早よ終わらせたかったんですよ。何故なら、文化祭は二日間あるからです。後夜祭もあるんです。一日目にそんな時間かけてられませんからね。はい。
ラスト、第4クォーター。応援席で白浜、倉本が見ているから恥ずかしい姿を見せるわけにはいかない。
第4クォーターの開始直後、両チームとも一歩も譲らない猛攻である。バスケは基本、攻めては守り、攻めては守りである。だから、実力が同じ場合は点差が変わりにくい。
今、俺たちは負けている。そんな状況を打破するには、相手の攻めを中断する事と、なるべく高得点を取る事である。
俺たちはスリーポイント量産機の轟にボールを多く回した。すると、みるみるうちに点差が縮まってく。そしてついに同点ときた。
すると、パスが俺にきた。俺はそのパスをしっかりと取った。その時、天使の声が聞こえた。
「柚子木くん!頑張って!」
その声が聞こえた瞬間、俺の頭にはこの言葉しかなかった。
白浜のためにかっけぇダンクを決めてやる!
今、俺がいるのはスリーポイントラインより少し外側。
これなら二歩でいける。
俺は一歩、足を床と垂直にした。ドンという音がなり、床が揺れた。
そして、二歩目で俺はリングに向かって高く跳んだ。それはまるで空中を歩いているかのように。
「どぉぉりゃぁぁ!」
俺はボールをリングに通す。すると、また体育館内は喝采でいっぱいである。
後、45秒。今、俺たちは2点差である。俺たちはすぐさま守りへと戻る。
が、時すでに遅し。点を入れられてしまった。
でも、俺たちは諦めなかった。轟にすぐさまパスをする。
轟はドリブルしてスリーポイントラインの所まで来た。そして轟はジャンプした。
が、試練がそこにあった。相手がそこに立ち塞がった。そして、体勢が少し汚かった。これだと入る可能性が少し減る。
すると、西枝が轟の後ろに立つと、西枝が轟のボールを奪った。そして西枝がそのままスリーポイントを入れる。
「危なかったぁ。ありがと、ナイスフォロー。西枝」
「そりゃこっちのセリフだよ。あの時、とっさに思いついたからよかったけど」
「あはは」
とまぁ、お話はここまで。次に相手に3点取られたら延長戦になってしまう。
俺はボールを持った相手と対峙した。
その時、ある姿が見えた。俺はニヤリと笑った。
その瞬間、相手選手、観客全体が息を飲んだ。
多田森が、相手のボールを奪い取った。
そして、多田森が相手のボールを取ろうとするのを俺と轟はずっと見ていた。だから、多田森が奪い取った瞬間に、俺たちは動けた。他のみんなよりもワンテンポ速く。
多田森は轟にパスを出した。そして轟はスリーポイントを入れようとジャンプした。
が、やはり相手は猛者である。轟かジャンプすると相手もジャンプした。そして轟が放ったボールに少し触れた。
これではリングに入らない。だから、俺はそこからダンクをするために跳んだ。そしてボールを取ったが、別の奴が俺の前に立ちはだかった。
ああ、なんだろ。スポーツって楽しいな。
まぁ、そんな楽しさを教えてくれる元凶になったのも、今俺がバスケをやってる原因も全てあいつのせいだ。
最初を作った奴は最後を締めくくる義務がある。
俺はダンクをしなかった。そして、俺は全ての元凶にパスをした。
「いけぇぇ、多田森!」
その時の多田森のシュートはまるで宙に浮いていたかのようであった。多田森が投げたボールはリングに当たらず通過した。
そして、試合終了のホイッスルが鳴った。
そう、俺たちは勝ったのだ。試合に。
すると、喉の奥からこみ上げてきた。勝ったという言葉が。
「勝ったぞぉぉ!なぁ、多田森」
「うん。僕たち勝ったんだよ!」
そうだ、俺たちは勝った。試合に勝利した。