今回からepisode6.5が始まります。ちなみに今回は一話目からシリアス展開をぶち込んできました。
またここで会いましょう
「こ〜う〜が〜さ〜まぁ〜!起きてぇ〜!学校ですよ〜」
ココのけたたましい声で俺は起こされた。俺は時計の時間を見る。
6時40分か……。まだまだ
そう思って二度寝しようとするとココが布団をドスドスと叩いて俺を起こした。今日はいつもよりも起こし方が荒い。というより
いつものように学校の制服に着替えて顔を洗って朝飯を食べる。いつもとは
いや……待てよ。変わりのない?本当にそうだろうか。いつもと同じ様なのにどこかが違う。でも、分からない。決定的に違うと言い切れない。だってそれは直感的に思ってしまったから。勘だったから。
女の勘はよく当たると言う。では、俺たち男はどうなのか。
当たらなければ良いが……。
俺がテーブルに座っていると朝飯が出てきた。これもいたって普通の朝食。テーブルの上には花が飾ってある。
「何だ?この花は?」
「ああ、それはシオンの花です。珍しいし、聞いた事なかったんで買ってみました」
「おいおい」
そろそろ登校しないと遅刻してしまう。俺は学校に行く準備をして玄関で靴を履いた。
俺が学校に行くとなるとココはわざわざ玄関の所まで来た。
「いや、別にわざわざ来なくてもいいのに」
「いいんです。私がしたくてしているんですから」
ココはそわそわしている。どうしたのだろうか?
「んじゃぁ、俺行ってくるから」
「はい!……あっ、そうだ!ちょっと待っててください!」
ココはドタドタと押入れの所に戻った。しばらくすると、ココは戻ってきた。
戻ってくるとココは俺の手を持ってその中にある物を入れた。
「これは?」
「お守りです。何故か私が幽霊になった時から持ってました」
「えっ?でも何でこれを?」
「何となくです。何となく、光牙様に災いが降りかかりそうなので」
「縁起の悪い事を言うなよ」
「でも、持って置いてください。光牙様に何かあるのは嫌なので」
「おう。
俺はそのお守りをポケットの中に入れた。
「んじゃぁ、俺行くからね」
俺がそう言うとココは少し黙った。悲しそうな目だった。ココは黙っていたがずっと俺の目を見ていた。
そして、ココはこう言った。
行ってらっしゃい
またここで会いましょう……。
その声はあまりにも弱かった。他の誰かが声を出せばもみ消されてしまうように弱い声。
でも、今そこにあった。存在していた。
そして、俺の心に印象強く残るココの最後の言葉。
またここで会いましょう
俺にはその言葉が何か不吉な事の予言を確実たるものにしてしまっているような気がした。
俺はココに目を向けようとした。振り返ろうとした。
すると、ココは俺の背中を押した。
「ほらっ、早く行かないと学校に遅れちゃいますよ」
「お、おい。そんな押すなって」
ココは強く押した。そして、俺は家から出されてしまった。
俺が家から出されるとココは「行ってらっしゃいませ!」と言ってドアをバタンと閉めた。
さすがの俺も何かがおかしいと思った。だからココに「どうした?」と聞いた。でも、ココは「言ってらっしゃいませ」の一点張りだった。
それでも、俺が聞いているとココは「光牙様が学校から帰ってきたら話す」と言った。俺はこの言葉を信じた。
でも、この言葉を守られる時なんてこなかった。
時は10月下旬。木が枯れ、次第に冬に近づいてきた。
10月という言い方は良くないだろうか?ではこう言うとしよう。
神無月とーー。