今回はまぁ、ラストにまさかの言葉が出ますね。
7日目の昼ごろ、ついに敵は攻めてきた。少数の騎馬隊がこの村を襲う。
敵の策は『徐々に相手の戦力を削ぎ落とす』。だから敵は手始めに近くにあったこの村を攻撃した。敵の戦力をじわじわと毒が体を
敵の騎馬は地に足跡をつけた。村のみんなが汗水垂らして耕した畑は敵に踏まれ、食物は根こそぎ奪われた。抵抗する村人は武器で殺される。愛する人が目の前で殺されていく。落ちるのは涙と血と命だけ。
そんな地獄絵図を俺はただただ見ていた。『全てを受け入れる』という簡単そうで地獄のような条件。俺は目を隠したかった。耳を塞ぎたかった。
日本史でも、世界史でも戦争の事は聞かされていた。先生が戦争は怖いと言っていたし、二度としてはならないと俺たちに教えを説いていた。もちろん俺もそう思った。人が死にゆくのは悲しい。目の前で大切な人が死んでゆくのは胸の奥が
でも、そんなのは思っただけである。『悲しい』の一言で済ませられる。実際に体験もしてない。あくまで想像上で考えた事であり、当事者となっていない。
今、俺はその当事者となっている。正直言って、この村ではココ以外は俺の大切な人ではない。
けれど、そんな人たちでも死んでしまうと心苦しく思う。いや、そんな一言だけでは済ませる事はできない。もっと、言葉で表現する事のできない『何か』がある。その『何か』が動いているのだ。大切でもなんでもない人が死んでも動いてしまう。
もう、大切な人とか以前の問題で、ただ救いたい。救わせて欲しかった。『全てを受け入れる』っていう鎖が俺の体を縛っていなかったら、俺はこの足をすぐさま運ばせている。
「なぁ、神様」
「なんじゃ?」
「やめてくれねぇか?」
「何をじゃ?」
「これはビジョンなんだろ?めちゃくちゃリアルなビジョン」
「それがどうした?」
「もう、見たくねぇよ。早く戻りてぇよ」
「ここまで来て泣き言か?意外と泣き虫なのか?」
別に泣き虫でも何とでも言われてもよかった。ここから抜け出せる事ができるなら。
ここは多分俺みたいな平和ボケをしている奴が来ちゃいけない場所なんだわ。『青春』『現実逃避』とかの前に、『命』っていう根本的なものがここで考えないといけない。義務化されている。
神様はニヤァっと笑った。まるで、俺が蟻地獄に入った蟻のように。
「ならばお前は終わりかのぅ。まぁ、これは試験じゃ。不適切な者は排除される。どうせ、お前は元々排除される事確定じゃからな」
「えっ⁉︎」
「お主は元々騙されているのじゃ。この儂にな」
その言葉は俺を失意のドン底に突き落とす。