今回の題名の天岩戸は天照が引きこもった洞窟の事です。
最後の方には柚子木くんが豹変します。やばいです。
普通、心を打ち明ける時は自分に悩みを持っている時だ。意地悪な神様は多分、わざとここに俺たちを連れてきた。
神様は証明の巻物の試練で俺を罠にかけた。それは、俺をここに呼び寄せるために。今まで神様が俺をここに閉じ込めた理由は『自分勝手で理不尽な理由』だとばかり思っていた。ただ、俺が邪魔だから閉じ込めた。それだけだと思っていた。
でも、違ったんだ。意地悪な神様はそんな理由で閉じ込めたんじゃなかった。いや、閉じ込めたというより、託したんだ。
意地悪な神様はもう一人の優しい神様のために俺たちを閉じ込めた。意地悪な神様は優しい神様の悩みを治してほしいから俺たちを閉じ込めた。
この密閉された心の中という空間じゃ逃げられやしない。
じゃぁ、なんで意地悪な神様は自分から優しい神様の悩みを治そうとしなかったのか。
それは、多分恥ずかしいから。考え方は違い、意識も違うけど自分であることに変わりはない。記憶は同じだし、悩みも同じ。意地悪な神様が優しい神様に面と向かって話をすることは自分の悩みと向き合うこと。それが嫌なんだ。もう一方の一面を見て、それが自分だと知るのが嫌なんだ。認めたくないんだ。だから、他人に託した。そして、託された人が俺たちだ。
意地悪な神様は本当は優しい神様のためにやったんだ。もしかしたら、意地悪な神様は悪いやつじゃないのかもしれない。
意地悪な神様は確かに優しい神様の心の闇だった。でも、その闇が自ら消えようとしている。光を守るために。
闇と光は反対のようで、常に表裏一体。今回の件は闇が引き起こしたんじゃない。光が引き起こしたんだ。
今の光は鈍くなり、新たに輝く気配すらない。今じゃ、ココの方が明るい。それほどまでに弱い。
ここから出ようという努力すらない。むしろ、自分からこの心の中に入ったような感じである。
あの、意地悪な神様の半身はここまで脆く弱いものなのか。
俺は神様の手を取った。
「ほら、出ようぜ」
俺の言葉はあまりにも
ココは俺の言葉をまだ理解できていない。ココはまだ、神様は閉じ込められていると思っている。だから、神様が自分自身の悩みを話して鎖を取ればいいとばかり考えている。けど、俺たちのように簡単ではない。ココの頭の中は完全にお花畑。ゴールはすぐそこだと思っている。けど、悩みを話しておしまいだったなら、もうとっくのとうに事は済んでいる。
現実はそういかないんだ。優しい神様は自ら殻の中に入ったのだから。
なら、俺は何をすればいい?そりゃ、もちろんあれをすればいい。天照が洞窟の中に自ら入った時は無理矢理にでもこじ開けた。
だったら、俺もこじ開ける。どう言われようが関係ない。嫌われてもいい。誰かのためになるのなら。
多分、その殻は堅すぎるからこじ開ける時に、割れるかもしれない。その破片が俺に突き刺さるかもしれない。それでも、俺はやろう。光がないと、闇だって悲しかろう。
神様は俺の手を振り払う。
「儂にはここから出る資格なんぞない。この鎖が繋がっている限り」
その神様の言葉には少しイラっときた。ここまで来て嘘をつき通す気であることにイラっときた。
「いつまで仮の鎖に繋がれている気ですか?か・み・さ・ま?(さっさと諦めろ、クソババァ)」
俺も仮の笑顔で笑ってあげた。不気味に。神様はその笑顔に
「早く出ましょう?ねっ(駄々こねてんじゃねぇよ。グチグチしてんじゃねぇよ。後ろ振り向いてんじゃねぇよ。カスが)」
ブラックな柚子木くん。これも心の世界の影響なんでしょうか?