ココの鎖も切れて、あとはここから出ることだけ。でも、ここからどうやって出ればいいのだろうか。
ここは神様の心の中。暗く、ジメジメとしていて陰湿な雰囲気。神様の心の中はここまで腐っているのかと思わされる。あんな神様が神様であっていいのだろうか。
でも、神様が一方的に悪いと言いたいのに言えない。あそこまで根が腐った神様を生んだのは人である事もまた事実。俺も多分あんな目にあわされたなら神様のようになってしまうかもしれない。というよりも、そうなりたくない。悲劇の主人公とか一番嫌だからね。
俺とココは牢のような部屋から出て廊下を歩いていた。歩き始めてから20分ぐらい経ったがまだ何も見つからない。目に見えるのは俺たちが捕まっていた牢のような部屋だけ。
廊下はずっと真っ直ぐ続いている。
変わらぬ暗い廊下を歩くのはさすがに飽きてきた。ココも段々と不安になってきた。
この廊下に終わりはあるのか?とふと思った。
思ってしまった。そう思ってしまったら最後、わかるまで気になるものである。しかも、歩きながら出口を探す事以外、特にすることも無いから余計に考えてしまう。
そして、延々と続く廊下を歩いている二人の口数は次第に減ってゆく。それがまたさらに考えることを加速させる。
先の事があったから、二人の間にある沈黙はとても気まずい。だから、現状打開のために何かを話そうとする。
「そのさ」
「あの」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「いや、先に言っていいよ」
「あっ、私はいいですよ。お先にどうぞ」
「…………」
「…………」
うわっ、気まずッ‼︎典型的なのに一番やっちゃいけないやつだよ‼︎気まずい空気をぶち壊そうと思っていたのに逆効果になっちゃったよ。
「じゃ、じゃぁ、先に言うよ」
「あっ、はい。どうぞ」
俺何言ってんだろ。先に言うよ?言いたきゃ言えよって思うんだけど。なんかすごく恥ずかしいんだけど。
「そのさ、この廊下長くね?」
知ってるよ‼︎ココはそのこと知ってるからっ‼︎知ってることを一々言わなくていいんだよ‼︎
「そうですね……」
その曖昧な返事はやめろよ‼︎やらかした感満載じゃねぇか!他にももっといい返事があっただろぉ!
やばいやばい。この数秒で3000キロカロリー消費したわ。
とにかく、再度現状打開のためにもっと話を展開できるネタを考える。
「……そのさ、歩いてる意味なくね?
「そうしましょうか」
俺とココは廊下のど真ん中に座った。ここから出るためにはどうすればいいのかという事を話し合う。
ずっと歩いていて、俺たちはもう歩き続けてももう何もないとなんとなく気づいていた。正直言って、歩くのは初めてエネルギーの無駄である。
俺はココの方を向いた。その時、ある事に気づいた。
どうするのかを考えあうというのは、言ってしまえば話し合いである。
つまり、俺は今、自爆したわけである。
うわっ、やっべぇ。話す事を強要しちゃったよ。