今回はまぁ、題名的にいい感じの回っぽそうですよね。はい。
ちなみに、文化祭編が最悪、あと10話くらい続くかもです。まぁ、それは極力避けたいと思います。でもこの編は前から考えていたものなのでねぇ。色々思い入れもあります。
文化祭前日も俺は多田森のバスケの練習に付き合わされていた。しかし、今日は体育館が使われているらしく、校庭の隅っこで練習である。
「うぃ〜っす」
「柚子木くん。来てくれたんだ」
来てくれたんだじゃねぇだろ。誰のせいで好きでもないバスケしてると思っとるんじゃ!このアホッタレ。
俺は校庭のフェンスを見た。校庭のフェンスにはバスケのリングっぽい物が取り付けてある。
「何?あれ」
「ああ、あれは僕が作った取り付け式のやつだよ」
「取り付け式?そこまで作ったの?」
「うん!昨日は運よかったけど、ほぼ体育館は他の部活で使えないから、よくここで練習してんだ。だから作ったんだよ」
いや〜、本当に多田森はバスケが好きなんだなってよく思うけどここまで来るとさ、なんか、バスケ馬鹿みたいだよね。本当に。
多田森は持っていたボールを俺にパスした。そしてこんな事を言った。
「ねぇ、人、集まってるかな」
多田森はどこか諦めているようだった。それは今までの経験がそういう姿にさせたのだろう。来る人はいない。でも出て行く人はいる。その現実は彼を追い込んでいる。徐々に、確実に追い込んでいる。
俺はそんな多田森に本当の事を言う事が出来なかった。いや、言う事は出来たがあえて言わなかった。
俺は多田森からパスされたボールを多田森に返した。
「いるよ。まぁ、当日にちゃんと来る」
その言葉は俺にとっては背水の陣のようなものであった。
多田森はその言葉を聞くと「そうか。よかった」と言いながら微笑んだ。
と、その時、ある声がした。
「おっ、いたいた。練習してるね」
「えっ?」と声を出してしまった。聞きなれた声が聞こえてしまったために。
「よっ!柚子木!」
き、き、き、北瀬ぇぇぇぇ‼︎北瀬じゃないかぁぁぁぁ!
「お前、よく来てくれた!我が同士よ!……ってか、何でいんの?」
「まぁ、俺の時間を二日目の人と交換させてもらったからな。確か、お前と一緒の時間だ。だから、バスケ出れるぜ」
そう、北瀬は時間変更してくれたのだ。いい友を持ったよ。俺は。
俺が嬉しすぎて頭の中がハッピーフィーバーになってる時、さらに朗報が俺に来た。
「おい、柚子木。お前本当に俺だけで満足か?」
「えっ?」
すると、北瀬の後ろからヒョコッと出てきた。
「助っ人ですよ!師匠!」
西枝じゃぁないかぁ!
「西枝!お前、まさか……」
「そうです。バスケの助っ人です!本当に大変だったんですよ、時間変更するの。元々決まってる時間を変えるの」
「ありがとぉ〜。本当にありがとぉ〜。二人とも俺のよき友だよぉ〜」
俺は二人を抱きしめた。
「おい、やめろ!読者はホモホモしい展開なんか望んでねぇぞ!やるなら西枝をやれ!こいつは男で女だからっ!」
「あっ!ヒドイ!北瀬くん!女じゃないもん!漢だよ!」
……いや、さすがにそれは無理があるなぁ。うん。
多田森は俺たちを見てるとクスクスと笑った。
「あははっ。君たち本当に仲良しだね」
「なんだぁ〜。羨ましいのかぁ〜?」
「まぁね。そんな風に本心を見せ合えるなんて」
「本心?いやいや、全然見せてねぇぞ!だって、北瀬はうざいって毎回思ってるし、西枝は毎回見るたびに女だったら世界一可愛いって思ってる」
俺がこう言った瞬間晴れがいきなり嵐になった。
「おい、柚子木。今なんて言った?」
「返答次第じゃ、紅い花が咲きますよ」
あっ、やばい。これ詰んだ……。
ー数分後ー
あれ?俺、確か……。
「あっ、師匠。お目覚めですか?」
「お、おう」
あれ?何で寝てんだろ。おかしいな。確か、俺は……。
俺は思い出そうとするが思い出せない。すると北瀬が教えてくれた。
「柚子木はさっき練習中にボールが頭に当たったから寝てたんだよ」
ああ、そうか。頭にボールが当たったからか。なんか違うような気もするが、まぁいいか。
北瀬は笑顔で多田森に「なっ?」と聞いた。多田森は怯えながら「う、うん」と言った。
「じゃぁ、やろうか。明日に向けて。バスケ」
「おう」
「はい!師匠」
「うん」
そして俺はボールを掴んだ。
……あれ?血塗られているんだが……。