あと残る鎖はココに繋がった一本の鎖のみ。ココが俺を好きって気持ちは認めざるを得ない。けど、それでも別にいいか、とも思えてしまう。まぁ、なんとなくだけどまたやってけそうだからね。
「じゃぁ、今までのお前の行動って全て俺のため?」
「そりゃ、そうですよ。私、好きな人には尽くしたいタイプなんです」
ココはそう言うと少しドヤ顔をする。でも、目が腫れているのは変わらない。
「そこはなんとなくだけど前から知ってる。お前の頑張りは俺も認めてる。ほら、覚えてるか?俺とココが一緒に生活し始めた時、俺が『オムライス食べたい』って言った。そしたらお前はオムライスなんて言葉もわかんなかった。俺はそれを知ると、『別にいいよ』って言ったのに、ココは必死になってオムライスの作り方を探して、試行錯誤してた。いやぁ、あの時のオムライスめちゃくちゃマズかった。さすがの俺でもマズイって思ったよ」
「それは褒めてるんですか?
「両方」
ココは人差し指でぽりぽりと頰をかく。「あはは」と磨り減った声で言う。そして、言わなければならないことを俺に言った。この事件の真相である。
深く息を吸い、そして吐く。泣きじゃくるのではなく、リラックスした状態で。
「私、いつも守られてばっかりだったんです。光牙様も体験した通り、私は村の人たちの背中を見ていました。彼らは私を守るためだけに死んで行きました。光牙様はいつも泣いてばかりいる私を支えてくれていた。泣いてばかりいる私にあえて背中を見せていたのはわかります。でも、それでも私にとっては嬉しかった。あったかくて、大きくて、強くて、優しい背中。そんな人たちに私は守られていたんです。だから、今度は私が守りたかった」
まぁ、俺はあえて背中を見せていた理由は知っているのか。まぁ、あの時のココの泣き顔は見たくないからなぁ。
ココが俺のことを好きだという事実はこれまでのこと全ての理由であり、全てに理由がつく。でも、理由がつこうが、やっていいとは限らないのもまた事実。
ココは俺に深々と頭を下げた。でも、もう済んだことである。ココが無事ならばそれでいいと思っていたから。
「光牙様は私のことを家族だと見ていた。だから、私もそんな光牙様と同じように家族として見ようとしていたけど、どうしても見ることができなかった。光牙様は光牙様だと思っていても、直感的に、心の何処かで懐かしく思ってしまったんです」
「懐かしく?」
「はい。光牙様は変態で、おバカで、荒っぽいけど、なぜかそんな光牙様が懐かしく思えた。斎正さんのような気がした。見せる背中に飛び乗っても支えてくれる太陽のような所が似ているんです」
俺と斎正がねぇ〜。まぁ、ありえない話じゃないけど、結構な確率ですよ。
でも、ココは嘘を言ってそうには見えなかった。けど、本当とも思えない。
でも、あの笑顔を見せられたらなんとなくだけど信用してしまった。