今回は頑張りましたよ、少ないですけど。
スラッとした体型に妖艶な態度。そして、優しそうな笑顔とその大人っぽい口調。そんな彼女に何人の男が騙されただろうか。
「君たち仲良しなの?」
「仲良し?こいつと?何言ってんすか。こんな奴と仲良しなんて死んでも嫌っすよ」
「そう?私の自信作のお友達メーターが反応してたんだけど」
弥生はポケットの中からちっちゃな計測器を取り出した。計測器の画面には78と書いてある。
相変わらず、この姉妹の作るものには驚愕させられる。なんてどうでもいいものを作るのだろうか、
「これはね、計測したい二人の近くに置いておくと勝手に計測してくれるの。これは78って書いてあるから78%のお友達度らしい」
「絶対ないっすわ。78もないっすわ。22%の方じゃないんっすか?」
「いや、78%よ」
俺が北瀬とお友達度78%?いやいや、ナイナイ。出来れば女の子と78の方が断然いい。
「そういえば、君たちは幼乃とはお友達でしょ?」
「んまぁ、そうっすね」
「それがどうかしました?」
「私って何か幼乃から言われてないかな?ほら、私って
そうなの?あんた口下手なの?あの
まぁ、何か言われてるか気にしている時点で幼乃に嫌な事しているって自覚はあるという事になる。
じゃぁ、何で止めないんだ?嫌な事言いたくないなら言わなければいいのに。
北瀬は弥生の質問には普通に答えた。何も聞いてないと。俺も北瀬と同じ答えを言った。
弥生はそれを聞くとぎこちなく笑った。「よかった」と言いながら飲み物を飲む。
その笑みの奥には何があるのだろうか。彼女は何を望んでいるのだろうか。
弥生は俺たちにある話を持ちかけた。それは普通肉親がするような事ではない。
「そのさ、桜木コーポレーション主催のコンテストあるじゃない?あれに私と幼乃が出るんだけど、私は幼乃に出てほしくないの。だから、幼乃を説得してくれない?友達として」
それはつまり、弥生が幼乃を蹴落としているのである。
その時、幼乃が言った言葉が脳裏に浮かんだ。
生きる上では誰かを蹴落とさねばならん
では、弥生は妹である幼乃を蹴落とそうとしているのか?
いや、それは違う。彼女はそんな事をする人には思えない。
なら、何故嫌でも蹴落とさねばならないのだ?
「弥生さん。何で幼乃をコンテストに出さないんですか?弥生さんと幼乃の二人で頑張ればいいじゃないですか」
俺がそう聞くのは当然であった。彼女もそれを分かっていた。
「そうね、言わなければならないわね。私が幼乃を蹴落とそうとしている理由を」