今回のラストはついにあれがきますね。ニヤニヤです。
俺は待つことしかできない。じれったいけどそれでも俺はココを待たないといけない。ココが自分で自分の鎖を切らないと、また俺の目の前からココが消えてしまうような気がするから。
煙が風にさらわれて俺の前からすぅっと何処かへ消えてしまいそうな気がするのだ。目にゴミが入って俺が目を閉じて、また開いたらそこにはいない。多分そんな感じなんだ。一番近くにいてほしい人だからこそ、俺の近くから離れてしまうと悲しく思える。
裏切られたわけでもないのに裏切られたと思いたくなる。この俺のどこにもぶつけることのできない思いを正当化して、勝手にこじつけてぶつけたい。そして、少し経った後には後悔しかない。「何で俺はあんなことしたんだろう」の一言を俺は言いたくない。
だから俺は待っている。ココがその鎖を断ち切ってくれることを。
そんな思いを知らないココは全然喋らない。何も言いたくないという雰囲気を出していて、まるで拗すねた子供のように。
「ココ、お前は何も言う事ないのか?」
「別に、何も言うことはありません……」
ココは俺と話すのを避けるかのようにしている。なるべく話さず、俺だけをここから出す気なのだろうか。
「なぁ、ココ」
「何ですか?」
「俺さ、ここまで来るまでに色々な体験したんだわ。いつものお前がいる日常とは違ってお前がいない日常を体験したんだ。もちろん、新たな発見はできたぜ。炊事ってこんな大変だったんだとか、掃除しないとすぐに
「へぇ〜。案外楽しそうにしていたんですね」
「まぁ。楽しかったよ。毎日、新たな発見してな。学校に行くために早起きして、家に早く帰って家事をして、風呂沸かして。そしたら、なんか爆睡できたんだ。なんかめちゃくちゃ疲れるな」
「まぁ、頑張ってください。日々
「そうだな。お前、いないし頑張るよ」
俺がそう言うとココは左斜め下45度に首を曲げる。にっこりと安堵の笑顔を見せている。そして、取り繕っている。その笑顔には何があるのか。
「でもさ、俺わかったからこそ、叶えたいもんもあるんだよね」
「叶えたいもの?」
「うん。お前と一緒に家事したいなって」
「えっ?」
「ほら、だって俺、いつもお前に任せっきりだっただろ?だから、お前への負担を少しでも軽くしてやりたいなって思ってさ。俺には無理だよ。それに、家事全部を毎日やってるお前にお礼とか色々言いたいんだ。大変なことを率先してやってくれるお前に、俺の生活は救われていたんだ。だから、これだけは言わせてくれ」
『ありがとう。ココ』
その言葉を聞いたココはまた泣いた。泣き虫ココがまた泣いた。泣かせるつもりじゃなかったんだけどココは泣いてしまった。
俺に繋がっていた鎖は切れていた。両手足が自由になったのにも関わらず、俺はなおそこに座っている。
俺はココを待っているから。ありがとうを最後の言葉にしたくないから。
ココは下を向きながらこう
「……どい……」
「え?」
「ひどい」
「ひどい?」
「ヒドイ‼︎ヒドイ‼︎ヒドイ‼︎ヒッドォ〜イ‼︎光牙様ヒドイです!」
ええええ⁉︎俺がヒドイ?何で?めちゃくちゃいい事言ったのに?
「光牙様は人の気持ちを知らないで、ズカズカと勝手に入り込んできて‼︎全部、全部、全部、全部、全部‼︎全部光牙様のせいなんです!光牙様がこんな所に来なければ良かったのに‼︎光牙様は何も、何も分かっていない……」
「なんか、キツくね?」
「だって、光牙様はバカで、アホで、変態なんだ。私の一番嫌いなタイプ!なのに、なのに、光牙様はそんな私に優しくしようとする。それだから、家族になれないんだ!」
「じゃぁ、お前は俺を家族として見てないと。見ていたのは俺だけだと?」
「そうですよ!バカでアホで変態で、でも人一倍優しさがあって。光牙様が私を家族って言うから、光牙様を家族として見ることのできない私が悪者みたいで。見れないんですよ!もう、私は光牙様のことを家族なんて見ることはできないんです!」
「そんな……」
「そう、もっと憎んでくださいよ!もっと、私を憎んでくださいよ!私のことを大っ嫌いになってください!」
その言葉は本物だった。ココは遠慮なんてしてない。初めて聞いたココの本当の声。
「なんでそんな事言うんだよ。なんで俺がお前を憎むんだよ!俺がお前を憎む理由がどこにあるんだよ!」
俺がそう言うとココは自分の胸を、心を握りしめた。握りしめても、握りしめても、握りしめることができない。それでも、強く潰れてしまうくらい握る。
「ありますよ。だって、私、光牙様のことが好きになっちゃったからッ‼︎」