今回はまぁ、柚子木くんの接客業を一話にまとめました。
「……で、なんで俺が接客しないといけないの?」
俺が嫌そうな顔をしながら北瀬に聞いた。北瀬は文化祭で少しばかり調子に乗っているようだ。
「ん〜、柚子木はもっと積極的にならないとダメだよ〜ほら、白浜さんとか♪」
北瀬は執事服をいい感じに着こなしてる。それと比べ、俺はとても合わない。ただでさえ顔が怖いのに、こんな服が似合うだろうか。
「俺、似合ってる?」
「ん?似合ってるよ。でも、前髪が邪魔だな。ほら、ワックス貸したるから、前髪あげろ」
北瀬はワックスを俺に渡した。ワックスを手に少しつける。なんか、ちょっとベトベトするのが気持ち悪い。
俺は北瀬に言われた通りに前髪にワックスをつけて前髪をあげた。なんか、デコが見えるし、なんかヤクザみたいなんだけど。
「ねぇ、これって似合ってる?」
「大丈夫だって。ほら、あそこ、注文あったから行ってきて」
北瀬はそう言うと俺の背中をポンと押した。なんか、初めてだな。こういうのって。
俺の初めての接客はそりゃもう酷いもんだった。初対面の人とはやっぱりそんな話せないや。
北瀬は自慢のトーク力で女の子たちに大人気。彼曰く、浮気症だから、女の子は数だと言っていた。
俺は北瀬がいない時、彼の鞄の所に借りたワックスを置いといた。
「嘘つけ、このどエロ野郎」
鞄の中には湯島があげたタオルがあった。手縫いであろうか。少し汚い。「ガンバレキタセ」と書いてある。
汚いものでも持ってる時点でとっくのとうにクロである。
俺が下手な接客をしてると、白浜たちが来た。
「柚子木くん、来ましたよ!」
「んげっ‼︎」
あ、あ、あいつら、本当に来やがった!
そう、俺は少し嫌だった。あいつらには来て欲しくなかった。
だって、ココがいるんだから。
もちろんココは白浜の肩にチョコンと居座っている。
俺は神崎にガチの目でこう言った。
「なんで来させてんですか!」
「いや、だって、ココちゃんが来たいって言ってたし」
神崎はココとグルになってしまったかぁぁぁぁぁ!
「光牙様、私のおばけパワーなめないでくださいね」
「この
くそっ、神崎がいるからと思って安心してた!
俺の顔に苦悩の色がにじんでいるのも分からずに、白浜は「どうしたんですか?」と聞いてきた。
くそぉぉぉっ!気づいてくれっ!お前に今ココが憑依してんだからお前がどっか行ってくれればいいんだよ!
あっ、でも、白浜には見てほしいわ。
と、悩んだ末、俺の策は--
俺は指を扉の方に向けてこう言った。
「神崎先輩、石持ってゴーアウト」
「ええっ、でも、ココちゃんが可愛そう」
「いやいや、いいんですって、家でココにメイド服姿させますから」
「光牙様酷いです!そんな趣味、私にはありません」
俺がココと言い争っていると北瀬が俺の肩に手を置いた。
「分かるよ、分かる分かる。あれだろ?授業参観に親が来ると恥ずかしくて集中できないみたいなパターンだろ?」
「ああ、そうだよ。それだ……ってえっ?お前、ココが見えんの?」
俺がそう聞くと北瀬はこう言った。
「いや、みんなの姿を写メ撮ろうとしたら白浜の肩に手が置いてあったから。一瞬ゾワッとしたけどお前らの話聞いてたら何となく」
北瀬はそう言うと撮った写真を俺に見せてくれた。北瀬が言っていた通り白浜の肩に手が置いてある。
うわ、こっわ。こんなのがココなの?
「まぁ、ともかく、さっさと接客しちゃってゴーアウトしちゃえよ。な?」
「まぁ、そうだな」
俺は北瀬に言われた通り、接客をする事にした。早く帰らせるために。
-30分後-
「で、早よ帰ってよ」
「嫌です、光牙様のお仕事見るんです!」
くそっ!神崎めぇ!ココの石を置いてくなよぉ〜!
その後、俺はめっちゃ写真を撮られた。そのカメラには一切人間は触っていない。どこぞの幽霊様に撮られたとさ。
「もう、撮らないデェェェ!恥ずかしいよぉ〜」