完璧で究極のアイドルがGI九冠バに転生しました 作:雑穀ライス
非常に励みになります。
「クロノー、『烈海王ごっこ』しようぜー」
「なんだよそれ。海の上をダッシュで走るのかよ」
「そうそう、それ!ヒトミミに出来てウマ娘に出来ないわけないよなぁ!!!」
夏合宿2日目、クロノちゃんとゴールドシップさんがまた馬鹿な遊びをやろうとしていた。
「どうして私がゴルシの遊びに付き合わないといけないんだよ」
「ほーん?逃げるのかぁ?まっ、仕方ないかぁ。クロノちゃんはまだ本格化も始まってないおこちゃまだしぃ?出来るわけないことやらせようとしてごめんねぇ?」
「
ゴールドシップさんにあっさり丸め込まれたクロノちゃんは、2人で水上をどれだけ走れるか競うレースをすることになった。
そういう煽りに弱いところもクロノちゃんの可愛いところだと思うよ。私は。
「ルールは簡単、海に沈む前に水上を走った距離が長い方が勝ち。ジャンプは禁止。助走は好きなだけ走ってよし」
「上等だ。15mと言わず100mぐらい走ってやるよ」
水着姿に着替えたクロノちゃんとゴールドシップさんが対峙する。本当にスクール水着が似合う体形してるなぁクロノちゃんって。
クロノちゃんたちの勝負が気になって集中出来ないので私たちはトレーニングを中断して野次馬をしに行った。野次馬というか、野次ウマ娘?この世界ではどっちが正解なんだろう。
「…先行は私だな」
「がんばれー」
10円玉のコイントスで先行後攻を決めて、まずはクロノちゃんが先に走ることになった。
十分な助走距離を取って、はい、よーいスタート。
「……わぷっ!?」
最初は行けそうな感じだったけど、3歩目で急速に減速して沈没。クロノちゃんの走行距離はゴールドシップさんが15m地点に浮かべたブイには届かなかった。
なぜ15mなのかと言えば、2人が言う烈海王さんとやらが「問題ない!15mまでなら!!」と言いながら水面走りを決めたかららしい。漫画のキャラと本気で張り合っているのがなんというか、クロノちゃんとゴールドシップさんらしいというか。
「わはは!水没してやんの!!やーい、お前の母ちゃんオッツダルヴァー!!!」
「むきぃいいいい!!!」
ゴールドシップさんに煽られたクロノちゃんが水面をばしゃばしゃ叩いて悔しがる。なんだか可愛い。あざとい。ずるい。
「さて、それじゃあ先輩がお手本を見せてやらないとな」
そう言ってゴールドシップさんはグッグッと
…クラウチングスタートってスターティングブロックがないと余計に速度が落ちるんだけど。まあゴールドシップさんだしツッコむだけ野暮というか、無駄なんだろう。
「おらっしゃあああああ!!!!」
ゴールドシップさんは気合で15m地点を強引に走り抜け、20m手前ぐらいまで進んだところで力尽きて水の中に沈んだ。
うわぁ、ウマ娘って本当に水の上を走れるんだぁ。
「よっしゃあ!私の勝ちー!!!」
水面に浮かび上がってきたゴールドシップさんがガッツポーズを取る。それを見たクロノちゃんは能面のような表情で静かに去っていった。
クロノちゃんが帰った後、私たちも水面走りにチャレンジしてみたが15m地点まで走り抜けられたウマ娘はゴールドシップさん以外に誰もいなかった。
そりゃそうだよね、ウマ娘は陸で生活する生物だ。水面をダッシュで走れるのは一部の変態だけだと分かって安心した。
知的好奇心が満たされたのでそろそろトレーニングに戻ろうとしたら、そこにクロノちゃんが戻って来た。
…足に水上スキー用のスキー板を装備した状態で。
「人類は道具を使うことで進化してきた。私はその先達の知恵に倣う」
「そ……ッッ そうきたかァ~~~ッッッ」
クロノちゃんの機転と覚悟を見たゴールドシップさんは驚愕しながらたらりと冷や汗を流した。ていうか、あんな大きなスキー板を履いて走れるの?
私の頭に浮かんだその疑問に答えるかのように、クロノちゃんが海に向かって走り出した。
「大自然よ!世界の物理法則よ!人類の叡智にひれ伏せ!!」
クロノちゃんが海面を爆走する。
その勢いは衰えることなく15m地点を越え、さらにその倍の距離を走り抜ける。
「これが人類の勝利だぁあああああ!!!!」
最終的にクロノちゃんは、ゴールドシップさんの出した記録の倍以上の距離を走り抜けていた。
クロノちゃんの走り抜けた記録は50m。そこで力尽きて彼女は海に沈んだが、そのときに頭から海に沈んだせいでクロノちゃんは上下逆さまに一回転してスキー板だけが水面に浮かぶ逆立ち状態で溺れるハメになった。
あ、もしかしなくてもヤバい状況なやつ。
「
水を飲んで混乱したクロノちゃんが中国語で必死に助けを求める。いやそこはボケてる場合じゃないでしょ!?
私達は慌ててクロノちゃんの救助に向かった。
教訓、海で遊ぶときはライフジャケットを装備しよう。
想定外のトラブルは多々あったが、夏合宿はおおむね無事に終了した。
とらぶるメーカーだった2人も2~3日ほど遊んだらさっさと帰ってしまったので、その後はだいたい平和になった。自腹での旅行だしね、しょうがないね。
さて、ここからは少しダイジェストで。
2016年度の秋華賞はヴィブロスというウマ娘が勝利した。父親が有名なプロ野球選手らしく、かなり話題になっていた。
2016年度の菊花賞と有馬記念はサトノダイヤモンドというウマ娘が勝利した。父親が有名な資産家らしく、かなり話題になっていた。
2016年度の天皇賞(春)とジャパンカップはキタサンブラックというウマ娘が勝利した。父親が有名な演歌歌手らしく、かなり話題になっていた。
…今年のGI勝利ウマ娘、有名人が父親のウマ娘が多くない?
今年は特にキタサンブラックとサトノダイヤモンドが話題のほとんどを掻っ攫っていった。
かたや去年の菊花賞と合わせてGI3冠ウマ娘、かたや
特にこのキタサンブラックというウマ娘はすごい。一目見ただけで分からされた。この感覚…まさか、恋!?
そんなわけないか。
キタサンブラックもすごいけど、中等部で有馬記念を勝利したサトノダイヤモンドもすごい。有馬記念って総合力が求められるレースなんだよね。
長距離レースだから内枠が有利かと思いきや、最初の200m手前ぐらいでコーナーがあるのでこの時点で先頭集団に入れなければ内枠は
中盤は中盤でスタミナ配分を考えながら全体のペースへの対応と位置取りの対応の早さを求められて。
終盤は終盤で最後の直線が310mと短い上に上り坂になってるから早めに仕掛けないと間に合わなかったり。
スタートで出遅れた子?そんな子は問答無用でオペラオーシフトの刑だ。
逃げウマ娘がいる場合はハイペースなレースになるから先行策を取っている子が有利だったり。
逆に逃げウマ娘がいない場合はスローペースなレースになるから瞬発力のある差し脚質の子にもチャンスが生まれたり。
とにかく有馬記念は他のレース以上に頭を使うレースなのだ。
頭の悪い子…もとい、レース勘の悪い子では有馬では勝てない。
この話を聞いた私は即座に作戦立案を社長に任せることにした。思考停止?いやいや、信頼って言って欲しいなぁ。
少し前置きが長くなったが、有馬記念が終われば冬休みだ。むしろ冬休み中に有馬記念があると言ったほうが正しいかもしれない。
そしてトレセン学園は1月が新学期。つまり冬休みが終われば私たちは
私達の
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豆知識⑦
有馬記念について
いやぁ、1月の有馬記念チャンミは強敵でしたねぇ・・・
Q:ウマ娘って水の上を走れるんだぁ…
A:
猫好きウマ娘「ゴールドシップは水上走行ウマ娘の中でも最弱……」
漢方仙女「15mぐらいで満足するとはヴィクトリー倶楽部の恥さらしよ……」
学級委員長「バクシンバクシンバクシーン!!!」