今回のepisode6.5は長くなってしまう可能性が高いのでなるべく短くさせるように頑張ってます。
そのため、分かりにくい所があったら教えてください。直します。
俺が家を出る間際にココが言ったあの言葉。蟻のように小さく、生きようとしても何かに軽く踏み潰されそうであった。弱々しい言葉でココと俺の間に何かが起きているのは確実である。
今、考えてみるとおかしいと思える所がいくつもあった。夏休みが開けるぐらいからココは俺といる時間を積極的にとろうとしていた。また、たまに泣いたりと何か気になる点はいくつもある。それは今日のだってそうだ。
そんなココの事を思えば思うほど俺は何をしていたんだと思わされる。
すぐ近くでココが悩みを抱えていたのに、俺は何一つ解消してやる事ができなかった。それ以前に、相談に乗る事さえできなかった。
何がGHBであろうか。俺はGHBだから誰かの悩みを無くしてやる。それが仕事なのに何もできなかったではないか。
一番近くにいる人の心の叫びを聞く事さえできやしなかった。
そんな事を考えているとなおさら胸が痛くなる。何もしていない、気づかない自分を殴りたかった。何十発も殴って自分の気を静めたかった。
だけど、俺はこんな事をふと思ってしまった。
授業中なのに俺は何を考えているのだろうか。ココに悩みがあると決まったわけではない。深読みしすぎではないのか?そうだ。これは深読みだ。俺とココの間には何も起きてない。そうに決まっている。
そんな事を思うと、自然と俺の頭の中に授業の言葉が、単語が、形式が入り込んできた。まるで、そいつらが俺のココへの心配をもみ消すように。
俺のココへの意識は段々と薄れてゆく。ココが……ココが……ココ……コ…………。
すると突然俺の額に何かが当たった。
パシーンッッ‼︎
額に当たると俺の視線を遮るようにして落ちる。その時、俺の額に当たったのが白い物体だとわかった。それはチョークであった。
俺は視線を先生に向けた。浦部が憤慨している。
「おい!柚子木!お前人の話を聞いているのかッ⁉︎」
「いや、聞いてませんでした。すいませんでした」
俺は浦部の話を聞いていなかった事を謝った。いや、聞いていなかったわけではない。ただ、頭の中には他の事で一杯一杯。
俺が素直に謝ると浦部は少し驚いた。いや、浦部だけでない。クラスの全員が驚いた。いつもなら浦部に怒られると俺は反論する。が、今日の俺は違った。反論する気力がない
もちろん、俺の異変にクラスの全員が気付いている。この浦部の授業は3時間目だが、前にも俺はこんな感じだった。だから、クラスメイトのみんなが「どうした?」と聞いてきた。
でも、俺は彼らの相手をしなかった。
1人にしてほしい気分だった。1人で考えたかった。
1人で考えれば答えは
浦部は生きているようで生きていない俺の相手をするのなんか初めてだった。そんな俺の姿に呆れながらこう言った。
「じゃぁ、帰るか?」
俺はその言葉を聞いて
「はい。帰ります」
俺の予想外の反応に浦部とクラスメイトは動揺した。
「ちょ、ちょっと待て。柚子木、本当に帰るのか?」
「はい」
俺は鞄を持って教室を出た。
俺は階段を下りて下駄箱の所まで行く。そこで下履きに履き替えると外に出た。
ポツンーー。
俺の頭に何かが落ちたような気がした。
その滴は大きな雨の一部である。滴のない雨なんてない。秋雨が降るなか、俺は傘をささずに走って家へと戻った。
雨に濡れた。そんで電車に一本乗り遅れて、電車で一回も座れなくて、街中でこけて周りの人から笑われた。
だから、もう嫌な事は起きないはずだよね。
家に着いた俺はドアを開けた。
しかし、俺の予想は的中してしまった。嫌な事が起きてしまった。