関係ない。授業の時間がトレーニングの時間になるだけだ。

 実家に帰省する子もいるがだいたい2、3日経ったら戻ってくる。「休みボケでレース感を鈍らせるほうが怖い」と真顔でいう真面目ちゃんばかりである。

 かくいう私も2、3日練習をサボるとなんだか気分が落ち着かなくなってくる。なんてことだ、いつの間にか私まで真面目ちゃんになってしまっていたのか。

 

 そんな事情に加えてこの世界では1月に入学式をやるので春休みの影がかなり薄いし、おまけにトレセン学園では春休み中にオープンキャンパスをやっているのでいつもと比べてあまり学生の数は減っていない。

 むしろ初等部のウマ娘が学園にやってきている分、普段より人が多いぐらいである。ちょっとした文化祭みたいになっている感じだ。

 そして私とルビーは社長のチームの出し物としてオープンキャンパスにやってきた初等部のウマ娘たち相手にゲリラライブを仕掛けるために登校していたのだが。

 

 なぜかゴールドシップさん主催のウェルカムレースに参加する羽目になっていた。

 

 

 

「第114514回!ゴールドシップ杯開催だぜー!!!」

「おー」

「ぱちぱちぱちー」

「なんなんですか・・・?ここ、どこですか・・・?何で私連れてこられたんですか・・・?」

 

 全く状況を理解していない私とルビーだったが、取り敢えず空気を読んでゴールドシップさんの宣言に合わせて合いの手を入れておいた。

 私達はゴールドシップさんとその仲間たちに誘拐されて、まるでお米を運ぶように担がれてトレセン学園にあるエキシビション用のレース場に連れてこられた。練習試合(ルームマッチ)をやるときに使うところだね。私もこの3か月で何回か使ったことのある場所だった。

 ゴールドシップさんの誘拐を手伝ったのはニット帽を被ったウマ娘とメガネをかけたウマ娘と「慢心せずして何が王か!」とか言う言葉が似合いそうな豪奢な見た目のウマ娘だったが、みんなゴールドシップさんの知り合いなのだろうか。全員GIレースで優勝してそうな凄いオーラを発していてなんだか怖い。

 

 ちなみにオープンキャンパスに参加していたクロノちゃんもゴールドシップさん達に誘拐されたらしく、誘拐犯のメンツを見てなんか宇宙人と超能力者と鹿(キョン)が集まっている部屋に連れて来られた未来人みたいな反応を返していた。

 うん、クロノちゃんのこの様子は多分誘拐犯のメンバー全員がゴールドシップさんの同類だって知ってる感じの反応だ。つまり全員危険人物ってことだね。出来るだけ逆らわないようにしよう。

 

「私たち以外にも誘拐されてきた子がいるね。クロノ、知ってる子?」

「・・・私の同い年の瞬足ウマ娘と、私の一歳年下の瞬足ウマ娘。全員未来のGI勝利ウマ娘候補・・・」

 

ルビーの問いかけにクロノちゃんが遠い目をしながら答えた。

 …へぇ。ここにいる子たち、将来全員私たちのライバルになるのかぁ。それはなんというか、うん、楽しみだ。

 

「あなたたちも災難だったわね」

 ルビーが近くにいたゴールドシップさんの拉致被害者に声を掛ける。

 

「はい、学園の敷地内では地元みたいにいきなり熊と出くわすこともないだろうと思って気を抜いていたのが拙かったですね」

 

 世間話のつもりでルビーは声を掛けたのだが、その声を掛けた後輩から想像の斜め上を行く回答が返ってきた。

 おおう、可愛い顔して中々ワイルドな生活をしている後輩だ。流石ゴールドシップさんが選んだ人材だけあって濃い個性を持っている。この感じだと、他のメンバーも曲者揃いだったりするのかな?

 

「トレセン学園にようこそ後輩ども!ところで今日は何の日か知ってるかー!?」

 そんなことを考えていると、誘拐犯の親玉であるゴールドシップさんがいきなりそんなことを言い出した。

 

「えっと、トレセン学園のオープンキャンパスの日ですよね?」

「別に祝日でもないし、今日ってなんか語呂合わせの記念日とかあったっけ?」

「あ、ちょうちょ」

 

 被誘拐組の後輩が律儀にゴールドシップさんの質問に答える。クロノちゃんは死んだ魚のような目をしながらひらひら飛んでいる蝶々を見つめていた。精神崩壊してる場合じゃないってば。

 

「ああん?こんな基本的なことも知らないのか今時の若いもんは?」

 やれやれと肩をすくめるジェスチャーをしながらゴールドシップさんが言う。

 

「今日は4月2日!つまり!エイプリルフール2日目だぁーーーー!!!!」

 両手を正面に向けて真っ直ぐに伸ばしながら人差し指をこちらに向けるポーズを取りながら、ゴールドシップさんが言い放った。

 なんだかよくわからないが、すごい自信だ。

 

「エイプリルフールに2日目ってあったっけ?」

「バカは年中無休だって意味だよ」

「何とかしなさいよ、クロノ。あんたの先輩でしょ」

「俺をゴールドシップ担当みたいに言うなよ!人権侵害だぞ!!?」

 

 ルビーにゴールドシップさんの世話役を押し付けられたクロノちゃんがブチ切れた。男言葉になってるあたり、本気で嫌がってるっぽい感じだ。

 そんなクロノちゃんの様子を見たゴールドシップさんがすすすとクロノちゃんに近づいてきて、クロノちゃんの肩に手を置きながら優しく囁きかける。

 

「アイム、ユワ、シスター」

「ノオオオオオオ!!!」

 

 クロノちゃんが叫びながら崩れ落ちた。

 息ぴったりだった。

 そんなノリのいい反応しているからルビーにゴールドシップさん担当とか言われるのに。

 

 

 

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 アーモンドアイのヒミツ②

 実は人の顔と名前を覚えるのがすごく苦手。

 

 

 ゴールドシップのヒミツ①

 実はトレセン学園を卒業後、ドリームトロフィーリーグに行かずぱかチューバーになった。

 (なおドリームトロフィーリーグに登録はしているのでトレセン学園にも出入りできる)

 

 ゴールドシップのヒミツ②

 実はクロノジェネシスへの好感度がかなり高い。

 

 

 クロノジェネシスのヒミツ③

 実は「尊敬してるウマ娘は?」と聞かれたら「カスケード」と答えるようにしている。

 

 

 ニット帽を被ったウマ娘のヒミツ①

 実はトレセン学園在学中に万バ券を当てたことがあるが、校則違反がバレて退学になる前にバ券を焼却処分されたことがある。

 

 

 慢心王っぽいウマ娘のヒミツ①

 実は本当に慢心王のコスプレを勝負服にしようとしたことがあるが、鎧が重くて断念した。

 

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