今回は中二病臭漂う題名ですね。
「つーわけでお前は来週の日曜日に桜木コーポレーションの前に来いよ。分かったな?」
「いや、待て。何故、儂が行かんとならんのじゃ?儂は『出ん』と言ったはずじゃ」
「でも、お前の顔に『出たいです』って書いてあった。ちなみに、もう手続きは済ませた」
俺は幼乃の目の前に手続きの紙を出した。それを見た幼乃は驚いた。
「おかしい!だって参加の表明は本人がしないといけないはず!」
まぁ、そこは親の力を借りさせていただきました。
とにかく俺が勝手にプロデュースする。何としてでも弥生をギャフンと言わせてやる。ついでに幼乃の姉に対しては弱くなる根性を叩き直してやる。
自分の意見を押し殺して生きている人なんていつかは自爆する。ストレスが溜まってしまうだろう。心への負担がとても大きなものとなるだろう。自分の存在なんて小さいんだと思ってしまうだろう。
俺は幼乃にそんな生き方をしてほしくない。そんな人を見ている方が辛くなってくる。目の中にある輝きが
幼乃はガタッと椅子の上から立ってバンッと机を叩いた。
「何で、何で勝手にするんだ⁉︎今のままでいいじゃないか。今のままでいれば事はスムーズに進む。儂が少し嫌な思いをすれば他の人には何も迷惑はかからない。なのに、何故その決まりきった事柄をぐちゃぐちゃに乱すんだ⁉︎」
幼乃の言う事はもちろんわかる。彼女は今まで通りにしていけば、そんなに嫌な事は起きない。コンテストに出る事は中身のわからない箱を開ける事である。
中身のわからない箱は光り輝く財宝や金銀などかもしれなければ、パンドラの箱の如く彼女の世界を全て狂わせて大災害を起こすかもしれない。
それでも、俺はその箱を開ける事を進める。
理由は色々あるが、その一つはこうである。
ただ気になるから。そう、ただ気になる。それだけである。
気になって開けてみて、いいものだったら貰えばいいし、悪いものだったら見て見ぬフリをして箱の蓋ふたをそっと閉じればいい。
そんな事でいいのさ。どうせ人生はいい事も山程あるし、悪い事も沢山ある。その中の一つだと思えばいい。そう思えるとちっぽけな悩みと思える。
いかにしてパンドラの箱を開けないようにするか。それだけが大事なのである。
まぁ、彼女にとっての大災害とは何なのか。大好きな姉の弥生に嫌われる事か、研究を失う事なのか、はたまたそれ以外か。
俺は幼乃の質問を愚問だと思ったため鼻で笑った。幼乃は「何がおかしい?」と聞いた。
「だって楽しいじゃん」
「は?人の関係をギクシャクにする事がそんなに楽しいのか?」
「いや、そうじゃない。ギクシャクしている人たちを引き離すのが楽しい」
「は?儂らはギクシャクなどしていない」
「そうか?俺にはお前たちの会話の風景見た瞬間にギクシャクしてるなって思ったけどな」
その言葉に幼乃はただただ足元を見ているしかできなかった。
「まぁ、さしずめ弥生が主で幼乃がその主に不服を唱えたい使用人って感じだな」
「私が使用人だと⁉︎」
「うん。だって言われた事を全てやってるじゃん。ちなみに俺がしようとしているのは主の持っているパンドラの箱をみんなに見せようという策だ。もちろんお前も知っているパンドラの箱」
「私も知っている?」
「そう、裏切りの研究だよ。別に俺は今回のコンテストに新しい事を発表してほしいんじゃない。お前が弥生に裏切られた研究を聴衆の目の前で発表するんだ」
「え?でも、それは発表されている……」
「いやいや、まだ未発表のがあるよな。俺は見たぞ。お前が帰った後に研究室を物色してたら見つけちゃったからな。で、それをコンテストで発表なんだよ。二人がしたかった本当の研究を」
「……」
幼乃は少し震える。それは嬉しいからか、怖いからかはわからない。ジローは立ててあったビーカーを倒して転がし始めた。
「さぁ、どうするのかは自分で選びな」