やばいです。絶対に200ぐらいまでいきますよ。長くなるわ。
その日の夜、俺と神様は山の中にいた。山の中の神様の墓石のある所に俺たちは立っていた。
ココもそこにいた。ココはそこで神様にお供え物をお供えしていた。
夜の山の中は暗く何が潜んでいるか分からない。クマかもしれないし、狼かもしれない。どこを見ても真っ暗闇。明かりがないと足元の木の根っこも分からないからつまづきそうになる。
何故、ココはこんな夜に神様にお供えするのだろうか。別に朝でも良いのではないのか?
その事を聞きたかったのだが、この時代のココはまだ俺を知らない。そんな人にいきなり馴れ馴れしく話しかけるのは嫌なので躊躇してしまう。
そんな俺に気づいた神様は足元にあった木の枝をパキッと足で折った。風の音しかない静寂な森にその音は合わない。
「どなたですか?」
ココは俺たちの方を振り返る。
「あなたは昼間の刀がないお侍さん?」
なんかスゲェ変な覚えられ方しているけどまぁ、いいや。
ココは他人を見るような目で俺を見る。こんな目で見られたのは初めてだ。それが少し痛かった。
「お侍さんはどうしてここにいらっしゃられるのですか?」
「えっ?お、俺は、その……か、佳代さんが夜に一人で山の中に入るのは危ないなと心配だったものでして……」
ココは見知らぬ人である俺をクスッと笑った。
「お優しいのですね。でも大丈夫ですよ、この山は神様がお守りなさってますから」
ココには神様が見えているのだろうか。見えていないのなら俺はココにこう言いたい。「神様は誰も守らない」と。
でも、俺は全てを受け入れなければならない。それは全ての事を。それが出来なければ俺はもうみんなと会えない。
ココは夜空を見上げた。夜空は無数の星が散りばめられていた。月が輝く。月と星のオーケストラ。さしずめ、月が指揮者で星が演奏する者と言ったところだろうか。
「空が綺麗ですね」
「ええ、そうですね」
「でも、星は多分悲しいでしょうね」
「星が悲しい?」
「ええ。暗い所から明るいものを見るのはとても綺麗に見えてしまいますけど、その逆もあるんですよ。明るい所から暗い所を見るのはとても怖い。だから、花や木は明るい空に向かって伸びているのです」
「ではあなたは暗い方が好きなのですか?」
「ええ、暗い方が好きです」
『明るい』と『暗い』は相対的なのにすごく似ている。だって、『明るい』って言葉は『暗い』がないと生まれてこない。『暗い』って言葉は『明るい』がないと生まれてこない。二つは表裏一体だ。暗くて何でも吸い込んでしまいそうな先の見えないこの森と明るくて全てを照らしてくれるこの星散らばる夜空は違っているけど同じなんだよ。
ココは告白という人生最高のスポットライトで照らされている。スポットライトに照らさるのは主役とかの重要な人たちだけ。
でも、照らされて終わるわけがない。その後には必ず『暗い』がやってくる。人生最高のスポットライトは人生最低の谷に落ちるという事。
それに明るい方が好きな奴は逃げているようにしか思えない。暗い方はどうなるかがわからない。けど、別に必ず悪い方に行くというわけでもない。もしかしたら億万長者になるかも。
ココは夜空を見つめる。ココの顔は星の光に少し照らされていた。ココの顔では星の光を反射していた。
「何か悲しい事でもあったんですか?」
「いえ、悲しい事はありませんでしたよ。ただ、嬉しい事がありました」
「嬉し泣きですか?」
「いえ、そうではないんです。怖いんです。大事な人が何処かへ行ってしまいそうな気がしていて。何処か遠くへ、手の届かない所へ」
星はそんなココの事も知らずにただただ輝く。満天の星空は何も変わらない。何も残らない。