完璧で究極のアイドルがGI九冠バに転生しました   作:雑穀ライス

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いきなり始まるDEATHゲーム

「それじゃあ始めるぜ……王様だーれだ!!」

 

 ゴールドシップさんの合図と共に一斉にくじを引く。

 私の引いたくじは白の4番。外れだ。

 

「おっ、王様は私か」

 最初に王様の証である赤色のくじを引いたのは、ナカヤマフェスタさんだった。

 

「それじゃあ、何を命令するかな……」

「いいこと教えてやるぜ、ナカフェス」

 

 満面の笑みを浮かべたゴールドシップさんがナカヤマフェスタさんに話しかける。

 

「王様ゲームってのはなぁ…最初の一発にドギツい罰ゲームを持ってくると面白い展開になるんだ。その後に続く罰ゲームのレートを下げられなくからな?」

「なるほど……最初の罰ゲームの選び方で鉄火場に出来るのか」

 

 ゴールドシップさんがナカヤマフェスタさんに入れ知恵した情報がかなりシャレになってない内容だった。しかもそれを聞いたナカヤマフェスタさんは乗り気の様子でかなりやる気満々である。もうすでに嫌な予感しかしないんですけど。 

 

 

「よし、決めたぜ。それじゃあ最初の命令は……

 

 

 

 『1番が2番にディープキスをする』だ!!」

 

 

 

「「「ええええええええええ!!!?」」」

 

 

 ナカヤマフェスタさんの出した命令を聞いて、ルビーとクロノちゃんとキタさんが大声を上げた。

 うん、確かに最初の命令でキスを持ってくるのは中々にヤバいチョイスだと思う。紅白歌合戦で最初の歌手に小林幸子を出してくるような暴挙だよこれ。ということはもしかして、これ以降の王様の命令はキスよりもヤバい命令ばっかり出てくる…ってコト!?

 

 とりあえず4番の私はセーフ。誰にヒットしたのだろうと辺りを見回すと、クロノちゃんが青い顔をしながらくじの番号を見つめてた。

 私はクロノちゃんの背後に回り込んでくじの番号を覗き込む。

 

「クロノちゃんが2番かー。それじゃあ1番は?」

「あの…私です……」

 

 再度辺りを見回すと、キタさんがおずおずと手を挙げた。

 

 

「よし、セーフ!」

「アウトだっつーの!!」

 

 犠牲者がクロノちゃんだったことに安堵してたら、クロノちゃんが顔を真っ赤にして抗議してきた。

 えっ?いつものログボがちょっと増えただけだから実質ノーダメージじゃないの?

 

「仕方ないですね……」

「えっ」

 

 何かを決心した目つきをしながらキタさんが立ち上がってクロノちゃんと向き合う。

 目がマジだ。GIレースに出るときと同じ眼光をしている。

 まさか。

 

「大丈夫だよクロノちゃん!これはゲームなんだから!!全然!これっぽっちも!!下心はないからね!!!」

「どうしてそんなにノリノリなんだよぉおおお!?」

 

 ぐわしとクロノちゃんと肩をつかみ、ニヤつくのを我慢しているような表情で顔を寄せていくキタさん。思った以上にキタさんからクロノちゃんへの好感度が高かった。

 よかったねクロノちゃん、毎日のログボでセクハラされたのは無駄ではなかったみたいだよ。

 

「イきます!」

「イくなぁ!」

 

 クロノちゃんの頭を押さえて一度深呼吸して限界まで息を吸い込んだ後、キタさんはガバっと勢いよくクロノちゃんの唇にキスをした。

 

 

「んん~~~~っ!」

「んんぅ~~~~~~~っ!!!?」 

 

 ぶっちゅるるるるぅううううう、と激しい擬音語が聞こえてくるような情熱的なキスがクロノちゃんに炸裂する。

 クロノちゃんはバタバタと数回手を動かした後、バンバンとキタさんの背中を叩くが彼女はお構いなしにクロノちゃんの唇を吸い続けた。

 タップ(ギブアップ)させてもらえなかったクロノちゃんはなんとかキタさんを押しのけて脱出しようともがくが、逆に抑え込まれてぴったりと密着される。恋人同士のキスというよりは、カエルを丸吞みするヘビの捕食シーンのような凄惨な雰囲気だった。

 

「うわぁ、舌入ってるよあれ……」

 

 後ろからルビーの呟きが聞こえてくる。うん、愛は素敵で素晴らしいと思うけどアレはあんまり羨ましくない。

 私はなんとなくヒゲの配管工がジャンプしてレンガを叩いて「なんでもお願いを聞くチケットの欠片」をチャリンチャリンと集めている姿が頭の中に浮かんだ。今回の一件でキタさんは何回クロノちゃんのお願いを聞くことになるのだろう。

 クロノちゃんはしばらく抵抗していたが、やがてビクンと身体を震わせた後に全身の筋肉を弛緩させて大人しくなった。酸欠だね、あの反応は。

 

 

「……ぷはぁ!!」

 

 キタさんは大人しくなったクロノちゃんをしばらく貪った後、おじさんがビールを一気飲みした後に出すような声を出してクロノちゃんを解放した。そしてキタさんから解放されたクロノちゃんは床にうつ伏せになったままビクンビクンと痙攣していた。死後痙攣かな?

 

「いやー一発目から凄いのが出たなー。1回表の最初のバッターで入ってホームランをぶっ放す大谷翔平みたいな盛り上がり方だったぜ!」

「おうよ!次はもっとすごいのが出るのかと思うと楽しみだな!」

 

 ご機嫌な様子でハイタッチを交わすゴールドシップさんとナカヤマフェスタさん。

 いきなり始まった王様ゲーム風デスゲームを目の当たりにして私はこの先生きのこれるのか心配になってきた。もうこうなったら次の王様くじを自分が引いて罰ゲームの内容を優しいものに変えるしかない…!

 

「それじゃあ2回戦いくぞー。王様だーれだ!!」

 

 再度ゴールドシップさんの合図と共に一斉にくじを引く。キスの後遺症で悶絶しているクロノちゃんはくじを引けないのでみんなが引いた後の余り物を押し付ける形になった。

 

 私はくじを引く自分の手に力を込める。

 来い。赤色のくじ、来い!!

 この世界の平和を守るために力を貸してください!三女神様!!

 私が引いたくじの番号は――

 

 白の1番。ダメだった。肝心なところで全然役に立たないよこの世界の神様は!

 

「よっしゃぁ!王様ゲット!!」

 しかも三女神様が次の王様に選んだウマ娘はよりにもよってゴールドシップさんだった。

 

 もうだめだぁ…おしまいだぁ……

 

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