完璧で究極のアイドルがGI九冠バに転生しました   作:雑穀ライス

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グダグダなレース展開 ~全部ヒカルが悪い~

 私はヒカルのおっぱいを一通り捏ねくり回した後、ルビーに止められる形でヒカルから引き離された。

 危なかった、ルビーが止めてくれなかったら日が暮れるまでずっとヒカルのおっぱいを揉み続けていたかもしれない。

 私に胸を揉まれたヒカルは顔を真っ赤にしながら芝生の上に倒れ込んで釣り上げられた魚のように時折ビクンビクンしている。少しやりすぎたかもしれない。

 

「あの、お姉ちゃんのおっぱいどうでしたか!?」

 頭の中がピンク色に染まってる私にア()()リアちゃんが聞いてくる。どうやらこの世界のヒカルはアグレリアちゃんのお姉さんらしく、突然現れたゴールドシップ誘拐団に攫われた妹を探して学園内を走り回っていたらしい。

 

「いつまでも揉んでたいと思わせる不思議な魔力があった」

「ですよね!お姉ちゃん、クラスで1番おっぱいが大きいんですよ!!」

 取り敢えずヒカルのおっぱい柔らかくて気持ちいいよねーと本音を語ってみたらなんだか妹ちゃんと意気投合してしまった。流石はヒカルの妹だ、話がわかる。ヒカルのおっぱいの具合を知っているということは、姉妹一緒にお風呂とか入っていたりするのだろうか。ちょっと羨ましい。

 ちなみにヒカルのウマ娘としての本当の名前は「シャインツリー」という名前らしい。まあ「輝く(シャイン)」だからヒカル呼びのままで問題ないだろう。既成事実さえ作ってしまえばそのうちニックネームとして定着するだろう。むしろさせる。

 

「…オホン。取り敢えずレースを始めたいので、皆ゲートに入ってくれないかな?」

 

 ()()()()お姉さんがわざとらしく咳払いをしてゲート入りを促してきたので、私たちは急いでゲートの中に入った。

 ゲートの枠順は早いもの勝ちだったので、ヒカルと乳繰り合っていて出遅れた私は一番外枠に追いやられてしまった。うぬぅ。

 

 クロノちゃん、ルビー、()アちゃん、ラブちゃん、カレンちゃん、アグレリアちゃん、メロディちゃん、私の順番でゲートに入る。

 ヒカルは学園内を走り回って疲れていたところを私がおっぱいを揉みまくってトドメを刺してしまったので不参加だ。元々ヒカルの出走の予定はなかったし、私は悪くない。一度揉んだら離してくれないヒカルのえっちなおっぱいが悪い。

 

「よーし、それじゃあこのゴールドシップ様が将来有望な後輩たちを揉んでやろうじゃないか」

 私が脳内裁判で無罪を主張していると、私の隣のゲートにゴールドシップさんがずかずかと入って来た。

 

「ヒカルのおっぱいは揉ませませんよ?」

「…このゴルシちゃんにツッコミ役をさせるとは、お前もクロノ並に才能あると思うぞー」

 

 なんだかぎこちない笑顔を浮かべるゴールドシップさんにクロノちゃん呼ばわりされた。

 えっ、私もクロノちゃんと同じ変人枠扱いなの?

 

 なんだか釈然としない想いを抱えながら、私はゲートの中でレースが始まるのを待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「…今回のレースは私、ドリームジャーニーとオルフェーヴルが解説、実況させていただきます」

「うむ、ご苦労。姉上の良きに計らえ」

 

「トレセン学園練習コース、芝1600。まもなく発走です。

 1番人気は9番ゴールドシップ。しかしヤツが出走するレースが順当な結果に終わることはないでしょう」

「ちなみに人気投票はこの私、ナカヤマフェスタがその辺を歩いていたウマ娘に聞きこんで集計してきたぜ。それにしてもゴルシを選ぶ奴がこんなに多いとは、なんか見る目がない奴ばっかだな」

「むしろゴールドシップしか知ってるウマ娘がいなかった、といったところではないでしょうか?」

「なるほど、そりゃそうだな」

「ゴールドシップの相手はまだ本格化も始まっていない子供。彼奴が本気を出せば敵うはずもない勝って当たり前の勝負だが、それでは余りにも無粋極まりない。

 彼奴のことだ、皆が腹を抱えて笑えるような余興をどこかに準備しておるのだろう」

「それでは彼女がこのレースでどんな芸を披露するのか期待しましょう」

 

 

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練習試合(ルームマッチ)

【芝1600メートル/左回り/トレセン学園練習コース /天候 : 晴/芝 : 良】

 

 

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【コース説明】

直線:       0~500m

コーナー:   約500~800m

最終コーナー: 約800~1100m

最終直線:   約1100~1600m

上り坂:      なし

下り坂:      なし

 

 

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「――各ウマ娘、スタートしました。先頭を走るのはゴールドシップ。後続をどんどん突き放します。おっと、アーモンドアイが出遅れていますね。

 4バ身、5バ身、逃げるゴールドシップ、後輩たちに容赦をする気はなさそうです」

「出遅れ常連のゴールドシップがハナを走るとか、もうこれだけで面白いよな」

「しかしこれではただの大逃げ、芸というにはあまりにも弱い。まだまだ奴の懐には手品のタネがあるだろう」

 

 

 ……レースが始まる前から少々気合が入りすぎてたせいか、ゲートが開いた瞬間に思考がぶっ飛んでいきなり出遅れてしまった。

 

 うわぁやばいやばい、完全に失敗したぁ!!!!

 絶対にヒカルのせいだ!レース前にヒカルに再会した喜びで私の頭完全にバカになってた!!早く出遅れた分を取り戻さないと!!

 

 

「ゴールドシップ更に突き放してしてリードはすでに8バ身。2番手はホシノルビー、少し離れてクロノジェネシス、ラヴズオンリーユー、カレンブーケドール、メロディーレーン、デアリングタクト、アーモンドアイ、最後尾がアレグリア。

 おや、スタートで出遅れたアーモンドアイが必死に前に出ようとしています。これは少し掛かっているかもしれませんね」

「未熟。だがそれもまた良し。手痛い失敗は今後の糧となろう」

「あっという間にアーモンドアイ2番手に浮上。この判断が吉と出るか凶と出るか目の離せないレースとなっています」

 

 いつの間にかルビーたちを抜いて2番手になっていた。

 出遅れを取り戻そうとペースを上げた自覚はあるが、開幕出遅れの精神的ショックで頭が真っ白になっていたせいでペース配分を間違えてしまったような気がする。少し拙い状況だ。

 

 遅ればせながら若干ペースを落として息を入れる。そうしているうちにもゴールドシップさんにどんどん引き離されていくが、あんなおちゃらけた人でもGI6冠ウマ娘、今の私が敵う相手ではない。アレは仕方ないと自分に言い聞かせてその後ろを追いかけたくなる気持ちをぐっと堪えて我慢する。

 なんだかレースが始まったばかりなのに大分スタミナを消費してしまったが、いいところで前を塞がれるよりはまだマシだと私は割り切ることにした。そのままスピードを維持して私は先団を走り続ける。

 

 よし、自分の失敗を客観的に見つめられる程度に頭が冷えた。位置取りも悪くないし、ここから仕切り直しだ。この後コーナーできっちり最短距離(インコース)を走って経済コースを進めばこの程度のミスならまだまだ挽回可能なはず。

 後ろからクロノちゃんたちの足音がすぐそばまで迫ってくるのを感じるが、そう簡単には負けてあげないよ。

 

 

 

「……先頭のゴールドシップ、最終コーナーを回って直線コースに入ります。後続は800m地点を通過して時計は1分10秒、本格化前のウマ娘としては高タイムと言えるでしょうか。先頭のゴールドシップは今最終コーナーを回って直線に入りました。2番手以降との差は軽く100バ身を越えています。

 ゴールドシップ独走、文字通り大人と子供の勝負です。全くレースが成立していません。残り400m経過、余裕の一人旅を終えてまもなくゴール……

 おや?ゴール目前でゴールドシップが失速して停止、座り込んでジュースを飲み始めました」

「あー、そう来たかぁ。そういやアイツ、昨日ばんえいレースでゴール直前で全員へばってる珍プレー動画見てたよなぁ」

「ふむ、最初からそういう『落ち』をつける算段だったか。相変わらず(かぶ)いておるな彼奴は」

「レクリエーション扱いのウェルカムレースだからこそ出来る暴挙ですね。これで勝負の行方はわからなくなりました」

 

 

 

「あー疲れた!ここで休憩!!」

 ゴールドシップさんはゴール目前でターフの上にどかっと腰を下ろし、ポケットから取り出したトマトジュースのプルタブをカシュっと開けてゴクゴクと飲み始めた。

 ……人間を乗せたソリをウマ娘が引く「ばんえいレース」ならレース中に休憩するような状況も普通にありえるが、練習とはいえ芝のレースの途中でジュースを飲みながら休憩しようと考えるウマ娘は後にも先にもゴールドシップさんぐらいだろう。まあいいや、ゴールを譲ってくれるというなら貰っていく。序盤でかなりスタミナを消費してしまったが、そこは根性でカバーすればいいだけの話だ。

 末脚には自信がある。このまま抜かれなければ勝てる。

 最終コーナーを回って残り500m、残すは最後の直線のみ。後は意地と気合の勝負である。

 

 

「最終コーナーを抜けて2番手争いはアーモンドアイとクロノジェネシス、その後ろからホシノルビーとカレンブーケドールが迫っている。ここでラヴズオンリーユーととアレグリア、デアリングタクトも仕掛けてきた。その差はわずか。最後尾のメロディーレーンはここまでか……なっ!?」

「……なあ、私の目には『ここにいるはずのない人』が走っているように見えるんだがアレは幻覚か?」

「奇遇だな。余の目にも同じ人が映っているぞ」

 

 

 

 

 

 ……なんだか後ろが騒がしいが、今の私に後ろを気にする余裕はない。

 クロノちゃんたちがすぐ後ろまで迫ってきているのは分かっているが、序盤で大きく消耗しているのでここで抜かれてしまったら差し返す力は私には残っていないのだ。

 なので少しでも体力の消耗を抑えながら気合と根性の追い比べでなんとか逃げ切ろうと脚に力を込めるが、

 

「えっ…えええええええええ!!!!!」

 すぐ隣で競り合っていたクロノちゃんが後ろを見て大声を上げた。

 

 

 

「なんでステゴがここにいるんだよぉおおおお!!!!?」

 

 

 

 

 

「アネゴ、じゃなくてステイゴールド、ステイゴールドだ!最終コーナーの向こう側から突然乱入してきたステイゴールドが後ろから迫ってくる!」

「いや普通に反則だろ」

「ステイゴールド鋭い差し脚で追い上げる!最後方から一気に先頭集団に迫る!!残り300m!

 先頭集団まであと5バ身!4バ身!さあアネゴ頑張れ!行け!!」

「少し身内贔屓が過ぎるのではないか?姉上」

「ステイゴールド!ステイゴールド迫ってくる!ステイゴールド!差し切れ!!」

「だめだ聞こえてねぇ」

 

 

 突然私達のレースに裾が擦り切れた旅用のコートを着てゴーグルを首からぶら下げた小さなウマ娘が乱入してきて、物凄いスピードで私たちの隣を駆け抜けて全員を抜き去っていく。

 ちょっと待って!?飛び入り参加とかそんなのアリ!!?

 

「誰よアンタぁあああ!!!?」

「理不尽すぎるぅううう!!!!」

 

 

「ステイゴールド!ステイゴールド!ステイゴールドォォォォ!差し切ったーーーーっ!!!」

 

 

 ルビーとクロノちゃんの悲鳴を置き去りにして圧倒的なスピードで私たちの先頭を走るステイゴールドさん。まるで彼女のために準備されていたと言わんばかりに私達の間にウマ娘一人分だけポッカリと開いていたスペースを悠々と走り抜ける。

 そしてその先にはゴールの前でトマトジュースを飲みながら休憩しているゴールドシップさんがいた。

 

「ああああ!!!タンマタンマ!!!?」

 

 まあ、前にゴールドシップさんがいるのが分かっていたからみんなそのコースを走らなかったわけで。

 

 ステイゴールドさんが走る先は完全にゴールドシップさんと激突するコースだったが、ステイゴールドさんは減速するどころかむしろ加速してゴールドシップさんに迫っていく。

 ゴールドシップさんが慌てて立ち上がってステイゴールドさんから逃げようとするが、一足遅かった。

 そのままステイゴールドさんはゴールドシップさんに向かって突撃し、

 

 

 

 

 逃げ遅れたゴールドシップさんのお尻を思いっきり蹴とばした。

 

 

 

「ぐはぁーーーーーー!!!!!?」

 

 

 自動車並のスピードで走るウマ娘の勢いを乗せた強烈なキックをお尻に食らったゴールドシップさんは、まるで血反吐のようにトマトジュースを吐き出しながらサッカーボールのように空を飛んでいく。

 なんというか、「ゴールドシップくん ふっとばされた!」って感じの飛び方だった。

 

 そのまま吹っ飛んでいったゴールドシップさんがゴールラインを越えてレースは終了。新入生のためのウェルカムレースはゴールドシップさん1着、ステイゴールドさんが2着という形で決着した。

 

 

 

 なお私は結局最後で垂れ(バテ)て8着だった。

 ごめん、キレていいかな?

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 登場人物紹介⑯

 ステイゴールド

 

 スリーサイズはB67W49H68(32歳時点でのサイズ。現役時代と全く変わっていない)

 過去に中央トレセン学園で活躍していたウマ娘。活動期間は13歳から19歳までの間で、高等部卒業後も特別在校生としてトゥインクルレースに参加していた。

 実は並行世界で競走馬だった頃の自分を認識している正真正銘の「転生者」であり、そういう意味では彼女はアイやルビーたちの先輩と言える。

 

 なんか顔見知りの後輩たちが楽しそうなことをやってたのでつい出来心で乱入して1着を取ってしまった。

 ゴールドシップを蹴った理由?そこにゴルシのお尻があったからさ。

 

 

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